毎年、桜を追ってあちこち歩き回るのだが、この年は南信州の桜を回る計画を立てた。
最初に訪問したのが「信州伊那梅苑」だった。
「信州伊那梅苑」は長野県箕輪町にある民間の観光梅林。
信州の春は花々が一斉に咲く、この梅林も同じだった。
ちょうど良い時期だったのか、遅咲きの梅と共に水仙、レンギョウ、桜、桃など、植えられているものすべてが咲いていた。
広大な敷地の中には水車小屋や水場、展望台なども設けてあった。
一段高くなっている展望台から見ると、一斉に咲いている花々が霞がかかったように見え、何ともいえない感じで、正に「桃源郷」だった。
(桃源郷って見たことないけど、こんなものかなと・・・)
一面のピンクや白の桃や桜の中に、レンギョウの黄色がアクセントとなっていた。
行った日はあまり天気が良くなく、周りの風景がよく見えなかったが、この場所の背景は中央アルプスと南アルプスになっている。
天気が良ければこの時期は雪をいただいた3000m級の山々が借景となって、一段と梅苑が映えるのかもしれない。
近くにはしだれ桜で有名な「光前寺」があるので、足を伸ばしてみた。
樹齢数百年の杉並木に囲まれていて、荘厳な雰囲気の境内がしだれ桜のピンク色で明るく染められていた。
また、このお寺の参道のには光苔が自生しているので、石と石の間を覗き込むと神秘的な光を見ることができるらしいのだが、残念ながら見えなかった。