三沢死亡のニュースを扱ったワイドショーが、三沢がノア社長だった事に触れて「レスラーと社長を兼務するのは負担が大き過ぎるのではないでしょうか。そういう組織も改めるべき」みたいな意見を言っていた。プロレス会社の社長は伝統的にレスラーが務めている。長年、全日本プロレスの社長はジャイアント馬場だったし、新日本プロレスの社長はアントニオ猪木だった。
手元に一冊の本がある。『プロレス仕掛け人は死なず』。著者は新間久。長年、新日本プロレスの専務として闘魂十番勝負などを仕掛けた人間だ。猪木の腹心だった人物だが袂を分けた後は訴訟沙汰にまでなった。
その新間解任から旧UWF設立までの過程を描いた一種の暴露本である。これを読むと猪木・長州・藤波・前田などのレスラーが当時の新日でどんなポジションにいて、どんな事を考えて何をしていたのかが(新間氏の視点からではあるが)色々と覗えてとてもおもしろい。
もうひとつ、この本の特徴は、愚痴が非常に多い(笑)。随所に新間氏の愚痴が書かれている。その内容は「レスラーは自分の言う事を全然聞かない。専務なのに」という感じ(笑)。専務として会社にベストな事業を展開しようとしているのに、レスラーがそれに従わないと言うのだ。そして新間氏が挙げる理由は「レスラーは、プロレス団体はレスラーのファィトで食っているという自負が強いから」。
ある歴史上の人物を思い出した。それは石田三成。豊臣秀吉の死後、三成は豊臣政権維持のために様々に画策する。しかし加藤清正、福島正則らがそれに従わずに豊臣政権は滅ぶ。加藤や福島が徳川に味方したのは反三成感情が原因とまで言われる。「戦場で何の働きもしない者が偉そうに指図するな」ということらしい。加藤や福島がレスラー、三成がフロント(新間氏)と重なる。
高橋留美子の漫画『犬夜叉』は大好きな作品だが、その中でも特に好きなのが「七人隊編」だ。荒くれ者7人の集団が犬夜叉の敵として立ち塞がる。黒沢明の『七人の侍』の侍7人が敵役になったような感じ。とにかく強い。その強敵6人が倒れて、最後に首領の蛮骨ひとりが残る。犬夜叉との最終決戦。これがまた強い。他の6人も相当強かったが、蛮骨は段違いに強い。
蛮骨が犬夜叉に言う。
「俺がどうして、あの人殺し集団を束ねてこられたか知っているか? それは俺が一番強かったからだよ!」
プロレス会社の社長はレスラーが務めるのが慣例となっている。それはレスラーでなければ荒くれ者揃いのレスラー達を束ねられないからではないのだろうか?
一般社会の人間が「社長とレスラーの兼務は大変」なんて常識で述べるのは、単に机上の空論なのかもしれない。
手元に一冊の本がある。『プロレス仕掛け人は死なず』。著者は新間久。長年、新日本プロレスの専務として闘魂十番勝負などを仕掛けた人間だ。猪木の腹心だった人物だが袂を分けた後は訴訟沙汰にまでなった。
その新間解任から旧UWF設立までの過程を描いた一種の暴露本である。これを読むと猪木・長州・藤波・前田などのレスラーが当時の新日でどんなポジションにいて、どんな事を考えて何をしていたのかが(新間氏の視点からではあるが)色々と覗えてとてもおもしろい。
もうひとつ、この本の特徴は、愚痴が非常に多い(笑)。随所に新間氏の愚痴が書かれている。その内容は「レスラーは自分の言う事を全然聞かない。専務なのに」という感じ(笑)。専務として会社にベストな事業を展開しようとしているのに、レスラーがそれに従わないと言うのだ。そして新間氏が挙げる理由は「レスラーは、プロレス団体はレスラーのファィトで食っているという自負が強いから」。
ある歴史上の人物を思い出した。それは石田三成。豊臣秀吉の死後、三成は豊臣政権維持のために様々に画策する。しかし加藤清正、福島正則らがそれに従わずに豊臣政権は滅ぶ。加藤や福島が徳川に味方したのは反三成感情が原因とまで言われる。「戦場で何の働きもしない者が偉そうに指図するな」ということらしい。加藤や福島がレスラー、三成がフロント(新間氏)と重なる。
高橋留美子の漫画『犬夜叉』は大好きな作品だが、その中でも特に好きなのが「七人隊編」だ。荒くれ者7人の集団が犬夜叉の敵として立ち塞がる。黒沢明の『七人の侍』の侍7人が敵役になったような感じ。とにかく強い。その強敵6人が倒れて、最後に首領の蛮骨ひとりが残る。犬夜叉との最終決戦。これがまた強い。他の6人も相当強かったが、蛮骨は段違いに強い。
蛮骨が犬夜叉に言う。
「俺がどうして、あの人殺し集団を束ねてこられたか知っているか? それは俺が一番強かったからだよ!」
プロレス会社の社長はレスラーが務めるのが慣例となっている。それはレスラーでなければ荒くれ者揃いのレスラー達を束ねられないからではないのだろうか?
一般社会の人間が「社長とレスラーの兼務は大変」なんて常識で述べるのは、単に机上の空論なのかもしれない。