立春歌舞伎特別公演 2025 昼の部 『本朝廿四孝』『恋飛脚大和往来』『幸助餅』
前回の夜の部に引き続いて、先日、昼の部を見てきたので、ごく簡単に記録しておきたい。
一
おなじみの十種香
中村 扇雀さんと中村 鴈治郎さんと中村 壱太郎さんが大変良かった。
二
台詞まで多くを覚えている封印切
それぞれの役柄が個性的なので、役者さんの持ち味いよって大きく封印切は芝居が変わる。
どの役者さんもそれぞれに良かったが、扇雀さんのおえんさんも興味深かった。
おえんさんといえば多くの役者で見たが、私的には片岡秀太郎さんが印象深いが、扇雀さんは超!好きな役者さんなので、嬉しかった^^
(そのうち扇雀さんも、扇雀丈って呼んでるよ、きっと)
いやいや、主役の忠兵衛と梅川から話を勧めよう。
中村 獅童さんの忠兵衛は、思ったよりもなかなか良かった。
獅童さんは白塗りされると顔立ちが引き締まり、(故)三代目 実川延若のようで、舞台映えがする。
今回の忠兵衛は真面目に一生懸命されており、好感が持てた。
また八衛門に言い負かされる場面での、梅川に三度目をやり、救いを求めるような困ったような、やるせない視線には色気を感じた。
こういった忠兵衛は初めてだったので、獅童さん、なかなかやるじゃん!と、うなった。
今回の忠兵衛は【切ってやるぞ】型ではなく、【切ってもた】型であったことを付け加えておきたい。
梅忠の『封印切』は、どちらの型で演じられるかを見るのが、私は好き。
中村 壱太郎さんは、安定のの梅川。
最近壱太郎さんが美しくなられ、演技が余計に素晴らしく見えてくる。
中村 鴈治郎さんの八衛門は仁左衛門丈とは仲違った持ち味で、こなれていた^^
やはり岩次郎さんが出演されると、私の心は、落ち着く。
ところが、中車さんの槌屋治右衛門
化粧の下限なのか、人相が悪いので顔立ち的には八衛門の方が向いてそう。
だが、八衛門は超重要な役なので、中車さんでは、お役不足。
こんな感じの梅忠だった。
上にも書いたが、獅童さんが思いのほか頑張っておられ、好感の持てる梅忠であったと感じた。
三、
幸助餅は面白かった。
話としては『芝浜の財布』の変形判の人情物。
観劇したのが二月十四日だということもあり、
「今日は年金が出る日やさかいに(要約)」
という台詞も折り込まれた。
『幸助餅』は鴈次郎さんが似合う芝居だと思う。
今回も見たという簡単な記録だけで、失礼いたします。
一、本朝廿四孝(ほんちょうにじゅうしこう)
十種香
息女八重垣姫 腰元濡衣 白須賀六郎 原小文治 花作り簑作実は武田勝頼 長尾謙信 |
中村 扇雀 中村 壱太郎 市川 團子 國矢改め澤村 精四郎 ※ 中村 虎之介 中村 鴈治郎 |
二、恋飛脚大和往来(こいびきゃくやまとおうらい)
封印切
亀屋忠兵衛 傾城梅川 槌屋治右衛門 井筒屋おえん 丹波屋八右衛門 |
中村 獅童 中村 壱太郎 市川 中車 中村 扇雀 中村 鴈治郎 ※ |
三、幸助餅(こうすけもち)
大黒屋幸助 幸助妹お袖 幸助女房おきみ 幸助叔父五左衛門 三ツ扇屋女将お柳 三ツ扇屋帳場平兵衛 関取雷五良吉 |
中村 鴈治郎 中村 虎之介 市川 青虎 中村 寿治郎 市川 笑三郎 中村 亀鶴 |