羽根沢温泉は山形県新庄市の西に約20km、三ツ森山や大森山の麓の鮭川村にある温泉です。
この温泉も大正8年に石油の試掘作業中に湧出したようです。
泉質は弱アルカリ性、とろみがあるので肌がツルツルになるということから”美人の湯”として知られています。
前日の森岳温泉から奥羽本線、羽越本線を経由して余部へ。
余部から新庄までは陸羽本線が工事中のためJR代行バスを利用しました。
この工事、もう2年も経つのにまだ終わらないのです。
いつになったら終わるのやら・・・沿線の人たちは不便でしょうね。
その先、新庄からは鮭川村の村営バスで約40分、やっと終点の羽根沢温泉に着きました。
この温泉は3軒の宿、共同浴場、飲泉所からなっています。
3軒の宿の中で選んだのが「美神の湯 松葉荘」です。
6室ほどの小さな宿ですが、決め手は食事でした。
この宿は料理がとっても良いと評判だったからです。
外観は年季が感じられ、玄関に入ると何だかゴチャゴチャと・・・
アジアンテイストだそうなのですが、全くまとまりがないといった感じでした。
でも、奥様はとても気さくな方、言葉の最後はすべて「~~にゃあ」の庄内弁でした。
通された部屋は2階の一番奥、2間続きで広すぎてビックリ(゚д゚)
この部屋が一番広い部屋だとのことで、一つ目の部屋にはテーブルが2つも並べられ、次の間はそれ以上に広く、既に布団が敷いてありました。
こんなに広い部屋なのに、洗面所とトイレは部屋の外で共同でしたが、それは最初から承知のことで全く気になりません。
洗面所は自動水栓になっていて、そこだけフォームされたのでしょう。
早速、美神の湯に入湯です。
お風呂は2ヶ所あり、男女別の時間交替制。
入った時間がいつも小さい方のお風呂になっていたので、写真は小さい方のお風呂だけ。
湯船からは無色透明のお湯が溢れていました。
数年前、温泉を扱った記事の中に『羽根沢温泉はワセリンのようなトロトロのお湯』と書いてあったのを読んだのですが、ワセリンってこんなものなの?
もう、トロトロ~、それでいて肌はツルツル~、お風呂から上がってもしばらくはしっとりが続いているといった感じでした。
この湯船は源泉に最も近いところだということです。
さて、次はお待ちかねの評判の良い食事です。
ご主人が鳴子温泉の大きな宿の板前さんだったらしく、さすが板前さんの料理だとすぐに分かりました。
郷土料理、庄内伝統の料理を基本として、地元のそして旬の食材を使い、一品一品が丁寧に作られていました。
器も凝っていたし、どれもこれも美味しく、ボリュームたっぷりで、さすがでした。
お品書きはなかったのですが、奥様がそれぞれの料理を詳しく説明して下さいました。
結局、一晩で4回も美神の湯に入ってしまいました。
それほど素晴らしい、トロトロのお湯だったのです。
松葉荘はお風呂も、料理も最高、何よりもリーズナブルなのも気に入りました。
このような宿なので、やっぱりリピーターが多いそうです。
今度は季節を変えて、また来てみようと思わせてくれるような宿でした。