闇と光の慈愛のコントラスト(79)闇は母
==第二章、闇と光==
--闇は母(002)眠りの中②--
(アクティス。アクティス。起きて。ねぇ。起きて。)
声がする。ここは、暗闇。
(誰?呼びかけるのは?)
アクティスは、目を開けた。しかし、真っ暗である。
誰も見当たらない。
(僕が言うよ。)
(いや。私。)
(誰なの?)アクティスは誰となく尋ねた。
(元子の妖精だよ。)声の主は答えた。
(あ。また歌がまた聞こえる。)アクティスは、喜んだ。
(誰だか、教えようか?)
(僕の声。)
(そんな分けないでしょう。)
(アンディアとイリスの息子だよ。)
(アンディア?)アクティスは驚いた。
(おじさまの息子なの?)
(行方がわからない叔父様(おじさま)の息子。)
(息子が居たの?)
(きれいな声。)
(会いたい。声の主に。)
(僕が呼びに行く。)元子は、消えた。
つづく 次回(闇は母(003)歌声の主①)