LOVE&PEACE

日々のできごと

アムリタ/吉本ばなな

2005-09-13 | Book
物語の舞台のひとつとして、少しだけ高知が登場する。
高知にいたら当たり前すぎて感覚としてとらえることを忘れがちな風景を
才ある人が文章にしたらこんな感じになるのかぁ。
たまには夕焼け空を見上げてみようと思った、ロマンチカなわたし。
あるがままに受け入れて生きること。まず自分に素直に生きること。自分の幸せを実感すること。
そういうことを恐れずにできるようになりたいと感じた一冊でした。

すきまのおともだちたち/江國香織

2005-09-01 | Book
ここに登場してくる「すきまのおともだちたち」はみんな、自身の核を自覚していて、ゆるぎない信条のようなものを持ち、きっぱりと潔く生きていて、そこがとてもうらやましい。
何もかもすべてというわけにいくはずもないけれど、それでも常に「物事をあるがままに受け容れ」ようと心がけてみると、意外と新しい展開が生まれてくるものなのかもしれないなぁ。

わたしが江國香織作品を好きな理由は、いつもいつも、言葉の数々が丁寧に美しく操られているということだったりします。
おかげで、いつも何かしら発見をしながら、サクサクと心地よい読書をすることができるから。
今回の作品では「洗いたてみたいな快晴」というフレーズに、もう、イチコロ。
空気の清々しさや青空の光加減みたいなものが、ぐぐぐっと押し寄せてきて、わたしが覚えている快晴の風景を思い出すことにいつのまにかすっかりハマってしまってました。
ロマンチカなうお座魂をくすぐられるような、とにかく素敵な一冊でした。


赤い長靴/江國香織

2005-03-27 | Book
小説を読んでいて面白いと思うことのひとつに、自分と違うタイプの人間の気持ちを垣間見ることができる、というのがある。
とはいえ、言葉や想いが届かないパートナーとそれでも一緒に居続けようとする主人公に、かなり戸惑った。
読んでいるうちに我が身を振り返って考えてしまい、自分はどちらかといえば攻撃的なのかもしれないと思ったり、自身の人生観のようなものを確認してしまったりした。
これ以上書くとどつぼにはまりそうなので、読書感想文はここまで。
それにしても、江國香織の小説はどうしてあんなにさくさくと、気持ちよく、読めるのかなあ。

プチ哲学/佐藤雅彦

2005-02-27 | Book
「ピタゴラスイッチ」の佐藤さん。
懐かしいところでいくと「だんご三兄弟」の佐藤さん。
さらっと軽い感じの、でもちゃんと芯のある、なるほど~!な一冊だった。
特に「はじらい」についての章などは、年々厚顔になっていると自覚するわたしにとっては耳の痛いところだったりするわけで。
ちょっと思慮深くするといろんなことが見えてくるのですね、きっと。

物事の奥に潜む法則みたいなのに気付くと、なんだか得意気な気分になる。
さらにそのことが裏付けられるような事件を目にすると、ホ~ラネッ!って感じだ。
例えば、こんな法則。
わたしが楽しみにしていることがあると、キョーちゃんは必ず熱を出す。
・・・哲学でもなんでもないんだけどね。


なんくるない/よしもとばなな

2005-01-31 | Book
読んでる間中思っていたのは、沖縄っていったい。ってこと。なんだってそんなに癒されるのかな。
自然の力とか人の力とかが他の土地とそんなに違うんだろうか。だとしたら名所旧跡めぐりの旅行じゃわからない魅力なのかなぁ。
いままではあまり沖縄に魅力は感じていなかったけど、いつか、頭も身体もクタクタになったら、のんびりといってみたい。

よしもとばななの小説はいつも、読んでいるうちに自分を認めてあげられるようになる。
押し付けがましくなくそんなことができるなんて、すごいと思う。
読書って素敵。

間宮兄弟/江國香織

2004-12-01 | Book
毎日を淡々と暮らしている、アナログな二人兄弟の話。
彼らがもし同じ職場にいたとして、たぶんわたしは彼らとはほとんど口を利かない。
どちらかというと彼らは、わたしがいままで理解をしようともしなかった類の人たちで、
そんな彼らの暮らしぶりを箱の中に入れて覗き見してるような気持ちになる小説だった。
彼らはきっと、5年後も10年後も同じようにふたりで暮らしているんだろうな。
またいつか、そんな彼らの暮らしぶりを覗いてみたい。

High and dry(はつ恋)/よしもとばなな

2004-09-23 | Book
14歳の女の子のお話。
なのにとっても深くココロに入ってくる言葉がいくつもあった。
キョーちゃんのお母さんであるわたしが共感したり、
もうすっかり大人になってしまったわたしが共感したり、
中学生だったころのわたしが共感したり、
妹のお姉ちゃんであるわたしが共感したり。
またいつか読み直してみると新しい共感を感じられるかもしれない。

海のふた/よしもとばなな

2004-09-12 | Book
よしもとばななの本を読むとき、
日ごろなんとなく感じたりしていることで、でも深く考えると堂々巡りになりそうで途中で考えることをやめてしまっていたことを、
丁寧に教えてもらっているような気持ちになる。
時間の流れをしっかりと受けとけている主人公がいいと思った。