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鳩山邦夫総務相、事実上の更迭

2009年06月13日 04時24分00秒 | 政治
鳩山邦夫総務大臣と西川善文日本郵政社長のバトルは、鳩山総務相の事実上更迭で決着した。
「落とし所のない戦い」と言われて麻生総理には難しい選択だった。鳩山総務相は太郎会(麻生氏を総理にするための会)の会長で、麻生総理の「生みの親」といっても良い人物だった。盟友・中川昭一前財務相を辞任させたうえに鳩山総務相までクビにすれば閣内で総理を支える閣僚はいなくなる。
ならば西川社長をクビにすれば良いかというと、これも簡単にはいかない。西川社長は小泉政権が郵政民営化を実行した際に「民営化する郵政の社長に官僚を据える訳にはいかない(天下りの一種ですからネ)」と民間の三井住友から三顧の礼をもって迎えた人物である。彼を否定してクビにすれば、小泉支持層だけでなく財界からの反発も大きい。どうやっても半年以内に総選挙が行われる現在、財界から反発を受けるのは致命傷になりかねない。「なんとかして双方、留任」が総理の目標だった。

鳩山総務相は「総理の生みの親」の自覚があったから、ここまで意固地に頑張り続けられた。「絶対に自分を切れない」と考えていたのだろう。ちょうど小泉内閣の田中眞紀子外相更迭を思い出す。あの時も、田中外相は「絶対に自分はクビにならない」と確信していた。彼女も「小泉政権の生みの母」を自称していた。事実、世論の人気は小泉総理と二分する状況で、田中外相を更迭すると小泉内閣の支持率は急落した。この政局の危機を小泉総理は、電撃的北朝鮮訪問と拉致被害者の一部奪還というウルトラCを使って回復させた。麻生総理にそうした策はあるか?――たぶん無いだろうなあ。

「落とし所のない戦い」と言ったが、総理の権限で落とせる唯一の解決策があった。それは内閣改造である。鳩山総務相を郵政社長の認可権のある総務相から別の大臣に横滑りさせる。現在の麻生内閣は中川前財務相の辞任で与謝野薫が財政系3大臣を兼務するなど「いびつな内閣」になっている。さらには半年以内に総選挙が実施される。鳩山由紀夫新代表就任で民主党の支持率が上昇している小沢辞任効果も打ち消す意味で、人寄せパンダ的な総選挙向け新閣僚を数人入れて新内閣を作る。こうすれば鳩山も西川も切らずに軟着陸できた。麻生さんは考えなかったのかな?
あるいは考えても、鳩山さんが「No」と言ったのだろうか?

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