去年、今年と桜の時期になっても歩き回ることができず、本当に残念に思う。
せめて写真だけでもと、今までにこの時期に訪れたことのある場所をいくつか。
今回は「鞍馬」に行った時のこと。
「鞍馬」は天狗伝説の発祥地といわれ、牛若丸の修行寺としても有名な場所で、京都の奥座敷と言われている。
叡山電車 出町柳駅から鞍馬行きに乗車した。
季節的に桜のラッピング電車になっていたのだが、どういう訳か駅には紅葉の電車も止まっていた。
たった2両編成の電車だったが、両方の車両とも中国人の団体客に占領されてしまっていて、騒々しいこと。
鞍馬駅までは我慢の30分だった。
鞍馬駅を出たところに桜が、と思ったらこれは紅梅の古木だった。
見事に咲いていた。
鞍馬と言ったら、大天狗。
天狗を横目に参道を進むと仁王門があった。
この辺りの桜はまだチラホラといった感じ。
ここから1km先の本殿までは鞍馬寺で運行しているケーブルカーがある。
このケーブルカーは単線で、日本一短く、山門駅から多宝塔駅までのわずか200mだけ。
それを約2分間で結んでいる。
おもしろいことに、鞍馬寺に200円寄付した人は無料で乗車できるとなっていた。
結局、乗車賃が200円ということ。
ケーブルカーには乗らず歩く方を選択した。
20分くらいきつい階段と坂道が続いていた。
本殿は標高400mあるらしい。
清少納言が枕草子の中で、この道を「近くて遠きもの」と表現したのに納得した。
結構しんどかったから。
そして本殿金堂に到着。
桜は見事に咲いていた。
標高が高い方が咲いていて、下の方はまだ咲いていないのは何故?
桜の種類が違うのかな?
本堂の前には六芒星があり、ここが数ある京都のパワースポットの中でも最強のパワースポットと呼ばれている場所らしい。
中国人観光客が順番にこの上に立って、空に向かって手を広げていた。
本殿前からの眺めは比叡山がきれいに見渡せる最高のビュースポットらしいが、どの山が比叡山なのか分からなかった。
でも、今まできつい坂道を登ってきたことを忘れてしまうような景色だった。
能舞台なのかな?
本殿の隣にあった。
ここから鞍馬寺本殿を出て貴船に向かう参道が続いていて、途中には与謝野晶子の書斎だった「冬柏亭」や、義経にまつわるお堂、木の根の道などがある。
参道と言うよりも、現在では1時間半~2時間くらいのハイキングコースのようになっている。
でも、山の中で物騒だから気をつけるようにと看板が出ていた。
その山道は今回はパスし、次は本殿と並んでもう一つの見どころ多宝塔へ下って行った。
多宝塔はケーブルカーで降りた場所にある。
ケーブルカーに乗ってきた人もここから本殿金堂までは登らなければいけない。
この辺りの桜は蕾が膨らんで赤くなっているが、開花まではもう少しかかりそうだった。
ここは人が少なかったので、ゆっくりと見て回り、最初に登ってきた道をまた戻った。
京都に来ても市内の近場ばかり歩いていて、なかなか鞍馬まで足を伸ばす機会がなかった。
そして、鞍馬はやはり紅葉を連想するので、桜の時期はどうかと思ったが、来てみると自然がいっぱいで、なかなかの場所だった。
街中とは全く違う雰囲気もあり、桜も見ることができたので、思い切って来て良かったと思った。