ムソルグスキー/はげ山の一夜
モデスト・ペトローヴィチ・ムソルグスキー 2 / ムソルグスキー はげ山の一夜
作品
増四度を積み重ねる技法や、原色的な和声感覚、作曲素材の大胆な対比などは、さしずめ印象主義音楽や表現主義音楽の前触れとなっている。
ムソルグスキー作品の目覚しい斬新さは、20世紀半ばにショスタコーヴィチによって、作曲者の手法にあたうる限り忠実に、2つの歌劇『ボリス・ゴドゥノフ』と『ホヴァーンシチナ』の管弦楽法がやり直されるまで、永らく見過ごされてきた。
また『禿山の一夜』は、ディズニー映画『ファンタジア』に利用されて、いっそう有名になった。
想像力に富み最も演奏される作品は、ピアノのための連作組曲『展覧会の絵』である。
この作品は友人であった建築家ヴィクトル・ガルトマンの遺功をしのんで作曲された。
19世紀のうちから管弦楽への編曲が試みられていたが、今日のほとんどの演奏はラヴェルの編曲である。
ムソルグスキーは歌劇『ソロチンスクの定期市』を未完成のまま没したが、有名な舞曲『ゴパーク(英語読みでホパック)』は、しばしば単独で演奏され、またラフマニノフのピアノ用への編曲で有名になった。
また、歌曲『蚤の歌』はゲーテ『メフィストフェレス』をアレクサンドル・ストルゴフシチコフがロシア語訳した詞に曲をつけたバス独唱曲。
その他の作品では、3大歌曲集(『子供部屋』(1872年)、『日の光もなく』(1874年)、『死の歌と踊り』(1877年))が有名である。