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日本は美しい。
『紅葉』『故郷』(高野辰之作詞、岡野貞作曲)歌詞
近くの公園でもみじを写す。
わたくしとて、もみじの歌が思い出される。
きれいなことば。これは一体誰が書いたのだろうか。
ふと気になり、調べてみた。
昭和7年(1932年)『新訂尋常小学唱歌 第二学年用』
紅葉
高野辰之
一、
秋の夕日に照る山紅葉、(もみじ )
濃いも薄いも數(かず)ある中に、
松をいろどる楓(かえで)や蔦(つた)は、
山のふもとの裾模樣(すそもよう)。
二、
溪(たに)の流に散り浮く紅葉、(もみじ )
波にゆられて離(はな)れて寄つて、
赤や黄色(きいろ)の色さまざまに、
水の上にも織る錦(にしき)。
もみじは『紅葉』という曲で、高野辰之がつくられたものらしい。
高野辰之作詞の曲は懐かしい心に残る歌が他にも有った。
季節はずれだがわたくしが美しい歌だと感じる『故郷』もそのひとつである。
昭和8年(1933年)『新訂尋常小学唱歌 第六学年用』
故郷(ふるさと)
高野辰之
一、
兎(うさぎ)追ひ(おい)しかの山、
小鮒(こぶな)釣りしかの川、
夢(ゆめ)は今もめぐりて、
忘れがたき故郷(ふるさと)。
ニ、
如何(いか)にいます、父母、
恙(つつが)なしや、友がき、
雨に風 につけても、
思ひいづる故郷(ふるさと)。
三、
こころざし をはたして、
いつの日にか歸(かえ)らん、
山はあをき故郷(ふるさと)、
水は清き故郷(ふるさと)。
上の二曲は高野辰之作詞、作曲は岡野貞だという。
高野辰之作詞、岡野貞作曲の歌は『紅葉』や『故郷』ばかりではない。
『おぼろ月夜』『春の小川』『春が来た』『日の丸の旗』なども高野辰之作詞、岡野貞作曲の歌だと言う。
『紅葉』
『故郷』
『おぼろ月夜』
『春の小川』
『春が来た』
『日の丸の旗』
上の六曲はいずれもいろいろな意味も含めて、日本人の心の中に入り込んでいるように感じる。
四季折々思う。
そして、紅葉の候にも思う。
日本は美しいと。