かかりつけの医者へ行くので自転車を漕いでいたら、「ピテ」に出くわした。昨日、「あだ名だな。Part2」で書いたばかりの、幼なじみの「ピテ」だ。10年以上会っていなかったが、メガネをかけているぐらいであまり変わりがない。普段なら、「他人のそら似」ということもあるから、こちらから声をかけることはめったにないのだが、「ピテ」に似ているヤツはそうそういない。ましてや、彼の家のすぐそばで会ったのだ。「間違いない。これを逃したらまたいつ会えるかわからん」そう思って、声をかけた。
「誰?」
彼の第一声である。不意打ちを食らったようなショックを受けたが、それは私の外見が変わり果ててしまったからだろう。そう思い直して、本名を名乗り「覚えてない?小さい頃がらずっと一緒に遊んでた、ウエさんだよ!」と彼の記憶を掘り起こそうとした。
「知らない。」
彼は面倒くさそうに一言で叩っ斬った。声もしゃべり方も聞き覚えがあるし、この面倒くさそうな態度こそ、彼が「ピテ」本人である証拠に他ならないのだが、どうやら彼の記憶から私は完全に抹殺されてしまったようだ。そう言えば、年賀状のやりとりも数年前から途絶えていたっけ。
「ごめんなさい、人違いだったようです…」これ以上追求しても何も出てこないだろうと思った私は、そう言って立ち去らざるを得なかった。本当は人違いなんかじゃない。これには絶対の確信がある。しかし、「知らない」と言われてはそれまでだ…。
「ピテ」とは、私ともう一人の友人Oとで「3バカ大将」(命名・私の母)と呼ばれた仲だった。中学卒業までずーっと一緒で、バカだけど明るい男だった。ところが、高校の3年間で何があったのか、浪人中に予備校で偶然再会した時にはすっかり変わり果て、自分の殻に閉じこもってしまったようで、私ら友人連中が声をかけても机に突っ伏したままあまり関心がなさそうだった。それから会うことなく約11年ぶりの再会でこの始末…。私と会わない間に、彼に一体何があったのか。
病気じゃない方のうつな気分になった。
「誰?」
彼の第一声である。不意打ちを食らったようなショックを受けたが、それは私の外見が変わり果ててしまったからだろう。そう思い直して、本名を名乗り「覚えてない?小さい頃がらずっと一緒に遊んでた、ウエさんだよ!」と彼の記憶を掘り起こそうとした。
「知らない。」
彼は面倒くさそうに一言で叩っ斬った。声もしゃべり方も聞き覚えがあるし、この面倒くさそうな態度こそ、彼が「ピテ」本人である証拠に他ならないのだが、どうやら彼の記憶から私は完全に抹殺されてしまったようだ。そう言えば、年賀状のやりとりも数年前から途絶えていたっけ。
「ごめんなさい、人違いだったようです…」これ以上追求しても何も出てこないだろうと思った私は、そう言って立ち去らざるを得なかった。本当は人違いなんかじゃない。これには絶対の確信がある。しかし、「知らない」と言われてはそれまでだ…。
「ピテ」とは、私ともう一人の友人Oとで「3バカ大将」(命名・私の母)と呼ばれた仲だった。中学卒業までずーっと一緒で、バカだけど明るい男だった。ところが、高校の3年間で何があったのか、浪人中に予備校で偶然再会した時にはすっかり変わり果て、自分の殻に閉じこもってしまったようで、私ら友人連中が声をかけても机に突っ伏したままあまり関心がなさそうだった。それから会うことなく約11年ぶりの再会でこの始末…。私と会わない間に、彼に一体何があったのか。
病気じゃない方のうつな気分になった。