ショップ ダンケ

ドイツ雑貨「ショップ ダンケ」のオフィシャル・ブログ

文具店を始めたくてベルリンへ 只松さん夫妻

2016-07-21 16:00:14 | ショップ ダンケ

YOUNG GERMANY 文具店を始めたくてベルリンへ 只松さん夫妻

久保田由希さんに、ベルリンの雑貨屋さんをイロイロ、今年の初め、案内してもらった。冷静に見て、日本の都会の雑貨屋さんの充実度、特に、ステーショナリーは、日本のレベルは、高い。

そこで、日本の優れた文具を、ベルリンで紹介するというコンセプトで開店したのが、只末さんご夫妻のお店「ソワレ
私が、個人的にいいと思っているのは、日本製の筆ペン、マスキングテープ、ふせん、万能クリップ、ホッチキスなどなんだけど。

只末さんご夫妻、頑張ってくださいね。生駒のふもとより、エールを送ります!

もうちょっと、突っ込んだ話を、ブログには書きます。

ドイツ人が、求めるステーショナリー事情は、日本と違う。
万年筆を、小学校入ってすぐ使い始めるドイツでは、シャープペンシルを使わない。ボールペンや、万年筆は、替え芯を用意しとかなくちゃいけないし

「セレクト文具店」を、認知してもらうのに、苦労がいるだろう。

久保田さんに、最後に案内してもらった紙屋さんは、高品質のラッピングペーパーが置いてあるお店だった。ドイツでは、プレゼントは、自分でラッピングして渡すからこそ、心がこもっていると思われる。

日本では、バラがついている百貨店の包装紙にくるんであったら、上等のものをもらったと、プレゼントされた側は思う。

でも、紙とレターセットくらいしか置いてないお店は、経営的にやっていけるのかと、余計な心配をしてしまった。お店には、対応する販売員は、ひとりだけ。

ドイツは、専門店性に分化しているのだが、ラッピングを自分でするなら、紙に合わせて、リボンくらい、いっぱいの種類を、たっぷり置けばいいのにと思ってしまった。私たち業者は、包装資材だったら「シモジマ」に行くからね。ドイツ人に、「シモジマ」を見せたら、その品ぞろえの豊富さに、ひっくり返るだろう。

日本でいう雑貨屋さんは、文字通り、雑多で愛すべきもの、ステーショナリーも置けば、インテリア雑貨、リラックス雑貨、すぐ贈れるように可愛くラッピングしてあるギフト雑貨がモリモリ。一番わかりやすい例でいえば、「Afternoon Tea」を見よ。

ベルリンの雑貨店で面白いのは、オーナーの個性が強く出たお店。オーナー自ら、蚤の市で探してきた古い一点ものが、セレクトしてディスプレイしてあるお店。ベルリンの雑貨店を知りたいひとは、久保田さんの本を見てね。

「歩いて回る小さなベルリン」

 


大原治雄 写真展

2016-07-21 15:52:01 | この一瞬をパチリ

先日、写真教室のセンセと仲間で、伊丹美術館で開催されていた「大原治雄写真展」に行った。

写真家…平間至さんが、ギャラリートークされるのに合わせて,、私たちは、出かけたのだが、NHKの「日曜美術館」で紹介されたからだろうか、何十人も集まったのには驚いた。

大原さんは、1927年、17才の時、高知から移民としてブラジルに渡り、コーヒー農園を開拓した人、ブラジルの自然や家族たちの姿を撮影したアマチュア写真家。

過酷な労働の日々であったにもかかわらず、そのつらさを感じさせない、農園の風景や、家族の日常を切り取ったモノクロームの写真の数々。光の使い方、巧みな構図は、美しくスタイリッシュと言っていいほどだ。

私には、移民としてペルーに渡り、養鶏場で働き、終戦後、敗戦国となった日本に戻るに戻れず、アメリカに移住した叔父がいる。
大学時代、シカゴに住む叔父を訪ねたときに、涙を流して語ってくれた叔父さんの人生に思いをはせる。

一度、日本に戻り、幼い私と一緒に撮った叔父さんは、写真の中で、笑っている。
もう、随分前に亡くなった叔父さんの笑顔を、もうリアルには、見ることはできない。しかし、写真は、それを鮮明に記憶してくれる。

大原さんは、妻・幸さんの死後、9人の子どもたちひとり一人のために、過去の膨大なネガを見直し、1冊あたり300枚近い写真を選び焼き増しし、その子の特徴や母の思い出、家族の歴史を1年がかりで『アルバム帖』を、作成した。

このファミリーフォトの記録を通じて、私たちは、家族の風景を、普遍的なものとして寄り添って見ることができる。

写真の力を感じた写真展でした。伊丹美術館での展覧会は、終了して、次は、清里フォトアートミュージアムに、巡回するそう。10月22日からで、少し時間があくが、機会があればぜひ。