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乱鳥の書きなぐり

恩頼堂文庫旧蔵本 『仁勢物語』 18 「なまなりの すしをハ五ツしら菊の 枝になりつゝ ふらめくとみゆ」九丁裏 十丁表

 

 

 富田高至 編者

 

 

恩頼堂文庫旧蔵本 『仁勢物語』 18 九丁裏 十丁表

 

和泉書院影印業刊 65(第四期)

1998年 初版

1997年 第三

 

左右

九丁裏 十丁表

◯をかし、なまなりをつけける女有りけり、男ちかう有

けり、女、歌よむ人なるけれハ、心見にとて、菊の花のう

つくしきをしきて、男のもとへやる

  なまなりの すしをハ五ツしら菊の

  枝になりつゝ ふらめくとみゆ

男しらすよみける

  くさりつゝ にほふかうへに なまなりハ

  くれける人の ものの香とみゆ

 

九丁裏 十丁表

◯おかし、「なまなり」を漬けける女有りけり、男近う有

けり、女、歌詠む人なるければ、心見にとて、菊の花の美しき

を敷きて、男の元へやる

  なまなりの 鮨をは五ツ(いつつ)白菊の

  枝になりつつ ぶらめく と見ゆ

男知らず、詠みける

  腐りつつ 匂う香べに なまなりは

  くれける人の 物の香と見ゆ

  

なまなれ(なまなり)

 当時の、酢に長くつけておいて、飯を腐らせて魚を食べたものに対して、半熟の寿司を言った。

 

『仁勢物語』和泉書院影印業刊     

  なまなりの すしをハ五ツしら菊の

  枝になりつゝ ふらめくとみゆ

『伊勢物語』岩波古典文学大系9 「竹取物語 伊勢物語 大和物語」より写す

  紅ににほふ はいづら白雪の枝もとをゝに降るかとも見ゆ

 

『仁勢物語』和泉書院影印業刊     

  くさりつゝ にほふかうへに なまなりハ

  くれける人の ものの香とみゆ

『伊勢物語』岩波古典文学大系9 「竹取物語 伊勢物語 大和物語」より写す

  紅ににほふ がうへの白菊はおりける人のそでかとも見ゆ

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