不思議なハートの力00078-大阪大会決勝、陸運戦(光と闇の第二回戦)-
--大阪大会決勝、陸運戦(光と闇の第二回戦)(002)--
試合が開始される。
両者は、並んで礼をする。
先鋒の浪速剛剣の山内と陸運志気の名越が前に出る。
一礼する。
中央で向かい合い屈(かが)む。
(華奢(きゃしゃ)な!
こんなやつ一撃で倒してやる)
山内は、思った。
号令(ごうれい)がかかる。
「はじめー---ぇ!」
2人は、向き合って互(たが)いを凝視(ぎょうし)する。
辺(あた)りが暗く霞(かす)んでいく。
「何か雰囲気がおかしくない?」
真菜美は、朋子に問いかけた。
「う。うん」
朋子は、愛想(あいそ)ない。
試合に集中しているのか?
名越から黒い気が浮かび上がっている。
妖気(ようき)と言うのが正しいかもしれない。
面の奥の目が青く輝く。
山内は、恐怖した。
意識(いしき)が束縛(そくばく)されていく。
(う。うぅぅ)
「バシィーー!」
山内は、一撃(いちげき)で面を打たれ気絶(きぜつ)して倒(たお)れた。
山内は、立ち上がらない。
倒れたままである。
審判(しんぱん)は、驚(おどろ)いて駆(か)け寄(よ)る。
「君(きみ)大丈夫(だいじょうぶ)かい」
肩(かた)を叩(たた)く。
山内の意識が戻った。
「う」
係員(かかりいん)が来る。
「医務室に」
念(ねん)のために医務室(いむしつ)に連れていかれた。
名越も我に返った。
「俺、勝ったの?」
「すごかった」
みんなが祝福(しゅくふく)する
(天導!あれは、闇が取り着いている。
この試合負けるぞ)
イクタスが話しかけた。
(でも、手を出すな!)
神海は、言い放った。
(それは、無理だな)
試合が再開される。
つぎは、次鋒戦である。
次鋒の浪速剛剣の斎藤と陸運志気の上脇が前に出る。
一礼する。
そして、屈み竹刀(しない)を向き合わせる。
「はじめー-----ぇ」
斎藤から白光(はっこう)の気が放たれる。
上脇からは、黒い気が放たれる。
今度は、両者、ひるまない。
乗っ取られた2人の意識。
戦いは、神々の戦いになるのか?
「おかしいよ。これ」
朋子は、悲(かな)し気(げ)な声をだす。
「うん。止めないと」
(でも、どうすればいいの?アクティスさん!)
真菜美は、何もすることのできない自分が腹立たしかった。
つづく。次回(大阪大会決勝、陸運戦(光と闇の第二回戦)003)
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