日本の皇室で最も多くの団体を抱えておられるのが高円宮久子妃であり、2021年現在で29の団体に関わっておられるが、今年95歳のお誕生日を迎えられたエリザベス女王は実に600もの団体のパトロンを今も務め、コロナ禍にあってもZoomで関係団体の人々と会議を開いている。
そりゃーあなた!エリザベス女王はグレートブリテン及び北アイルランド連合王国 (通称イギリス)の君主にして、その他16か国の英連邦王国(Commonwealth realm )および王室属領・海外領土の君主。イングランド国教会の首長でいらっしゃるから・・・。
<日本国の象徴>の天皇とはお立場が違うのですから、関わる団体も桁違いになって当然でしょう。
国家における立場が全く違う二人を比べて、片方は公務が多いから素晴らしい、片方は公務が少ないからダメだと判定するのはいささか乱暴過ぎるのではありませんでしょうか。
君塚教授が高く評価する高円宮妃久子さまの数多い総裁職の大半はスポーツ関連団体です。スポーツ界といえば、何だか解ったような解らないような様々な利権があちらこちらに発生していることで知られています。久子さまもあちこちに顔を出して美味しい思いされていてもちっとも不思議ではありません。
また女王のZoom会議ですが、600の団体の内分けはどのようなものでしょうか?
600団体と漏れなく運営に関わる会議をしようとすれば、単純計算でほぼ毎日最低2団体と会議をしなくてはなりませんが、そんなことは無理でしょう。他にも団体のパトロン以外にも公務はあるでしょうしね。
それに団体の運営に関わる会議が年に一度ですむわけがない。そのようなことを考えれば、女王のZoom会議の実態がおおよそ想像付くというものです。団体によって関わり方に軽重があるか、全ての団体に儀礼的に関わるか。
そもそもが英国はヴィクトリア女王(在位1837~1901年)の時代から慈善団体に関わり、さらに英国のみならずカナダやオーストラリアといった「英連邦王国(エリザベス女王を国家元首にいただく国)」15カ国の団体にも王族が関わっている。それゆえ日本の皇室とは桁違いの忙しさなのである。また、ベネルクス3国や北欧3国などの王室も、英国ほどの数ではないがそれでも王族各人が少なくとも2桁以上の団体に密接に関わり、文字どおり世界中を飛び回る多忙な生活にあるのが現状である。
大英帝国時代植民地を作りまくったから、王族総出で後の手入れをしている、と言う感じ?手入れしないと国益を損ねるから、手入れにも力が入るのでしょう。
こういうところを見ても<日本の象徴>とUnited Kingdom of Great Britain and Northern Ireland の女王とでは立場が違うということが解る。
北欧3国などの王室も日本の皇室とは負って立つ歴史も、国家に対する立場も違う。
負って立つ歴史と国家に対する立場が違うものを関係する団体の数だけ比較して、優劣を判定するのは雑駁すぎる論法ではありませんでしょうか。
何故、その団体に関係しているのか、関係するようになったか、まで見ないとハテナ?です。
ビクトリア時代の慈善事業は社会福祉制度が不十分な時代に、不十分を補うものでもあったのですよね。
明治天皇、皇后が福祉事業に熱心だったのも同じ理由です。
秋篠宮殿下が総裁を務めておられる済生会も設立当初の目的は、今は医療制度、社会福祉制度が果している。
天皇の慈善事業に頼らなくてもよくなってきているということです。
むしろ、社会福祉は天皇・皇族の慈善事業に頼るのではなく、国民が相身互い、互助の精神で制度を整え行くべきでしょう。
王族、皇族の慈善活動は悪くないが向かう方向によっては、社会福祉の健全な成長の邪魔になる危険性もあります。
英王室の慈善活動はともかく、皇室の慈善活動は内容のチェックは必要かと思われます。平成の皇后の慈善活動の中には、ご自身の自己満足の為にされているのでは?というものも有りましたものね。
ダイアナ元妃の地雷、エイズのボランティア活動を見れば解りますが、王室、皇室の慈善活動は国民に対する啓蒙活動の側面もあります。
日本の皇室も真摯にメンタルヘルスへの啓蒙を考えるのなら、雅子さまのご病気の実態を早い時期に国民に伝えるべきだったと思います。
「自分達に都合の悪いことは隠す。」という態度のままで見栄え、聞こえの良い慈善活動ばかりされてもね。
慈善活動は数が多ければ良い、というものでも無いでしょう。
<続く>