鉢植えになっていた「ミセバヤ」を見つけた。
ウォーキングコース途中にある家の門柱の上に置いてあった鉢から垂れ下がっていた。
名前の由来は、この花を見つけた法師が、師の冷泉為久に「君に見せばや(見せたいものだ)」と文を添えて贈ったことからだというけれど・・・
でも「ミセバヤ」は古来から別名で「玉の緒」とも呼ばれてきた。
こちらの方が馴染み深くて、分かりやすいかもしれない。
茎が長く伸びてその先に花が丸くなって咲いているので、玉の緒という名前が合うのじゃないのかな。
また、新古今和歌集に収録されている式子内親王の、『玉の緒よ 絶えねば絶えね ながらへば 忍ぶることの弱りもぞする』という歌。
この歌は、小倉百人一首にもあるので、誰でも一度は目にしていると思う。
この歌に出てくる「玉の緒」がこの花のことだともいわれているが・・・
玉の緒の意味は ①玉をつらぬいた糸 ②魂、生命 ③ミセバヤの別名 と諸説がある。
この説の中での一番の候補は②の魂、命のことだと思う。
そしてきっと 魂=玉 に掛けているのじゃないのかと・・・
「玉の緒」は昔から日本の山地の岩場に自生する山野草だったらしい。
今では自生種はほとんど見られなくなってしまって、環境省のレッドデータブックで絶滅危惧種に指定されているようだ。
でも、こうして見られるのはやはり観賞用として広く栽培されているものなのだと思う。
ほんのりピンクに縁取られた丸い葉、ピンクの小花が丸くまとまって咲いているのはとても可愛い感じがする。
学名: Hylotelephium sieboldii
英名:October daphne, October plant, October stonecrop, Siebold’s stonecrop, Siebold’s sedum
別名:玉の緒(タマノオ)
科名・属名:ベンケイソウ科 ムラサキベンケイソウ属
原産地:日本、中国