幹線道路を車で走っている時、ずっと前から路肩の端の方に背が高くて黄色い花が咲いている草に気が付いていた。
あれは「ビロードモウズイカ(天鵞絨毛蕊花)」だと分かっていても、車を止めることもできずにいつも通り過ぎていた。
ところが先日、線路脇の草むらの中に見つけたので、近づいてみた。
「ビロードモウズイカ」、近くでじっくりと見たのは初めてだった。
日本語で書くと難しいけれど、区切って読むと意味が分かる。
天鵞絨---ビロードと読む。
ビロードは織物の一種、別名はベルベット。
毛蕊花---モウズイカと読む。
モウズイカは雄しべに毛の生える花という意味い。
これらが合わさって、ビロードモウズイカになった。
要するに、葉っぱがビロードのような毛で覆われていて、雄しべに毛がある花ということ。
葉っぱはビロードのように細かい毛で覆われ、銀色のようにも見える。
この草の大きな特徴は背丈の高さで、大きいものは2mくらいのものもある。
黄色い花をびっしりと咲かるけれど、咲き方が面白い。
普通は下からとか上からとか規則があるのだけれど、それが全くなくて突然中央から咲き出したりしている。
これは上下が咲き終わって中央の花だけが残っているもので、写真がはっきりしていないけれど、雄しべに毛があるのが分かる。
実入りの悪いトウモロコシのようにも見える。
調べたところ、花が多く咲くので種も多く作られ、その数は10万とも20万とも。
それらはすべてあまり遠くに飛ばず、近くに落ちるらしい。
またその種子の発芽能力は100年以上も長く保たれることもあるため、土地が荒れて再び造成地となった時、最初に生えてくるパイオニア・プランツ(先駆植物)の一つにもなっているのだとか。
学名:Verbascum thapsus
英名:Great Mullein
別名:ホザキモウズイカ (穂咲毛蕊花)、アダムズ・フランネル、ニワタバコ
科名・属名:ゴマノハグサ科 モウズイカ属
原産地:ヨーロッパの地中海沿岸