映画「いつか読書する日」3.8★/5 2019 田中裕子 岸部一徳 仁科亜季子 香川照之
田中裕子と岸部一徳主演の映画「いつか読書する日」を見たが面白かった。
本屋でたまたま出会うことがある学生時代から長年を隔てても非ぞカニずつくプラトニックラブ。
牛乳配達のよりその思いの灯を、身体を動かし長い階段を走り気持ちを整えながら思いを抑え、灯に気づかない自分を装う。
牛乳配達とスーパーのレジ打ちで何の変哲もない忙しい日々を過ごす。
その間も本屋に立ち寄る女は、家の一角に文庫本は少しずつ増え続ける。
ある日、スーパーの店長が控室で酔っ払っている。
そこに女が入ると、店長は女の姿を嘗め回し、言う。
「おばさんは、処女なの?ねぇ、おばさんは、処女なの。」
この店長の言葉は重い。
後々の男と女の後に出てくる一夜の行いの重さを増長させる。
そしてここで重要なのは、題名の「いつか読書する日」の意味を、わたくしたち鑑賞者は知ることとなる。
男女がいちやまぐわったことで、【いつか読書する日】は来りて、この映画は完成したのだ。
ひと夜を過ごし、男は事故で亡くなる。
ここで映画は念押しをする。
女の部屋が画面に映しだされ、これまでためてきた本の数々を、女はおもむろに眺める。
監督あるいは作者は、ここでダメ出しをして、男がなくなったこれからは本を読んで余生を過ごすのだろうと匂わせる。
ダメ出しの【いつか読書する日】を描くのである。
おそらく、ここまで描き出した方は、納得をする観客が多いためだろうと考えている。
映画「いつか読書する日」
2014
田中裕子
岸部一徳
仁科亜季子、
渡辺美佐子
上田耕一
香川照之
杉本哲太
鈴木砂羽 ほか