スーサ(シューシュ)遺跡のあるシューシュの町でモハッサム月に羊煮込みのライスをいただく 2









スーサ(シューシュ)遺跡を訪れた日の夕方、疲れたという家族をなんとか励まして、シューシューの町中を歩く。
川沿いではアーシューラのビデオや大音量の音楽。
「フセイン、フセイン......」
の言葉だけは明確に聞こえる。
川沿いには男性や女性の商売人が多い。
日本でいう屋台のような店。
おばさん商売人は大きな金だらいで、不要の水を捨てておられた。
多分、野菜を洗った汚水だ。
川沿いを離れ、住宅地に入っていくと、なんだか人だかり。
ここの町も結構おしゃれな方が多い。
アーシューラーを迎えるにあたり、当日ではないが黒い服が目だつ。
皆が手に手に鍋や陽気を持っておられる。
これがアーシューラーのほどこし何だな、と心高鳴る。
イラン関係の本二何度か出てきた施し。
この施しはお金持ちのイラン人が牛や羊を提供。調理した料理の一部(或は半分)を自分たちのものにし、残りは住民に配るというもの。
アーシューラーの一週間前くらいから、イランの各地各町で行われている。
イランではアーシューラー前から自宅で調理せず、施しでまかなうといったことも多いらしいが、本当のところはわからない。
話は戻るが、わたしは施しのじゃまになると思い、道入り口をウーターンしようとしたが、皆に慕われている男性が、
「是非もらって下さい。」
と親切。
だが、容器を持ってないと断る。
すると男性は
「是非こちらに......」
と言って譲らない。
わたしたちは施しの真ん前まで行く。
イラン人のみんながにこやかに迎えて下さる。
先の男性は皆に声をかけ、何人かが走り回って下さった。
皆が入れ物を探して下さり、タッパーに羊の煮込みライスをつめて下さる。
生玉葱の半切りや香味野菜も用意して下さった。
イランの黄色いビニール袋に入れて下さったお食事は、真心の固まり。
自分んもアーシューラー前の行事に参加させていただいたという気持ちで、満足感は大きい。
そのうち道ではかわいらしいこどもたちがお友達同士でお食事し始めた。
おしゃれをしたかわいらしいお洋服のこどもたち。
みんな道路脇でたのしそうにパーティのように食べている。
流石に大人たちは道で食べる人は一人もいない。
皆が家に持ち帰って、食べるようだ、
ビデオカメラを持っていた男性が、撮らせてくれと頼んでくる。
いろいろなポーズをとらされ、苦笑。
自分のものならいいが、集会場で楽しまれる分なら、お笑いぐさだが、まぁ、旅の愛嬌。
ビデオカメラの人は納得するだけビデオを撮りまくったあと、今度は自分がモデルになると言ってくれる。
わたしはアーシューラーの旗の前で撮影させていただく。
わたしはペルシャ語は全くわからないが、多分
【フセイン、ばんざい。】
といった内容が書かれているのだと想像している。
なぜなら旗にはフセインの【手】の模様が示されているからだ。
そのあと、集会場の方々やお食事をいただきにきておられる方々といろいろ話し楽しませていただいた。
今も貴重な経験をさせていただいたと喜んでいる。
2009年12月22~23日 夕刻、シューシューの町にて イラン