文春は陛下の”御懸念”を使って菅政権を叩くことにしたようだ。
《天皇陛下の“御心”を菅政権は無視?》宮内庁長官の異例発言「オリパラご懸念を拝察」の重すぎる意味
6/29(火) 6:12配信 文春オンライン
抜粋
『拝察』という表現により、あくまでも西村長官個人が陛下のお側にお仕えする中で推測したような形式をとっていますが、国民世論の反対の声に一切耳を貸さずに政権維持に利用するため五輪開催に邁進する菅義偉政権に、国民の声に耳を傾けなさいと陛下は諭されているのです。拝察という表現は、憲法第4条で『国政に関する権能を有しない』と定められている天皇が、宮内庁長官に自らの御心(みこころ)を代弁させる際の伝家の宝刀なのです」
「伝家の宝刀」に対しての疑問は二つ。
*今回のよう何とでも取れるような言葉を伝家の宝刀に使うのは如何なものか。
*拝察を通じて天皇が政治に関与することになるのではないか。
下線部分などかなり恣意的な解釈と思われまする。
マイホーム主義で政府、官庁の誘導の儘に動くのが精一杯な”あの陛下”が、そんなアグレッシブな事を自らなさる訳がないでしょう。
ある宮内庁関係者はこう語る。五輪開会式の開会宣言は開催国の国家元首が行うとオリンピック憲章第55条3項で定められており、外交儀礼上は日本の国家元首とみなされる天皇が五輪の名誉総裁を務めるのは慣例となっている。
ご自身が大会の「顔」となる東京五輪で新型コロナの感染爆発が起きることは絶対に避けなければならないとお考えになるのは、至極当然のことだろう。
下線部分、それではまるで陛下が御自分の面子のために感染爆発を心配されているようではありませんか。
陛下が折角令和の天皇のテーマとされた”国民に寄り添う天皇”の姿を見せようとされたのに、それをぶち壊すようなことを宮内庁関係者が言うのはいかがなものでしょうか。
「前の安倍晋三政権は東京五輪招致のためIOC(国際オリンピック委員会)総会に高円宮妃久子さまを担ぎ出しましたが、当時の風岡典之宮内庁長官は2013年9月2日、久子さまのIOC総会ご出席について『天皇・皇后両陛下もご案じになっているのではないかと拝察している』と述べています。これも上皇・上皇后両陛下の御心を代弁されたものです。皇族を政治利用した安倍政権に一言モノ申されたわけです。
そうなんですか?私は政治と利権に近づいて行く久子さまに苦言を呈されたのだとばかり思っておりました。久子さまは国際舞台ではBONKURAなご長男夫婦が霞んでしまうほど鮮やかな社交を生き生きとこなしていらっしゃいます。IOC総会出席も、ご自身が関わられているスポーツ関連の団体からの流れから、当然のことと出席されたのでしょう。
個人的にはIOC総会で鮮やかにスピーチされる久子さまの姿に、日本の皇族には外国へ出すには些か恥ずかしい皇太子皇太子妃ばかりでなく、このようなかたもいると世界に発信できて良かった、と思ってしまいました。笑。
曖昧に語られる”拝察”に対する人の受け止め方は様々ですね。
憲法学者からは当時、『天皇の政治的発言だ』といった批判の声も上がりましたが、政治的発言などではなく、国民統合の象徴として国民に発せられたメッセージなのです。今回、菅首相は西村長官の発言について『(長官)本人の見解を述べたと理解している』などと木で鼻をくくったような発言をしていますが、五輪招致時も官房長官として政権の中枢にいただけに、陛下の憤りは十分に伝わっているはずです」(同前)
いやいや、陛下に憤りは無いでしょう。あるのは心配だけ。歌会始の歌と同じです。夫婦で「心配だね~。国民は大変だろうね~。」と言い合っているだけでしょう。
西村さんの視線は今、官邸に向けられているのではなく、御所に向けられているのです。西村さんには自民党政権によって宮内庁に『送り込まれた』などといった意識は皆無でしょう。政権に忖度などすることなく、天皇陛下のご懸念を明らかにしたのは、それだけ陛下のご懸念が深刻なものだからなのです」
陛下が感染拡大を心配されていることは本当でしょう。今の日本で感染拡大を心配しない人のほうがおかしい。
今上天皇は昨年の4月と11月、政府の新型コロナウイルス感染症対策分科会の尾身茂会長からご進講(説明)を受けられている。その尾身会長が五輪開催や競技場に観客を入れることに再三再四、警鐘を鳴らしてきたことも報道でご存じのはずだ。西村長官の発言がある2日前の6月22日、今上天皇は皇居・宮殿で菅首相から「内奏」と呼ばれる報告を受けられた。
内奏は首相・閣僚らから国内外の情勢について天皇が内密に報告を受けるもの。侍従らの同席もなく2人だけの空間で語られる天皇の言葉は、政治利用される恐れがあることから口外しないのが原則だが、タイミングから考えても菅首相から五輪開催についての報告があったのは確実だろう。
内奏の内容は、推察するしかないが、オリンピックの名誉総裁を引き受けて頂いている以上、開催まで一ヶ月となったので一応挨拶と報告に参上するのは当然のことかと思われます。
その場で「五輪は中止にしたほうが良いのでは無いか。」とおっしゃるほど、陛下はアグレッシブな方ではありませんわね。
「つまり、内奏の席で菅首相は天皇陛下のご懸念を聞かされても耳を貸さなかったということなのではないでしょうか。だからこそ、陛下のご懸念に西村長官はあえて言及したのでしょう。
1973年5月、増原恵吉防衛庁長官(現在の防衛相)が内奏の際に昭和天皇から『防衛問題は難しいだろうが、国の守りは大事なので、旧軍の悪いことはまねせず、良いところは取り入れてしっかりやってほしい』と言われたと記者会見で公表し、辞任に追い込まれています。このためあくまでも推測の域を出ませんが、菅首相に陛下がご懸念を伝えられたと考えるのが自然な流れと言えるでしょう」
はあ?国防と五輪は次元が違う問題ですし、今上に国防を案ずる昭和天皇の気概は無い。
せいぜい「コロナのもとでのオリンピック開催は本当に大丈夫ですか?」とでも言ったのではないか。
それに対して菅さんは「感染対策をしっかりと講じて、安全安心の大会にしたい。専門家の方々も感染対策をしっかりやるべきというご意見でしょうから、しっかりと対応していきたい」 と答えた。
陛下も「科学技術の英知を傾け、人々の絆を強め、連帯を深めることで、国民はこの未曾有(みぞう)の困難を乗り越えることができると信じています」
とかなんとか仰せになった。
ただそれだけ。