… 写真はお話の内容と関係ありません。
こんにちは。
お盆の夏休み、いかがお過ごしだったでしょうか?
先日の夜、ある番組で、「おいらん淵の恐怖体験」って言うタイトルだったか
そんな番組がありまして、
ついつい見てしまいました。
… 普段なら、余りこういう番組見ないのですが …
不思議なお話、第3話
… もう、かれこれ25年位前の
ちょうど今頃8月頃の事だったかと思います。
当時私は、アルバイトの女王
と呼ばれるほど、
アルバイトで生計を(?)立てておりまして、
バイト先の仲間と一緒に、一泊で
橋倉鉱泉に行こうと言う事になったのです。
みんなで、ガイドブックを囲んで、その辺りの名所旧跡や
ルートを検索しながら周辺を調べていたら
「おいらん淵」と書いてあるのが目にとまりました。
仲間の誰かが
「ちょっと、これって、心霊スポットだって。行ってみようよ!」
当時の私も、まだ無鉄砲なところがあったので
「行こう行こう! そこに寄ってから、温泉に行こう!」
…
…
…
旅行の日は、良く晴れていて、2台の車に分乗。
1台は私が車を出す事にして、
女子ばかり4名でワイワイと。
まずは、中央道へ行くために16号から北上。
相模湖でちょっと休憩しながら中央道を途中で降りて
一般道をドンドンと山道を登って行きました。
今ほど道が整備されておらず、ガタガタの山道へ
夏なのに、うっそうと暗くなって
他に通る車が無いのです。
私も、なんだかちょっとぞっとするような気持ちになりました。
しかしながら、運転しないわけにはいかないので、
怖いのを我慢するように、また、みんなも同様だったのでしょう
カラ元気のように妙に車内ではしゃいでみたり
歌ってみたり…
もう一台の男子の乗っている車は、
確か、既に先に行ってしまったのだったか
当時の記憶としては、私の車が1台しか
その山道を走っていなかった記憶しかありません。
そんなうっそうとした山道、
前方にトンネルが…
… しかも 整備されていない、
地下水にシミ出ているような古いトンネル …
トンネル内は、電気も無く真っ暗。
車のライトが本当に前方のみ照らすだけ。
地下水が、トンネルの天井から ピッチャンとフロントグラスに落ちる…
「キャー」
叫ばずにはいられませんでした。
それでもみんなでカラ元気を出しあい
必死の思いでトンネルを抜けて、ようやく整備された道へ
「怖かったね~」
「良かった~ 明るいところに出た~」
みんな口々に、心からホッとしたとの言葉が
すると前方から、この山道では初めての対向車が走ってきたのです。
「あ、車、他にも通るんだね」
当たり前なのですが、なんだか、対向車が通る事が
本当に良かったと思えました。
すると、その車が私の車に向かって、ライトをチカチカする…
… 何でだろう?? …
スピードを落として停車。するとその対向車も止めて
運転していた男性が窓から顔を出して
「ねえ、それ、タイヤパンクしてるよ」
「え?!」
車から降りて見てみると、
ホントだ、右後ろのタイヤの空気が抜けている…
「ありがとうございます! でもどうしよう…」
「その車はFF(前輪駆動)だから、そっと走って、行けば大丈夫。
もう少し行ったところで丁字路になるから
そこを右に行くとすぐガソリンスタンドがあるよ。
スタンドはこの辺りではそこしかないから。
気をつけて行きなさい。」
「ありがとうございます!」
どうやら、地元の人だったようでした。
男性に云われた通り、スピードを落とし、ブレーキなどもできるだけかけず
エンジンブレーキにしながらそっと走る事、数十分。
丁字路にぶつかり、ガソリンスタンドが見えてきたのです。
あの時は、砂漠のオアシスのように思えました。
「すみません、タイヤがパンクしたみたいなのです。」
「あ~。そこにおいてちょっと待ってて」
なんだか、妙にパンクの修理に慣れているみたいな口調でした。
…
…
…
「釘か何か 踏んじゃったんでしょうかね?」
…
…
「いや、違うね、これだよ」
スタンドの人に見せてもらったのは、細い枯れた木の枝
しかも、その枝は、普通に走っていれば刺さるような事も無いような
タイヤの内側の側面、ホイールの際に刺さり、
そこから引き裂いたようにタイヤのゴムが切れていたのです。
… まるで、花魁(おいらん)の髪飾りのような木の枝 …
刺さっていたその木の枝を渡されて、どれほど堅い木なのか
曲げたら、ポキン と折れてしまいました。
私達全員、もう何も言えず、ただ立ちすくんでしまいました。
声も出ない位でしたが、やっとの思いでスタンドの方に
「こういう木の枝でも、パンクするのですか?」
自分でもバカな質問だったと思いますが必死の質問でした。
「う~ん。」
余り、多くを語ってくれませんでした。
手際良く修理してもらい、
とにかく、どうしようかという事になりました。
「多分これは、私達が、ふざけた気持ちで
物見遊山に
「おいらん淵」へ行こうとしたからだよ。
気持ちを引き締めて、ちゃんと謝ってお参りしよう。」
私達は、淵のそばにある慰霊碑の前で手を合わせ
本当に、ごめんなさい。
これからは、こういう気持ちで訪れません。
どうか、成仏して下さい。
そうして、
「おいらん淵」を後にしたのでした。
私は、この事があってから、本当に霊に対する考えを考え直しました。
確かに、霊(魂)といって現実に見えていないモノではありますが
当然、かつては私達と同じように生きていた人。
一生懸命に生きて、ましてやこの、花魁淵の遊女さん達は
お殿様のためにって、一生懸命お仕事をしたのに
ただただ、お殿様の欲のため、エゴのため、谷の底へと散って行った…
どんなにか無念の思いが残ったか、私には到底わかるとは言えません。
そう言う人たち(霊)を面白半分、観光気分で見に行くなんて
ましてや、必要以上に怖がったり、キャーキャー騒いだり…
本当に、なんて思いやりのない事をしてしまったのでしょう。
霊(魂)も生きている人と同じように、思うやりを持って
私自身も言う時は言う、聞く時は聞く、
きちんと、向き合って付き合っていく。
ちゃんとした人間関係(霊魂との関係)を築いていこうと
心から思いました。
…
…
私が見た夜のテレビ番組でも
同じような内容のお話を再現フィルムでやっていました。
そのお話の場合は、木の枝ではなく
金属性の棒のような、
まるでかんざしのような棒がタイヤに刺さっていたようです。
そして、ガソリンスタンドの方も出演していまして
こんなコメントを
「この辺りは、こういうパンクの修理が非常に多いのですよ」
さて、今日のところはおしまいにします。
残暑!
8月も元気に!
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