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イマを見つめて
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落書き騒動おさまらず――ウチも追記だらけだが・汗

2008年06月30日 08時38分00秒 | 社会・経済
今朝は『とくダネ!』と『スッキリ!!』で、世界遺産への落書き問題を取り上げていた。
「水戸市の私立常磐大高校(浅岡広一校長)野球部の男性監督(30)が、世界遺産に登録されているイタリア・フィレンツェ中心部にある「サンタ・マリア・デル・フィオーレ大聖堂」の壁に名前などを落書きしていたことが分かった」とのニュースを受けてのものらしい。

神社や仏閣を参拝して、つい落書きしてしまうのは、日本人のDNAに染み込んだ性かもしれないと思う。そもそも千社札とは寺社へ参拝した印として貼り付ける物だった。現在では千社札禁止という寺社も多いが……。また絵馬を奉納するのも、御神籤を枝に結びつけるのも似たような行為だろう。
たぶん日本人は、なにか形に残さなければ不安な民族ではないか? 海外旅行にカメラをぶらさげて回る日本人の漫画はおなじみだ(笑)。

とはいえ世界遺産に日本語が大量に(今朝のワイドショーによれば全落書きの約1割が日本語らしいwww)残されるのは「国辱」である。
そもそも日本人は「落書き」に対する罪悪感が薄いのではないかと感じる。
全国の小中学校の机に落書きがまったく無い物はどれぐらいあるだろうか?
実際に筆者も小・中学生時代には、教室の自分の机に落書きしてしまった。だが、それで教師から叱られた記憶は無い。
こういう部分から、まず改めるべきだろう。学校の机といえば公共物だから、それに落書きしてはいけない――というような所から周知していくべき。そういうのを野放しにして育てといて、世界遺産は駄目――といっても防止策にはならない気がする。
『東京ラブストーリー』の最終回。学校の柱に彫られた永尾完治と赤名リカの名。
このシーンを「こいつら、モラルが低いバカップルだな」と思って見ていた日本人は、どれぐらいいただろう?

【追記】
1. この監督が解任されたらしい。さらにチームが夏の甲子園予選に出場して良いかどうか高野連に申し出たとか。
いやだねぇ~。
「解任」という処分について重い・軽いの判断は個人差があろう。個人的には重過ぎると感じるが、妥当と考える方もいるかもしれない。
問題は、今回のようにマスコミが大騒ぎして新聞やテレビが報じて発覚したのではなく、たとえば学内の調査で発覚して社会的には全く知られなかった場合でも、同じ処分を課したのかどうか? おそらくそうは思えない。せいぜい厳重注意程度か、さらに重くても数日間の謹慎とか減給1ヶ月程度ではなかったかと思う。解任はマスコミが大騒ぎしたために矛先をかわすためとしか思えない。さらに言えば選手には全く何の責任もない。出場伺いなんて立てる必要は全くない。おそらくは「問題なし」の回答を得られることを見越してのパフォーマンスかもしれないが、こういう蜥蜴の尻尾斬りみたいな処分って不愉快だね。それよりも、これを他山の石として在校生徒にモラル教育をするのが先かと思う。でもこの対応を見ると、学校側は一刻も早く騒動が鎮静化するのを望んでいるようだから、たぶん校内じゃこの問題には触れないんだろうねぇ……。

2. 日本の厳罰処分に伊紙「あり得ない」
上にも書いたように、これは「落書き」への厳罰じゃなくて「学校の名前に泥を塗った」ことへの厳罰だと思うのだが、イタリア人に理解しろというのが無理か(笑)?
「一方でレプブリカ紙によると、大聖堂の技術責任者、ビアンキーニ氏は「日本の出来事は、落書きが合法と思っているイタリア人にはいい教訓だ」と語った」
↑今朝の『スッキリ!!』で、この問題について外国人を集めてディスカッションしていたが、なかなか面白かった。
イギリス人など他のヨーロッパ人に言わせると「イタリアの落書きは異常」らしい。そして問題は書く側ではなく、書かれても平気な管理側にあるという。調べてみるとイギリスのストーンヘンジは落書き防止のために手で触ることが禁止され、ウェストミンスター寺院は内部の写真撮影すらできない。同じヨーロッパでも全く違うもんですね。ラテン系の特徴か?
落書き繋がりで、今日は「新幹線に落書き、運休」というニュースが。イタリアならば「運転には支障ない」とそのまま走らせてしまうんだろうwww

