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2011年 39
『続観世流百番集』から 「鷺」
観世左近 著
檜書店
『続観世流百番集』
昭和50年4月 5日 第1版発行
昭和50年4月21日 第21版発行
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王朝の歌人 9 『乱世に華あり 藤原定家』に出てきた「鷺」を楽しむ。
鷺 公益財団法人 HP 能楽事典より ▼
神泉苑に御幸あった天皇は、池の洲に遊ぶ鷺を見て、蔵人に命じて生け捕らせる。鷺は忽ち逃げ去るが、勅諚との声を聞いて舞い戻ってくる。蔵人は官位を、鷺は五位の爵位を賜ったという純粋無雑の極致を描く名曲。
鷺 大辞泉より ▼
謡曲。四番目物。帝の命で鷺を捕らえようとした蔵人(くろうど)が「勅諚(ちょくじょう)ぞ」と言うと、鷺は自ら地に伏したので、帝は蔵人と鷺とを五位に叙する。元服前の少年か還暦後の老人が直面(ひためん)で演じる。
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以前K上先生の公開講座で苑地のお話を聞く機会があった。
苑地の池や桃等の薬になる植物やその美しさを想像。
能楽の「鷺」では紅葉狩りの帰り、【神泉苑につきにけり】とある。
神泉苑の秋の夕暮れ。
歌舞伎の「鷺娘」とは全く違う筋書き。
まだ聴いたことも見たこともない能楽「鷺」を簡単に抜き出してみた。
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【湖水の波の上……鷺のゐる。……あら面白の池水や。】
……………………。……………………。
【あの州崎の鷺をりから面白う候。誰に手もとりて参れと申し候へ】
……………………。……………………。
【彼ハ鳥類飛行の翼、如何ハせんと休らへばよしや何處も天下の下……】
……………………。……………………。
【勅諚ぞや。勅諚ぞと。呼ばはり掛ければこの鷺立ち帰って本に飛び降り。羽を垂れ地に伏せば。抱き取り叡覧に入れ……】
……………………。……………………。
【仰ぐ心も癒しました。御酒を勧めて諸人の。舞楽を奏し面々に。鷺の蔵人召し出され……ともになさるる五位の鷺さも嬉し気に立ち舞うや】
【州崎の鷺乃。羽を垂れて 松も磯なるる。気色かな。】
……………………。……………………。
【……鳥類蓄類も王威の御徳のがれぬ身ぞとて。勅に従ふこの鷺ハ。神妙神妙放せや放せと重ねて宣旨をくだされれば。げに忝き(かやじけなき)宣命を含めて。放せばこの鷺、心嬉しく飛び上りて。行方もそらずぞ。なりにける。】
『続観世流百番集』「鷺」より 写す
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見て下さいましてありがとうございました。
お礼申し上げます。