この前テレビで池波正太郎の話題をやっていて、作家の山本一力氏がその昔勤め人だった頃、帰りの電車で「食卓の情景」を読んでいたら、そこに出てくるトンカツが無性に食べたくなり、思わずその店のある目黒まで行ったが、ちょうど閉店してしまった直後ですごく悔しかった、という話をしていた。
それを見ていた母が「あの本読みたい!あれでなくてもいいから食べ物の本を…!」と言うので、いくつかの図書館をハシゴして、池波正太郎の食関連の随筆を片っ端から借りてきた。母は元々池波正太郎の作品が好きなのだが、それはなぜかというと、作中に出てくる食べ物の描写が実に上手で食欲をそそられるからだそうだ。
私はそれほど池波作品は読んだことがないのだが、これを機会にと前述の「食卓の情景」、「散歩のとき何か食べたくなって」、「むかしの味」と読み進んでいくうちに、これがもう食べたくなってたまらないのである。一度などは飯抜きで外に出た時に読んでしまったものだから、「しまった、空腹の状態で読んじゃイカン本だった!」と後悔した。なぜなら、これを読んだら余計に腹が減る上に、コンビニのおにぎりやサンドイッチでは満足できなくなるからである。あいにく夜遅い時間で、店などどこもやっていやしない。悄然として家に帰るまでの時間の長いこと長いこと。
池波氏の食べ物へのこだわりは半端ではないのだが、それを「俺はグルメだぜ」みたいな感じでひけらかさず、嫌みなく書いているのが、読んで食欲をそそる理由と言えようか。作家なんてのはみんな気難しくて我々庶民とは別世界にいる、というような錯覚が起こりがちなのであるが、このエッセイを読んでいると池波氏にはそれこそ「食いしん坊でお茶目なおやっさん」みたいな親しみが湧く。文章から人間的な暖かみが感じられて、ファンが多いのもうなずける。私もこんなふうに人の心を打つ文章を書いてみたいが、こういうものは人間的に厚みのある人じゃないと書けない。私なんぞ、体の厚みはあるが(爆)、心の厚みはまだまだ…。
話が逸れたが、冒頭で山本氏が行きそびれたトンカツ屋というのは、目黒駅のそばにある「とんき」という店だ。池波氏がひいきにしていたとは知らなかった。確かに昔から有名で、かなり広い店であるはずなのにいつも混んでいて、並ばず入れたためしがない。しかし、並ぶのが全然惜しくないぐらい、美味しいのである。並びに並んで清潔な店内に入り、揚げたてのカツが出てきた時の喜びと言ったら…衣はカラッと、中の肉はジューシー、そして付け合わせのキャベツはシャッキリ!ああ、書いていたら食べたくなってきた。そういえばついこの前「カツ丼食べたい!」って記事書いてたなオレ…無節操でスミマセンね、ホント。
それを見ていた母が「あの本読みたい!あれでなくてもいいから食べ物の本を…!」と言うので、いくつかの図書館をハシゴして、池波正太郎の食関連の随筆を片っ端から借りてきた。母は元々池波正太郎の作品が好きなのだが、それはなぜかというと、作中に出てくる食べ物の描写が実に上手で食欲をそそられるからだそうだ。
私はそれほど池波作品は読んだことがないのだが、これを機会にと前述の「食卓の情景」、「散歩のとき何か食べたくなって」、「むかしの味」と読み進んでいくうちに、これがもう食べたくなってたまらないのである。一度などは飯抜きで外に出た時に読んでしまったものだから、「しまった、空腹の状態で読んじゃイカン本だった!」と後悔した。なぜなら、これを読んだら余計に腹が減る上に、コンビニのおにぎりやサンドイッチでは満足できなくなるからである。あいにく夜遅い時間で、店などどこもやっていやしない。悄然として家に帰るまでの時間の長いこと長いこと。
池波氏の食べ物へのこだわりは半端ではないのだが、それを「俺はグルメだぜ」みたいな感じでひけらかさず、嫌みなく書いているのが、読んで食欲をそそる理由と言えようか。作家なんてのはみんな気難しくて我々庶民とは別世界にいる、というような錯覚が起こりがちなのであるが、このエッセイを読んでいると池波氏にはそれこそ「食いしん坊でお茶目なおやっさん」みたいな親しみが湧く。文章から人間的な暖かみが感じられて、ファンが多いのもうなずける。私もこんなふうに人の心を打つ文章を書いてみたいが、こういうものは人間的に厚みのある人じゃないと書けない。私なんぞ、体の厚みはあるが(爆)、心の厚みはまだまだ…。
話が逸れたが、冒頭で山本氏が行きそびれたトンカツ屋というのは、目黒駅のそばにある「とんき」という店だ。池波氏がひいきにしていたとは知らなかった。確かに昔から有名で、かなり広い店であるはずなのにいつも混んでいて、並ばず入れたためしがない。しかし、並ぶのが全然惜しくないぐらい、美味しいのである。並びに並んで清潔な店内に入り、揚げたてのカツが出てきた時の喜びと言ったら…衣はカラッと、中の肉はジューシー、そして付け合わせのキャベツはシャッキリ!ああ、書いていたら食べたくなってきた。そういえばついこの前「カツ丼食べたい!」って記事書いてたなオレ…無節操でスミマセンね、ホント。