ウォーキング中、白いサザンカを見つけた。
植木屋さんの庭にたくさんの種類の苗木があって、その中に一本だけ白い小さな花が咲いているサザンカの木があった。
サザンカについては以前、佐賀県吉野ヶ里町の千石山が、自生北限地帯として国の天然記念物になっているとどこかのサイトで読んだことがあった。
その時に、それがサザンカの原種で、一重咲き、白花で花径6~7cmほど、晩秋から初冬にかけて開花するとも書いてあった。
そして画像もいくつか載っていた。
今回見つけた花が正にその画像と同じように思えたので、これはきっとサザンカの原種なのかも、と思った。
華やかさは見られず、素朴な花だった。
他の一重のサザンカと花と葉の大きさを比べてみた。
左の原種と思われる方は花の径が4㎝ほど、右の大きい方の花は9cmもある。
花や葉が小さいし、華やかさが無く、淋し気な花になっている。
改めて原種のサザンカについて調べてみた。
「たきび」という童謡の中に出てくるサザンカだし、冬になってから開花してあちこちで見られるので、寒い地方の花だと思っていたが、違っていた。
この花は暖かい地方の花だったのだ。
日本固有種で、九州南部など温暖な地方にしか自生していないということだった。
--- 原種の特徴 ---
① 一重咲きの白花が10月〜12月に咲き、花径は6cm程度で平開する。
② 若い枝、葉柄、葉裏の主脈、子房に毛が生えている。
③ 葉は5cm程度で小さく、縁には鋸歯がある。
これらを考えてみると見つけた花はやっぱり原種のサザンカに違いないと思った。
サザンカは江戸中期から盛んに改良されようになり、今では様々な品種が生み出され、庭木として人気になっている。
今、あちこちで見られるサザンカの多くは華やかなものが多い。
だからこのような素朴な花を見つけたことがすごく嬉しかった。
学名:Camellia sasanqua
英名:Sasanqua tree
別名:ヒメツバキ、コツバキ
科名・属名:ツバキ科 ツバキ属
原産地:日本
最近では自生地北限について新説があるようだ。
サザンカの自生種は、沖縄県の西表島を南限とした南西諸島から、福岡県の北部を除いた九州のほぼ全域、四国南西部および山口県の萩市に分布する。
自生北限地は、かつては佐賀県神埼郡東背振村の千石山(背振山系、北緯33度23分)とされ、1924年に国の天然記念物に指定されたが、その後、長崎県壱岐島(北緯33度50分)にも自生がみつかり、さらに最近では山口県萩市の指月山(北緯34度37分)が北限地とされている。(東京農工大学のサザンカより)