3.外国人討論会を見ていて思いついたジョーク。
中国人「落書きで解雇や退学というのは厳しすぎると思います」
日本人「でも、あの中国人は落書きで銃殺されたぞ」
中国人「それは共産党の悪口を書いたからです」


【補記】
当エントリーに対して、くるっくーさんより「サンタ・マリア・デル・フィオーレ大聖堂を実際に見たことがあるのか?」との指摘コメントを頂いたので、補足いたします。
永らく当ブログをご愛読いただいている方々はご承知かと思いますが、当ブログはニュースを取り上げて、あれこれと感想を書き連ねておりますが、大抵の場合は、そのニュースから感じ取れた社会や時代などの感想を書いています。
単一の事件を取り上げて、この犯人はどうだこうだ言うような事はマスコミに任せておけば良い。
今回のエントリーはサンタ・マリア・デル・フィオーレ大聖堂の落書きのニュースですが、単にこの場所に書かれた落書きがどうこうではなく、「日本人と落書き」について考えてみました。
もちろん落書きが日本人の専売特許ではありません。外国人でも落書きはします。
悪名高く有名になったのはニューヨークの地下鉄の落書きでしょうか?
かつて、このNY地下鉄の落書きやジュリアーニ・ニューヨーク市長、彼が唱えた「ブロークン・ウインドー・セオリー(割れ窓理論)」などについて米国人と話したことがあります。
そこで日本人と違うなと感じたのは、彼らの感覚だと、壁にスプレーで落書きすることと、窓ガラスに石を投げて割る行為がほぼ同一なんですね。
これには違和感を感じましたが、じっくり考えれば納得できます。落書きされたら消すのに労力がかかる。ペンキ代などの費用もかかる。いっぽう窓ガラスを割られたら取り替えるのに労力がかかる。新しい窓ガラスの費用もかかる。
労力と費用を考えれば、米国人がいう「落書きも窓ガラスを割るのも同じような悪行」という捉え方のほうが適切かもしれない。
でも、日本人はどうでしょうか? もちろん落書きもするしガラスも割る悪ガキもたくさんいるでしょうが、各地の観光地に書かれている夥しい数の落書きをしている人間達が、平気でガラスに投石しているようには感じられない。
大多数は「ガラスを割るのは大きな悪いことだが、落書きは小さな悪いこと」という認識ではないかと感じます。
それがエントリーで挙げた「教室の机の落書き」であり、『東京ラブストーリー』のカンチとリカの名前だと思う訳です。
そして、その背景には日本の歴史(訪問証明の千社札が許されていたこと)や民族性(旅行先では写真等の記録に残したがる)などが反映されているのではないかと思う訳です。
最後に言いますと「DNAに染み込んだ」はレトリックであり、当然ながらそんな物が医学的にDNAに記録されている訳ではありませんww

◎参考記事
ほとんどはイタリア語、英語、スペイン語など欧米の言葉で書かれ、日本語は全体の1割程度だったが、ハートマークの中に多くの女性の名前が書かれ、その下に「本当の愛をさがしにいくよ」との落書きも。都内の私立大生を名乗るものもあった。2008/06/29 22:19 【共同通信】
場所柄、全観光客の中で日本人が1割も占めているとは到底、考えにくいと思います。相対的な比率として、日本人の落書きの割合が高く感じられるのですが、いかがでしょうか?



コメント
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