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乱鳥の書きなぐり

平成二十二年度  歌舞伎鑑賞教室 『恋飛脚大和往来』片岡 我當 進之介 中村 京妙 (6景)






   平成二十二年度  歌舞伎鑑賞教室




 六月十二日

 大阪クレオ中央で 平成二十二年度 歌舞伎鑑賞教室を楽しむ。

 今年は三年前にもはられた演目『恋飛脚大和往来』

 今回も「封印切」のあと、我當丈出演の「新口村の場」

 我當丈の孫右衛門、片岡 進之介さんの亀屋忠兵衛は同じだが、梅川は中村 京妙が演じられた。

 今回は吉弥さんはいらっしゃらない。

 芝居前の解説は坂東 薪車さん。

 薪車さんは素顔が美しく,チャーミングな方だった。

 また、ユーモアに富んだ方で,話が相当上手い。

 今回の解説は工夫を凝らされ それでいて自然体。

 体験コーナーのテーマは『女形』

 まず初めに指名されていた男性お二人に加えて希望者男性お二人が加わっての合計四人。

 男性にふられるといった設定で最後は泣き崩れるといった小芝居を鳴りきりで楽しんでおられた。

 当然会場中和んだ雰囲気で大笑い。

 坂東 薪車さんの魅力あふれる解説であった。



 続いて「封印切」

 義太夫のお声がすばらしい。

 丹波屋八右衛門は少し声を殺した甘えたような台詞の言い回しだったが、忠兵衛役の役者さんの言い回しは素晴らしくよかった。

 はずかしながら、名前は知らない。



 今回の「封印切」は『ええい、もうええ。切ってしもたろ。』(関西弁以下同様)

ではなく、
 
 『しもたぁ。(切れてしもたぁ)』

の方をとられた。

 これは三年前の歌舞伎教室と同様。

 もしかすれば私が知らないだけで、松嶋屋さんの表現は後者『しもたぁ。(切れてしまったぁ)』なのだろうか。

 歌舞伎は知らないことが多い。



 待ってましたの「新口村の場」、我當丈が出てこられると嬉しくてならない。

 杖をついてとぼとぼと出てこられた姿は朝の光景を思い出し、また先代仁左衛門はんは支えられて出てこられた姿を思い出す。
 
 芝居がすすむにつれ涙が流れ、どうしようもない。

 まわりですすり泣く声がかすかに漏れる。

 ところが、孫右衛門の

「(どうぞつかまっておくれ)今やない!今やない。

の台詞で会場中大爆笑。

 最近なのかどうなのか、ここのところ特に気にかかる。

 歌舞伎舞台において こういった悲しい切ない場面で爆笑といったことに度々出くわす。

 女形が泣き崩れての泣く声(台詞)に大笑い、台詞の決め所(名台詞)で爆笑といったこともまれではない。

 一瞬気持ちをそがれるのは悲しいものだ。



 梅川忠兵衛を涙ながらに見守る孫右衛門。
 
 最終の 
          あぁあぁあ、あぁあぁあ、あぁぁ(歌

          ばさっ! 

     (同時に)手を組み、タイミング良く祈り込む。


 おしい。
          ばさっ! 

     (同時に)手を組み、タイミング良く祈り込む。
が微妙にずれた。

 雪が落ちるのが少し早く、組む手が少し遅れたように感じ、お気の毒だった。



 今回も 我當丈の歌舞伎教室は面白かった。

 これからも味わい深い我當丈の芝居を観たいと心より願っている。

 いつまでもいつまでも舞台を楽しみたい我當丈の御健康を願って・・・。
















松竹株式会社 歌舞伎美人より ▼

巡業

平成二十二年度
歌舞伎鑑賞教室
歌舞伎・その美と歴史への招待

平成22年7月15日(木)~23日(金)


一、歌舞伎へのご案内

              解説  坂東 薪 車


二、恋飛脚大和往来(こいびきゃくやまとおうらい)

  新口村の場

            孫右衛門  片岡 我 當
           亀屋忠兵衛  片岡 進之介
            傾城梅川  中村 京 妙
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