0286_神々の合議(011)裕也の冒険-地獄の業④-
--地獄の業④骨折り地獄--
裕也は、石畳に正座をさせられる。
「今から、この石板を折り畳(たた)んだ腿(もも)に乗せていく。
何枚で声を上げるかな」
鬼は、意地悪そうに言う。
「1枚目」
鬼は、裕也の太腿に石板を乗せた。
裕也は、歯を食いしばる。
(俺たちの出番じゃねぇ)
(急がないと)
(石の精を呼んでこようか?)
(早く)
気持ちの妖精達である。
(ゼウスさんとこの石の妖精を呼んできたよ)
(コン コン)
(お邪魔します)
(石の妖精さん。いますか?)
(何だ!)
怒ったイガイガした妖精が答える。
(私は、ディフェドと言います。
お話しできますか?)
(ディフェドさま!
宝石の妖精?
ゼウスんちじゃないじゃん)
気持ちの妖精達は湧きたった。
(何様だ!)
地獄の石の妖精は、罪人の罪を受けている。
苦しむ声、痛みが石に沁(し)みついているのである。
(出てこい!)
ディフェドは、前に出た。
つづく。 次回(地獄の業⑤-地獄の妖精-)
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