言葉や態度などによって心を傷つける精神的暴力「モラル・ハラスメント」を知っていますか?
1.モラルハラスメントが潜む日常
夫婦といえどももとはといえば他人。日常のささいなやり取りの中に、モラル・ハラスメントは影
をひそめます。
夫や妻、子どもといった身近な人の行動の中に非難できるポイントを見つけ、そこを陰湿に
指摘するなどして相手の価値を賤しめる。それが加害者の常套手段。加害者は相手を
見下すことで、優越感に浸ることができます。
加害者はどんな状況であっても、自分より立場の
弱い人間に精神的苦痛を与えて満足します。
こうした風景は、家庭の中だけでおきるものではありません。友人、恋人、職場などでもみられます。
2.モラハラを受ける被害者がなかなか加害者の支配から抜け出せないのはなぜ?
モラハラを受ける側は、加害者の巧みな操作によって人間性を否定されます。
そして、自分はだめな人間なんだと思い込んでしまいます。
加害者はさらに、
・一緒にいる自分はいつも迷惑を被っている
・被害を受けているのは自分のほうだ
と、あたかも自分が被害者であるかのように思うのです。
こうしてモラハラ被害者は、加害者の操作を素直に受け入れ、自己否定に陥るのです。
被害者が自分を責めている間は、加害者の支配から抜け出すことは不可能です。
しかも、加害者は、自分自身を唯一の理解者であるかのように思わせたり、離れようとすると
財悪寒を植え付け優しい態度やへりくだった態度に豹変します。
自立性や自己肯定感の低い人はこうした態度に惑わされます。そして支配から抜け出せなく
なります。
しかし、心と体は素直です。
モラハラを受け続けると、
・抑うつ
・不安
・緊張
・不安
が続き、心の病を発病するケースもあります。
こうした事態を回避するにも、本人がモラハラの被害を早く自覚し、加害者の支配
から脱出する必要があります。そのためにも、加害者の特徴を知る必要があります。
3.加害者の特徴
モラハラの加害者になりやすい人には、一般的に次のような特徴が散見されます。
• いつも自分が優位に立ち、賞賛が得られないと気がすまない
• 他人の気持ちに共感することや、心を通わせあおうという気持ちがない
• 他人をほめることをしない。欠点をあげつらい、いつも悪口を言っている
• 自分の考え方や意見に異を唱えられることを嫌がり、無条件に従うことを要求する
• 自分の利益のためなら、他人を平気で利用しようとする
• 自分は特別な人間だと思っている
またフランスの精神科医、マリー=フランス・イルゴイエンヌは、著書『モラル・ハラスメント』のなかで、加害者が相手を不安に陥れるためによく使う方法について、次のように記しています。
• 政治的な意見や趣味など、相手の考えを嘲弄し、確信を揺るがせる
• 相手に言葉をかけない
• 人前で笑い者にする
• 他人の前で悪口を言う
• 釈明する機会を奪う
• 相手の欠陥をからかう
• 不愉快なほのめかしをしておいて、それがどういうことか説明しない
• 相手の判断力や決定に疑いをさしはさむ
『モラル・ハラスメント』(マリー=フランス・イルゴイエンヌ著・高野優訳/紀伊国屋書店)より
モラハラ的言動を受けていることを自覚した上で、相手に対して、
「そういわれるのは不愉快だ」
とか
「いやだ」
という自分の考えを相手にしっかりと述べるべきです。
その上で相手とじっくり話し合うことが肝要です。
もしご夫婦の間や親子間で加害者と被害者の図式が成立し、モラハラが見て取れる
場合で、当事者同士で冷静に話し合いができない場合、
・話を聞いてくれる専門家(心理カウンセラー、弁護士、行政書士など)を仲介に入れる
・家庭裁判所に調停(離婚調停でも夫婦円満調停でもかまわないと思います)を申し立てる
などといった方法もあります。
もっとも、加害者は、自己の言動がモラル・ハラスメントであるとの自覚することはまずないのが現状
です。
都合のよい答えを導き出すために、あの手この手を使って自分自身の心を操作しているのです。
例えば、家庭内では暴君として振舞う夫が、会社やご近所では愛想がよく、評判の男性で
とても妻や子どもに暴言を吐くとは思えないといったことも多々あります。
私のような離婚業務を扱っておりますと、このように表の顔と裏の顔が著しく乖離している
配偶者に遭遇することが多々あります。
一般的には世間の評判が先にたち、あんないい人がそんなことをするはずがない、とか
そういう風に受け止めるあなたに原因があるなどと、被害者が周囲に理解されず、逆に
セカンドモラハラを受けたケースも見てきました。
もちろん、私は人を見定めることを仕事にしていますから、表の顔だけで評価してだまされること
はありません。かえって周囲の評判がいい人ほど要注意であると心がけています。
そして、モラルハラスメントの加害者は、「人を賤しめなければ自尊心を保てない」という
現実から目を背け、自己を防衛します。
このような場合、被害者が加害者の心を変えようと努力しても精神的負担を増やすだけです。
逆にさらにこんなに自分はだめなんだ、と自己否定を強く重ねてしまうのです。
4.法的な処方箋
弊事務所は離婚を主要業務とする行政書士事務所です。
ですので、離婚のご相談をお受けするなかで、配偶者からモラハラを受けているケースも
みてきました。
そして、心の負担は精神科医などが請け負う分野ですが、夫婦間や家族の問題として
捉えたとき、以下のように助言することが多いです。
・相手に対してはっきりとあなたの言動が嫌である旨を伝える
・それでも加害者が被害者の心情などを理解せず、かえって自分が被害者である
とか、相手が悪いなどと繰り返す場合には、精神的な交流を絶つ。
・冷静になるために実家に帰省するなどといった手段で精神的な交流を絶つ
・離婚も視野に入れるのであれば、家庭裁判所に離婚調停を申し立てる
といった助言です。
モラハラは肉体への暴力とちがって言葉や態度といった陰湿で証拠が残りにくい暴力です。
暴力に立ち向かうには勇気がいるかもしれません。
しかし、暴力に支配されているのでは、幸福にはなれないと思います。
あなた自身も含め、誰でも幸福になれる権利があるのです。
もし配偶者や恋人といったパートナーとの間でモラル・ハラスメントがあるのであれば、
その支配から脱出し、自立した人生を送り、幸福になることを願ってやみません。
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