知人から、お金をあげるから外国人女性と結婚してくれないか?ともちかけられたんだけど、大丈夫?
いえ。まったく大丈夫ではありません。その知り合いの人は偽造結婚の仲介人である可能性が高いです。
仮に偽造結婚ですと、後述のとおり犯罪が成立します。
1.偽造結婚とは
偽造結婚とは、婚姻意思がない男女が結婚届を役所に提出することをいいます。
ここで婚姻意思とは、婚姻届を出す意思の合致だけでは足りず、共同生活体を創設する意思の合致が必要となります(判例通説)。
したがって、相続のためや子供に嫡出子の身分を与えるためだけの婚姻届の提出は無効となります。
判例も、子どもを入籍するためにした婚姻で結婚する意志がない婚姻は有効にはならないと判断しています(最高裁判所判決昭和44.10.31)。
2.成立する犯罪
偽造結婚は、電磁的公正証書原本不実記録・同供用罪が成立する犯罪です。
まれに公正証書等原本不実記載罪が適用される場合もあるようです。
逮捕・勾留の後、起訴され有罪とされた場合、懲役刑(執行猶予含む)及び罰金刑が課せられます。
3.典型的な偽造結婚
日本で外人パブや工場などに就労させたい外国人を招聘するために、行われます。
この場合、仲介役の人間が、招聘したい外国人と、偽造結婚に応じる日本国籍の人を仲介させ、日本人にいくばくかの金銭を支払います。
かつては、いわゆる戸籍を売る相場も高かったらしいのですが、現在では、貧困層の人から仲介役の人間に自分の戸籍を買ってくれと依頼するケース
も多くなっているようです。また、多重債務者に対し、債務を帳消しにするからそのかわりに偽造結婚しろと依頼するケースも多くなってきています。
某匿名巨大掲示板では、戸籍売ります連絡くださいとのメッセージがメールアドレスとともに書き込まれています。
しかもその書き込みの量は数え切れないほどです。
また、在留資格についての研修会に出席した際に聞いた話しですが、河川敷に寝泊りするホームレスに声をかけ、数ヶ月アパートに住まわせ食事の世話をすればなんでもいうことを聞くようになる。その上で国際結婚させるのが手口だとのことでした。
つまり、偽造結婚は貧困層を利用する貧困ビジネスになっているのです。
こうして戸籍を「売る」日本人を見つけたブローカーは、形だけの交際の証拠を作り、結婚させます。
その上で就労の制限のない日本人配偶者の在留資格の許可処分をもらい、あとはフィリピンパブなどの外人パブやマッサージ屋さんに招聘した外国人を働かせるのです。
もちろん、入国管理局も偽造結婚の摘発には重点をおいています。入管は、日本国での結婚だけではなく、招聘先の外国での結婚が適切かつ適法に行われたかを重視しているようです。
また、VISA許可処分がおりた後も、外国人配偶者と同居しているかどうかの事後的調査で裏づけを行い、偽造結婚ではないかの確認もしています。
ちなみに、基本書などを読んだ際、日本人配偶者のビザ申請のうち7割が偽造結婚であるとの記述もあり、驚いた覚えがあります。
4.摘発された偽造結婚の事案
枚挙にいとまがありません。少しだけ、紹介させていただきます。
・偽装結婚は「風俗ビザ」 中国人女「彼氏呼びたかった」 仲介容疑のブローカーら逮捕
中国人との偽装結婚を仲介したなどとして、警視庁組織犯罪対策1課は、電磁的公正証書原本不実記録・同供用容疑で、東京都品川区大井、マージャン店経営、羽賀秀樹(40)と中国籍で住所不定、元エステ店従業員、戦群(23)の両容疑者ら計4人を逮捕した。同課によると、戦容疑者は容疑を否認し、他3人は認めている。
羽賀容疑者は平成23年以降、マージャン店店員の男らと、同じビルのエステ店従業員の中国人の女らとの偽装結婚を仲介。「私服を互いの自宅に持ち込め」などと偽装方法も指示し、仲介料計約200万円を受け取っていたとみられる。
逮捕容疑は24年12月、東京都の練馬区役所で、元マージャン店店員の男(30)とエステ店従業員の中国人の女(22)が結婚する意思がないのを知りながら、婚姻届を出して偽装結婚させたとしている。
羽賀容疑者が偽装結婚を仲介した女らは、日本人と結婚後は最短3年で一般永住者になれるため、「永住者になって中国にいる彼氏を呼びたかった」と供述。就業制限がない日本人配偶者の資格を「風俗ビザ」と呼び、「風俗ビザを取って仕事を続けたかった」とも供述しているという。
・フィリピンから来日したばかりのめいの偽装結婚を手助けしたとして、会社員の男らが警視庁に逮捕。
逮捕されたのは、会社員の小太刀雅司容疑者(52)ら男女4人です。小太刀容疑者らはおととし1月、知人の勝山和晴容疑者(57)とフィリピン国籍のアントニオ・ギリエンアン容疑者(25)とのウソの婚姻届を埼玉県の新座市役所に提出させ、偽装結婚を手助けした疑いが持たれています。
小太刀容疑者のフィリピン国籍の妻も逮捕されましたが、アントニオ容疑者はこの妻のめいで、当時、来日したばかりだったということです。
警視庁の取り調べに対し、小太刀容疑者は容疑を否認しています。
5.弊事務所の方針
当然ながらコンプライアンス(法例遵守)の観点から偽造結婚には関与いたしません。
国際結婚のご依頼の場合、弊事務所で婚姻意思が認めら得るケースか否かを判断させていただき、その上で、婚姻意思があると認められる場合にのみご依頼を承ります。
もちろん、真摯な国際結婚をなさる方には心よりお手伝いをさせていただきす。
偽造結婚は、既述のとおり、実態は人身売買です。絶対に許されてはなりません。ご理解とご協力をお願いいたします。
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