ひろひろの生活日記(LIFE Of HIROHIRO)

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闇と光の慈愛のコントラスト(90)新たな時

2020年12月18日 18時37分35秒 | 闇と光の慈愛のコントラスト(自作小説)

闇と光の慈愛のコントラスト(90)新たな時
==第二章、闇と光==


--新たな時(003)光の未来①--

「アイリス。大丈夫?」
エンビは、ビックリした。
「あなたは、誰ですか?」
「アクティスと言います。
 闇の種族の生き残りです。
 アイリスを救ってくださって礼を言います」
アクティスは、エンビを安心させようとゆっくり答えた。
「あなたは?」
「エンビと言います。
 私がアイリスを誘ったばかりに
 こういうことが起きてしまいました。
 私が悪いのです」
アイリスの肌は、血が止まっていたものの蚯蚓(みみず)腫(ば)れが波打ち爛(ただ)れていた。
アイリスは、呪いをかけられていた。
「この縄は何ですか?」
「夜に成ると暴れるので縄で縛(しば)っています」
エンビは、誤解がないように答えた。
「呪い?」
アクテイスは、その呪いを解く方法を必死で考える。
(イリノイス。光の呪い。そうだ。
 光の神の血ならば、呪いを解くことが出来るかもしれない)
「サンディア。あなたの血をください」
アクティスは、徐(おもむろ)にサンディアに頼んだ。
「俺の血を?」
「それで、呪いが解けるかもしれないの。
 お願い」
「そうか、良いよ」
サンディアは、躊躇(ちゅうちょ)なく持っていた短剣で左の手のひらに傷をつけた。
「私が、まず、試してみます」
アクテイスが、膝をつき腰を屈め口を開けた。
サンディアは、左手を握りアクテイスの口に血を垂らした。
アクティスは、ゴクっと飲んだ。
体中が熱くなる。
「ジュアワァ」
青い光がアクテイスを包み、そして、その光宝石のような球に成り飛び出す。
そして、サンディアの額に着いた。
サンディアの額に青い宝石が浮かび上がる。
サンディアの体も黄白(こうはく)の光に包まれる。
宝石の球が今度はアクテイスの額に着く。

「僕もアクティスの血を飲むよ」

「まず、あなたの血をアイリスに飲まさないと」

サンディアは、アイリスの口元に手をかざした。
指から血が滴りアイリスの唇に落ちる。
そして、口の中に沁(し)みこんでゆく。
アイリスの呪いが解けていく。腫(は)れが収まり奇麗な肌が現れる。
アイリスの瞼(まぶた)が薄(うす)らと開く。
光に包まれる。
肉片が現れる。
その肉片はゆらゆらと宙を舞う。
そして、サンディアの腕に肉片が着いた。
4人に落ち着いてる暇はない。
誰に襲われるか分からない。
「もっと奥に行かないと」
アクティスは、焚火(たきび)から松明を取った。
そして、焚火を足で消した。
洞窟をもっと奥へと進む。
エンビもアイリスもサンディアも後に続く。
そして、行き止まりに着いた。
アクティスは、岩を拾い天井の壁に押し当てた。
岩は、天井に張り付き燃えて光だした。

つづく。 次回(光の未来②)

#闇と光の慈愛のコントラスト #闇と光 #自作小説 #サンディア #アクティス #新たな時 #光の未来


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