0264_神々の戦い(033)裕也の冒険-時の魔法人の門⑫-
--(5)欲望の試練②--
裕也は、ベッドに上がった。
そして、真奈美が繋がれている鎖にさわる。
冷たい冷酷な感じがした。
(助けたい。)
裕也の気持ちが溢(あふ)れでる。
裕也は、真奈美にキスをした。
体に手をはわし、唇を当てていく。
愛撫する。
裕也は、真奈美を感じた。
真奈美も裕也を感じた。
真奈美の姿が変わっていく。
顔も変わっていく。
(本当に真奈美か?)
ドレスを着た熟女。胸は膨らみ背中を露わにしている。
しかし、裕也は、気にせずに愛撫する。
肌がしわしわの老婆。
罪悪を感じるが続ける。
筋骨隆々な男性。
男性の趣味はないが、真奈美、女性を感じる。
ミニスカートとエプロンのやんちゃな小娘のメイド。
裕也は、惑わされる。
いろいろ容姿は変わるが、真奈美を感じた。
「愛を捧げる。」
ただ、心で念じ続けた。
もう一緒に果てるなんて思う概念は超えていた。
無意識である。
裕也は、果てた。
真奈美も果てる。
「確かに認めよう。愛の欲望を」
天空から声が聞こえ、それと同時に真奈美の姿は消えた。
「彼女は、もとの世界に帰した安心するが良い。」
手には、黒い宝石を握っていた。
「それは、感情をコントロールできる宝石です。
心を失意に飲み込んだり、欲望を膨らましたり、
愛情を与えたりできる。それと、特別なことが出来る。
今は、その力は告げない。
大切に使うがよい。」
天の声は消え、辺りは真っ白な光に包まれた。
つづく。 次回(時の魔法人の門⑬)