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乱鳥の書きなぐり

112; 『絵馬に願いを』岩井 宏實著 二玄社 2007年 / 絵馬の起源 部分的に写す




    112; 『絵馬に願いを』
                      

        

  



『絵馬に願いを』

 二玄社

 岩井 宏實 著

 昭和7年(1932)奈良県生まれ。立命館大学大学院修士課程修了。文学博士。大阪市立博物館主任学芸員、文化庁文化財調査官、国立歴史民俗博物館教授・民俗研究部長、帝塚山大学長、大分県立歴史博物館館長を経て、国立歴史民俗博物館名誉教授、帝塚山大学名誉教授、大分県立歴史博物館顧問(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
 
 2007年 

 125ページ

 1600円+税


 子育てから、秘め事までを絵馬にたくして。昔懐かしい絵馬240余点をカラーで掲載。後頁には全国御利益社寺案内を付す。

 
   


 絵馬堂をのぞくのが好きだが、博物館や本で観るのも楽しいもの。

 今回は岩井宏實さんの『絵馬に願いを』を楽しませていただいた。

 写真が多く、説明が短くて簡単。大阪歴史博物館などで見たものや、見てみたいたい絵馬が多くあった。


 絵馬の起源は考古学者のK先生のお話を二度聴いたことがある。

 K先生のお話では、馬は生け贄で、それが時代を経て、随分と変化した形が絵馬である。

 従って、絵馬に馬以外の絵を描くのはおかしいという内容を話されていた。



 今回読んだ岩井宏實さんの『絵馬に願いを』にも絵馬の起源か記されていた。

 おおむねとしてのニュアンスは同じ。

 そして現在の形をとる絵馬の変形を、民間信仰或は民俗風習として受け入れられている部分に差が生じる。

 わたしは個人的には時代とともに物事は変化し、発展すると考えている。



 岩井宏實さんの『絵馬に願いを』によれば 「絵馬の起源」において次のように書かれていたので、部分的に書き写してみる。 (4-5ページ)

 1

  「絵馬」は、その文字からしても、馬との関わりがきわめて深い

   日本人は古くから心霊は乗馬姿で人界に降臨すると信じられていた
    =馬を神聖視

   まつりの神輿
    =心霊の依代よりしろとなる鏡をつけた榊を馬の背にたてた

   馬が神座の移動に必要なものであるならば、神事、祈願に際して馬を捧げるのは当然

  『常陸国風土記』献馬の風習は、崇神天皇の時代からである

   赤毛の馬、黒毛の馬、白毛の馬、


 2 

   生馬献上の風とともに、土馬・木馬などの馬形を献上する風も生まれた→ 絵馬  (奈良時代)

   この部分がK先生がおっしゃっていたところ


 3

   平安時代 神仏習混合
     乗馬姿の観世音菩薩
     こうしたことから仏に絵馬を奉納しても、何ら不思議ではなくなる

   平安時代末期
     著名寺院にも絵馬が奉納される
     それらの絵馬は今日の小絵馬のように小型で共同祈願奉納

   室町時代 
     大型絵馬も現れる
     個人祈願、現世利益


 4

   江戸時代
    『願懸重宝起』によれば、絵馬の図柄は庶民の機知にとんだ図柄や絵柄が広まるとある


 5

  絵馬を奉納する習俗
    教団や教理の上での組織を持たない呪術宗教的な信仰
    絵馬の「匿名性」

    上二点によって神仏と人間とのコミュニケーションが成立

     

   

 1~5はわたしにとっては興味のある部分だった。

 近くでは大阪の四天王寺付袋堂で「乳しぼり」(乳授け)の絵馬が見られるかもしれないと期待して、行ってみたいと思う。 

  



 

コメント一覧

Rancho
こんばんは ^^
 てくっぺさん、うれしいコメントをありがとうございます(*^-^*)
 神社用に描かれていたのですか…すごいで~す☆^^☆
 漫画の絵馬ですか…想像しただけでも、素敵ですね!
 お父上さまの独り占め…あはは…おそらくお優しいご家族思いのお父様で、この時ばかりは「なーいしょないしょ」って感じでしょうか^^v てくっぺさんにご本をいっぱい買って下さってたのでしょうね☆素敵なおとうさま!!
 
 夜になって奈良では雨が降ってきました。そちらはいかがですか?何処も何事もなく台風が通り過ぎるといいですね♬
てくっぺ
こんにちはです。^±^ノ
http://tekukame.blog135.fc2.com/
絵馬はうちの父が生前、神社用に作ってた時期がありますよ。
父は漫画家でしたので、漫画つきの絵馬です。^±^
でも売ったお金は内緒で、もうけたお金は自分だけで使ってましたが。x±x
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