Italian for Beginners 幸せになるためのイタリア語講座
http://www.zaziefilms.com/italian/intro.html ←HP
満足度 ★★★☆☆
感動度 A ★★★★★
デンマーク作品としてみると、出色の一作品
感動度 B ★★☆☆☆
一般的作品としてみた場合
感動度 A と評価は異なる
画面の構成 ★★★★☆
構図や色彩が時々レンブラント作品を
思い浮かばせ重厚で安定している
話の展開 ★★☆☆☆
2000年
デンマーク映画 重要
http://www.eonet.ne.jp/~okajimas/sub084.html
↑ デンマーク福祉HP
http://copenhagen.japanese-guide.com/
↑ デンマークHP
監督・脚本 ロネ・シェルフィグ
キャスト アンダース・W・ベアテルセン
ピーター・ガンツェラー
ラース・コールンド
アン・エレオノーラ・ヨーゲンセン
アネッテ・ストゥーヴェルベック
サラ・インドリオ・イェインセン
※ベルリン国際映画祭銀熊審査員賞等受賞作
舞台はデンマーク。
多分私たちはこの国に対して『福祉国家』或いは『美しくクリーン』なイメージの国を描いているだろう・・・少なくともこの作品を観るまでは・・・
一見6人の男女の人間模様や愛を描いた作品朋受け取れるこの映画ですが、実は思いの他奥がが深かったようです。
『福祉国家』であるデンマークの問題点をたくみに、女性の視線で細やかにとらえ、描ききっていました。
例えば
1)病気の母親の娘に対する金のむしんや病人のいたたまれない怒り。
医療問題や介護問題。苦痛に耐えかねてモルヒネ量を増やしてほしい(安楽死)と頼めるのは、地のつながった娘だけ・・・
2)パン屋に勤める女は普通の仕草が難しい、数値的には表れない程度の おそらく神経内科系の病気。
彼女はまともに仕事をこなすことができずに職をおわれ、転々と働き場所を変わる。
彼女の心の支えになったのは、教会の神父。
「きれいな声をしているね。賛美歌のソプラノが必要だ。」
と優しく微笑み、スパゲティの巻くことができない彼女を見かねて、自分のマカロニの「皿を交換しよう・・・」といった宗教を通しての人間愛だった。
3)ほかにも『失業問題』や『結婚できない問題』、『個人的肉体問題』や『貧困』などのデンマークのイメージとはまた違った隠された陰の部分を見事に表現していた。
4)上の1~3のような一般底辺で一生懸命に生きる人々と国家との温度差は言い表しがたいが、時々町並みにそびえる立派なデンマークの国旗が、皮肉に観ている私たちの目に入り込んでくる。
この部分を女監督は描き出したかったのではないか・・・
見事な作品である。
デンマークといった『北ヨーロッパ』に対して『イタリア』といった国は野菜や光、自由な愛など、本来の生きている人間が必要とするものに恵まれた理想的な国として映る。
それが『幸せになるためのイタリア語講座』といったタイトルとなって表れ、たまたまなにがしらの心に傷を持った人たちが、イタリア語講座の教室に通う。
各自また人々の心の交流や葛藤、色々な出来事の末、パンやで働いていた女性に父親の遺産が入る。
「イタリアに行きたいの・・・」
の言葉を受け成り行きで受講生9人皆でヴェネチアへ旅行に出かける。
陰鬱だったデンマークの冬の北ヨーロッパの町に比べ、ヴェネチアの街の前に広がる海の姿は爽快。
イタリアでのみんなはそれぞれに自分たちの楽しみ方をしたり、ほのかなラブストリーがあったりですが、映画はみんなでとり食事風景で幕を閉じます・・・
実は最後の数分のシーンが観られなかったので、家族に教えてもらったのですが、いまいちはっきりとわからないのです・・・
実は後5分といった時、いきなり大雨が降ってきたので
1)洗濯物を取り入れる
2)一、二階の窓という窓を全て閉める
3)外においていたバイクのヘルメットを家に入れる
などの作業で、ラストを観そびれてしまったのでした・・・
まあ今日は散々でしたが、明日はきっと良い日になりますともさ