時代のウェブログ

イマを見つめて
提言します

ガスは危険物

2007年02月23日 23時41分00秒 | 社会・経済
ガス湯沸かし器による死傷事故はパロマ、リンナイ、松下に留まらず、ほぼ全メーカーで発生している様相となってきた。もちろん全てが機器の欠陥とは現段階では言い切れない。メーカー側や設置工事者に非がないとは言わないが、メーカー側が主張する「利用者の誤用」が原因の事故も多いと思う。
はたして、どれだけのユーザーが製品の取り扱い説明書を読んでいるだろうか? ほとんどが「読まない」または「軽く目を通す」くらいではないだろうか?
「湯沸かし器って説明書を熟読しないとならないほど危険な物なのか?」――と言われれば、「そうである」と答えよう(笑)。

筆者は少年時代、極度の寒がりで、冬は炬燵にすっぽり潜り込んでいた。すると、親から、
「炬燵に潜ってると死ぬぞ」と、よく叱られた。昔は電気炬燵ではなく、掘炬燵で中で豆炭を燃やして暖めていた。いわば「一酸化炭素の巣窟」である。今までよく生きてこられたと冷や汗をかくが、昔は「暖房への危険」が周知されていた。火は恐ろしい物だという意識が誰にも芽生えていたと感じる。では、現代はどうか?
ストーブやファンヒーター、湯沸かし器に恐怖心を持つ人間がどれだけいるだろうか?
もちろん現代の技術は目覚しく進歩して安全対策は比較の予知がない。しかし、「燃焼」が起きるからには、一酸化炭素が発生する確率は絶対にゼロにはならないのである。

数年前からガス協会のCMがおもしろくて、非常に気にいっている。織田信長や小野妹子が現代にやってきて、ガスの便利さに感動する。あの楽しいCMを見ていると、「ガスって便利で安全なんだな」と好感度が上がる。
しかし、真に誠意があるならば「ガスは危険もあるから使用には注意しよう」と少しは啓蒙するCMのほうが良心的かもしれない。
今回はガスを槍玉に上げたが、これは電気にも石油にも、全てに共通している真理であるが。文明を享受するのは良いが、決して舐めてはいけない。




東京は昭和の都

2007年02月23日 06時33分00秒 | 社会・経済
別にニュースのチェックをしてない訳ではないが、あえてコメントしたい事柄が、このところない(重大ニュースがないのではなく私流にいいたい事が無いの意)。

サボりまくってると思われると困るので首都高のトレーラー事故について書く。別に今さら言わなくても、多くの人が承知してると感じているので書く気にならなかったが、他に適当な素材がないから(汗)。

首都高が既に時代遅れなのは言う間でもない気がする。「高速」とは名ばかりで、頻繁に発生する渋滞、走りにくい構造……昭和30年代に造られた道路だから仕方ないだろう。将来予測の甘さを指摘する声も多いが、予測なんて外れる方が多い(新年の新聞ではよく未来予想を載せるが半分は外れてる)。
現代に適応した道路にするためには、全面的に造り直すしかないと思う。しかし、かつて日本橋の上の道路を外すだけでも試算すれば数百億とか。全部となれば兆単位か?

そもそも首都高に限らず、東京は昭和に造られた街だから、あちこちで動脈硬化を起こしている。部分的に再開発されてはいるが。さらに言えば、東京のベースは「江戸」だしね。江戸城が皇居として聖域的存在で中央にドカンと君臨しているから、リニューアルにも限界がある。例えば鉄道は全部、皇居を迂回するように敷かれるから、池袋―品川とか渋谷―上野みたいな地域を最短距離では結べない。
地価が日本一高い東京を全面的に造り直すなんて、まず無理だろう。東京を現代の首都に造り直すよりは、遷都したほうが遥かに安上がりだろう。
バブル時代は遷都論議が盛んだったが、バブル崩壊とともに消えてしまった。地盤沈下が激しい地方では、都の受け入れどころではないのだろう。今後、盛んになりそうなのは道州制導入による首都機能の一部移転あたりか?そんなんでは根本的な解決にはならないと感じているが……。

【補記】
東京で暮らした事が無い方は、東京は広く平らな関東平野にあると誤解している人が多いかもしれない。
しかし東京は決して平坦な土地ではない。実に凸凹している。地下鉄・銀座線の渋谷駅がデパートの3階にあるのは有名だが、これは決して地下鉄を登らせているのではない。地下鉄を水平に走らせていると、渋谷では地上3階の高さになってしまうのだ。渋谷は地名の通り、「谷」の底にある。道玄坂、宮益坂、スペイン坂など渋谷周辺には坂が多い。同じく「四谷」や「茗荷谷」なども「谷」で、ここでも地下鉄は地上を走っている。
赤坂は「坂」だし、青山は「山」である。赤坂あたりは教習所で坂道発進が苦手だったドライバーには辛いかも(オートマがある・笑)。
こうした起伏に富んだ地形に加えて、道も入り組んでいる。徳川家康が外から攻めにくくするように、わざと入り組ませたと伝えられる。
今回の事故現場も、江戸城の堀などに沿って道路が造られたために、急カーブが多くなってしまっているのだ。

江戸時代なら合理的な町造りといえるだろうが、近代国家の首都としての東京は、決して”イイ出来”とは言えない都だ。