0250_神々の戦い(019)裕也の冒険-銅に閉ざされた脳⑦-
「本当ですか?アクストラ。」
裕也は、驚いて尋ねた。
「本当です。
私の星です。
裕也。そこに行けますか?」
アクストラは、急ぎ尋ねる。
「その星のイメージをください。」
裕也は、イメージがないと移動できない。
アクストラは、自分が住んでいた星を思い浮かべた。
「やって見ます。」
裕也は、手のひらをかざして、そこへ手を送った。
光が飛ぶ。
その星は、死んだ宇宙にあった。
時が止まっていた。
そして、彼は、廃墟(はいきょ)の街に降り立った。
(私の知っている街だ。
だが、荒(すさ)んでいる。
何があったのだ。)
「裕也。次元が止まっています。
でも、どこに次元を異にする場所があるか分かりません。
私は、その場所を知りません。
どうすれば良いのでしょう?」
「たぶん、その星は時空の狭間に吸い込まれたのでしょう。
今、行きます。
そこにいてください。」
裕也は、次元を移動した。
(アクストラが見える。)
(裕也。)
裕也の感覚は、広がっていた。
そして、感覚を星全体に広げた。
(あそこの山に次元が歪(ゆが)んだ場所があります。
行きましょう。)
裕也は、アクストラの手を取った。
そして、移動した。
そこは、山にある洞窟であった。
暗い。
アクストラは、手のひらに炎を出し辺りを照らした。
2人は、奥へと進む。
(あ。黒い壁がある。)
奥は壁で塞がれていた。
そして、2人は、その黒い壁に吸い込まれていく。
(あ。)
(裕也。)
裕也は、違う時間に飛んだ。
そして、一人アクストラは、銅漬けの脳が並んだ場所にいた。
つづく。 次回(アクストラの星①)