関西・歌舞伎を愛する会 結成三十周年記念 七月大歌舞伎 夜の部

もう随分前のことだが、7月6日、
関西・歌舞伎を愛する会 結成三十周年記念 七月大歌舞伎 夜の部を見た。
今回の演目は 『双蝶々曲輪日記』『弥栄芝居賑 道頓堀芝居前』『竜馬がゆく 風雲篇』
染五郎丈が濡髪長五郎ということで、幸四郎丈との違いを楽しみたかったというのが本音。
夜の部は私の好きなこの演目が目当てだった。

染五郎丈が濡髪長五郎は始終神妙な面持ち。
貴社な体を大きく見せて、低い声で落ち着いてはなされていた。
多少緊張気味だったのか、或は濡髪長五郎になりきろうとされていたためか、私が見た6日において『双蝶々曲輪日記』濡髪長五郎の前半は少し声が小さめ。
それでも、染五郎丈はまじめに真っ正面から歌舞伎を取り組んでおられた。
彼のこの歌舞伎に対する姿勢はとても好きだ。
これから先、十年後二十年後の染五郎丈の濡髪長五郎を見てみたい。
次世代に期待の持てる舞台だと感じた。
私はこの演目に、父幸四郎の影を見た。
南与兵衛後に南方十次兵衛演じるは仁左衛門丈。
いい、いい!
素晴らしく表情がよく、見とれる。
襲名されてからの彼の表情は素晴らしい。
きりりとしまった表情を緩和させる笑む目元、口元。
なんとすばらしい演じ方を極められたのか。
お顔立ちや役柄は違っても俳優 緒形拳さんの緊張の緩和に置ける笑みと同じだなとほくそ笑む。
数日前テレビで途中から映画『大脱走』を見たが、やはりこういったメリハリのある表情は役者として好きだな。
今回も竹三郎丈に見入ってします。
私は母と濡髪長五郎とのようすを涙ながらに見つめていた。

うふふ。これか、これか!楽しかったよ。
松竹座前の看板板の意味が小の芝居によって分かったよ。
最後は大阪締め。
よぉ! めでたいのぅ、うれしやなぁ^^

初めて見た『竜馬がゆく 風雲篇』
これは大変染五郎丈らしかった。
竜馬を自然体で演じられる感じ。
歌舞伎的な発声ではなく、『双蝶々曲輪日記』を合致し見た後こんな舞台を楽しめるってお得とひとり喜びに浸る。
まぁ! わたくしったら・・・

舞台つくりも現代的な部分も取り入れられ、歌舞伎とはまた違った美しさ。
実は『竜馬がゆく 風雲篇』は初めの段階では多少躊躇していたのが本音。
しかし、この演目が終わる頃には見て良かったなと感じた。
いやぁあ!めでたいなぁ!
2010年 七月大歌舞伎 昼の部 『妹背山婦女庭訓』『大原女 国入奴』『元禄忠臣蔵 御浜御殿綱豊卿』記録
2010年7月6日 大阪松竹座にて



夜の部
一、双蝶々曲輪日記(ふたつちょうちょうくるわにっき)
米 屋
難波裏
引 窓
南与兵衛後に南方十次兵衛 仁左衛門
女房お早 孝太郎
濡髪長五郎 染五郎
山崎屋与五郎 愛之助
藤屋吾妻 春 猿
三原伝造 段治郎
平岡丹平 猿 弥
おせき 吉 弥
母お幸 竹三郎
放駒長吉 翫 雀
関西・歌舞伎を愛する会 結成三十周年記念
二、弥栄芝居賑(いやさかえしばいのにぎわい)
道頓堀芝居前
幹部俳優出演
三、竜馬がゆく(りょうまがゆく)
風雲篇
坂本竜馬 染五郎
武市半平太 愛之助
西郷吉之助 猿 弥
寺田屋お登勢 吉 弥
おりょう 孝太郎