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秋葉原、無差別テロその後

2008年06月09日 18時27分00秒 | 社会・経済
「秋葉原で人を殺します」加藤容疑者、携帯掲示板に予告

加藤容疑者と思われる人物の書き込み
●タイトル「秋葉原で人を殺します」
「車でつっこんで、車が使えなくなったらナイフを使いますみんなさようなら」
[1] 06/08 05:21 ねむい
[2] 06/08 05:34 頭痛が治らなかった
[3] 06/08 05:35 しかも、予報が雨 最悪
[4] 06/08 05:44 途中で捕まるのが一番しょぼいパターンかな
[5] 06/08 06:00 俺が騙されてるんじゃない 俺が騙してるのか
[6] 06/08 06:02 いい人を演じるのには慣れてる みんな簡単に騙される
[7] 06/08 06:03 大人には評判の良い子だった 大人には
[8] 06/08 06:03 友達は、できないよね
[9] 06/08 06:04 ほんの数人、こんな俺に長いことつきあってくれてた奴らがいる
[10] 06/08 06:05 全員一斉送信でメールをくれる そのメンバーの中にまだ入っていることが、少し嬉しかった
[11] 06/08 06:10 使う予定の道路が封鎖中とか やっぱり、全てが俺の邪魔をする
[12] 06/08 06:31 時間だ 出かけよう
[13] 06/08 06:39 頭痛との闘いになりそうだ
[14] 06/08 06:49 雨とも
[15] 06/08 06:50 時間とも
[17] 06/08 07:12 一本早い電車に乗れてしまった
[19] 06/08 07:24 30分余ってるぜ
[20] 06/08 07:30 これは酷い雨 全部完璧に準備したのに
[21] 06/08 07:47 まあいいや 規模が小さくても、雨天決行
[22] 06/08 09:41 晴れればいいな
[23] 06/08 09:48 神奈川入って休憩 いまのとこ順調かな
[25] 06/08 10:53 酷い渋滞 時間までに着くかしら
[26] 06/08 11:07 渋谷ひどい
[27] 06/08 11:17 こっちは晴れてるね
[28] 06/08 11:45 秋葉原ついた
[29] 06/08 11:45 今日は歩行者天国の日だよね?
[30] 06/08 12:10 時間です


伝えられる加藤智大容疑者のプロフィール
●過去
加藤容疑者は青森市出身で、東北一円に支店を持つ労働金庫に勤務する父親を持ち、家族4人で暮らしていた。中学校まで成績はトップクラスでテニス部に所属。県内トップの県立高校に進学した。
●現在
加藤容疑者は、昨年11月から派遣会社の日研総業(東京都大田区)に登録。静岡県裾野市にあるトヨタグループの自動車メーカーの工場で働いていた。時給1300円程度、月給は30万円前後。

「ドロップアウト」という単語を連想された方も多いのでは?
この「ドロップアウト」こそが今回の惨劇の原因ではないかと感じる。
タイトルは覚えていないが、何かの映画かドラマで次のような台詞を覚えている。
「世の中には二通りの人間がいる。支配する人間と支配される人間だ」
劇中の言葉だから『支配』などといういささか陳腐な単語が用いられているが、現実社会での「役割」として、これに近い実態は色々ある。
たとえば「採用する側」と「採用される側」。あるいは「給与額を決める側」と「給与額を決められる側」。

今回の事件とは全く無関係だが、数日前の橋下大阪府知事と職員労組の激戦を思い出す。
「一方的に人件費削減といわれても、我々はやっていけない」
橋下改革の是非は本エントリーと無関係なので別の機会に譲るが、職員達の怒りは凄まじい物だった。
「採用される側」、「給与額を決められる側」の鬱積した思いを垣間見た。

中学まで優秀だった加藤容疑者。恐らく本人は、将来「採用する側」、「給与額を決める側」――即ち「支配する人間」になると信じていただろう。
しかし「ドロップアウト」してしまった彼は、現実では「支配される側」になってしまう。
断っておくが、決して労働者を卑下して差別している訳ではない。
ただ、そういう「見方」が、この社会にあるのは事実。
この事件を議論する掲示板にも「25歳にもなって派遣で使われてる人生のが問題あるよ」などという書き込みもある。

格差や疎外感に絶望し凶行?失敗や異質に不寛容な日本…悲劇の背景、日本のTVは言及不足/英BBC
(前半部略)(秋葉原の通り魔事件について)日本のテレビ局は日曜の午後、この悲劇について最新情報を伝え続けた。しかし、なぜこのような事件が起きてしまったのかについては、 この地のメディアはこれまでのところほとんど言及していない。
世界の他の国と比べれば、日本は比較的まだ安全な国であるが、似たような殺傷事件が今年初めに起きている。1月には、東京の商店街で16歳の少年が包丁で5人に切りつけ、2人がケガ。3月には、殺人容疑で逮捕されたい男が、ナイフで土浦駅の通行人8人を殺傷した。
この国の治安悪化を恐れる人もいるが、今のところ凶悪犯罪数は他の国に比べ少ない。
彼らは、失敗や異質なものに対して寛容でない日本社会の圧力を批判する。周囲になじめなければ仕事にもありつけず、みんなと同じように振舞わなければ村八分になる。不平等が広がることを過剰に恐れる人も多い。社会の底辺の人達は大きな格差を感じ、仕事につくと、おそらくそれをさらに一層感じるようになる。
(略)
報道によれば、容疑者は警察に単独犯行だと語り、「人生に疲れた」と発言したという。
しかし、背後から切り付けられた犠牲者達の悲惨な状況から目を移せば、一体何がこの男を人通りの多いショッピング通りでの凶行に駆り立てたのか?と問わずにはいられない。
狂った個人の行動なので、前もって予想することも防ぐこともできなかったと釈明するだけでよいのだろうか?
それとも、積もり積もった社会のプレッシャーやストレスが、問題を抱えた人々を恐ろしい行動へと駆り立てて悲劇的な結末を招き、さらに物騒な日本社会へと至る兆候なのだろうか?
ソース

「いったい何故このような事件が起きてしまったのでしょうか?」
今朝からニュースやワイドショーは識者を招いて同じような質問を繰り返している。
「支配する側」がそんな質問をしている限り、こうした事件は防げない。

コメント
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