西洋の文明は自然を征服する文明だとは、良く言われること。
日本など東洋は、自然を恐れて棲み分けている。森林は神の棲む領分で人は滅多に立ち入らない。
かつてヨーロッパを旅したことがあった。空からイタリアやスペインを眺めてみれば、丘という丘はほとんどが禿げ山である。耕地と言えばそうなのかも知れぬが、日本では森林であるはずの部分に、木がない。樹木は河川に沿って狭い帯状に残されているばかりである。
日本は先進工業国であるにもかかわらず、森林面積が多い。水田を造るには、丘陵は不向きで、棚田は例外。この棚田とて、周辺に豊かな森林があるから、水を得られる。
北海道の農地は、西洋のそれであろう。稲作には不向きだったので、麦やジャガイモを作る畑が作られた。丘の立木を伐採して全てが畑にされた。こうしてなだらかな丘は緩い起伏をもつ畠となった。
牧草地も作られた。山羊や羊は乾燥地に向く。雨の多い土地には不向き。牛が飼われる。
北海道の西洋式農業は歴史が浅いので、大自然の多くが残されている。
何千年以上の歴史を持つ地中海地方では、自然は開墾し尽くされている。ここで農地を広げるには、他人の農地を奪わねばならぬ。ヨシュアは神に約束された土地だと信念して、他領を簒奪した。乱暴で血に飢えたものが勝ち、弱きものは滅ぼされる。あるいはラハブ(※ 参照)のように町を売り、勝者に隷属する。
権力とは、 power つまり暴力のことであり、それが恒常化すれば、authority となる。
日本の村には権力者はおらず、長老が若い者から聞かれれば、物語りをする。
※ ラハブ<ラハブ(Rahab)は、旧約聖書のヨシュア記に登場する娼婦の名。またはユダヤの伝説上の海の悪魔、怪物。>
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アクセスの記録 2009.12.03(木) 786 PV 291 IP 3344位 / 1333564ブログ