いつも下を向いて咲いている大きくてラッパのような花。
「エンジェル・トランペット」です。
いつもは暑い夏によく見てたと思っていたのですが、今年は今でもまだ咲いていました。
以前は『キダチチョウセンアサガオ(木立朝鮮朝顔)』という名前で流通していましたが、いつの間にかエンジェル・トランペットの名前の方が有名になってしまいました。
エンジェルという言葉の響きがいいのかもしれません。
この花の特徴は、全体に大きな株(1m~3m)で見た目通りのラッパの形をした花が下向き咲くことです。
花付きがよくて、一度にたくさんの花を咲かせるので、とっても豪華です。
花色は白、ピンク、オレンジ、黄色などがあり、春から長い期間咲きます。
きれいな花なのですが、全草に毒(アルカロイド)がありますから、注意が必要です。
枝を切った時に出た汁が目に入ってしまって失明寸前にまでなってしまった人のニュースも聞いたことがあります。
誤って口に入れると幻覚、頭痛、めまいなどの症状を引き起こしてしまうとのことです。
この花で思い浮かべるのが、江戸時代の外科医『華岡青洲』のことです。
花岡青洲は”通仙散(つうせんさん)”という麻酔薬を使って世界初の全身麻酔で、乳がん手術を成功させたのです。
通仙散はエンジェル・トランペットやトリカブトなどの強い毒性のある植物を合わせて作られたようなのです。
当時(1800年)、からこの花には強い毒性があることで知られていて、そのためか名前は”まんだらげ”とか”きちがい茄子”などと呼ばれていたそうです。
学名:Brugmansia
英名:Angels trampet
別名:キダチチョウセンアサガオ、ダチュラ
科名・属名:ナス科 キダチチョウセンアサガオ属
原産地:熱帯アメリカ
『ダチュラ』と呼ばれる花はもう一つあります。
チョウセンアサガオ(朝鮮朝顔)と呼ばれている花で、木ではなく草に分類されています。
草丈1~.5m程度で、ラッパ状の花を咲かせますが、花は上向きに咲き、実にはトゲがあります。
こちらも全草にアルカロイドを含んでいます。