俗世から遠のき、ここバンコクで秘境に篭っておりました。
日本から臨床熱帯医学短期研修に来られていた日本人の先生方に全くご挨拶もできないまま、懇親会すら出れずに、本当に申し訳ありませんでした。
開始してから朝から深夜まで土日も無くミツバチの様に単純作業を繰り返して32日目
ようやく目標の1000症例を達成!!
1症例の入院患者の全てのバイタルと検査、診療の流れ、輸液In/Out, 診断、治療等を書き取るのに平均15−40分程度かかるために、32日×朝8:30- 24:00まで休憩を考慮すると12−13時間/dayの時間を極力無駄にすることなく、もの凄い速度で相方と作業をこなしました。
既に来年からMCTMまで進学を含めて考慮している先生方数名からコンタクトと質問を頂いているのですが、後続の先生方の為に記録しておきます。
タイの国民性なのか?それとも外国なのでそもそもが上手くいかなくて当たり前なのか?こういうことが起きます。私の場合はやりたい研究やテーマが一杯あったので、提案を色々としたのですが、自分の計画やスタイルを持ち込む事が日本と違って少し難しいです。そいうものといえば、そういうもので、指導医によると言えば指導医によります(血液内科医で九州大学に留学経験があるSupat先生なので、私は最も指導医に恵まれたと言われております)
なんでこんな予測外の状況に追い込まれたかと言いいますと
私のサンプルサイズの計算では757症例なのに、研究計画書のディフェンスの際に、「サンプルサイズが1400位あるとPublishの際にカッコイイね」と発言したどこかの外部の大学教授の無責任?!というかタイ人らしい鶴の一言のせいで、ありがたい「精神修行の鍛錬」に突入した次第です。
日本だったら、紙カルテでなくて、簡単に情報を手に入れれるのにとか、倫理委員会がMahidol大学は非常に厳しく(Case record formにきちんと写しとってからでないとPC入力させてもらえなかったり)、研究のプランニングの厳しさが半端無いです。
もしかしたら、こういったお作法が厳しすぎるために、無駄な時間を過ごしているでは無いか?との不安との闘いです。
勿論悪いことだけでも無くて、私が武士道精神を持ち込み刺し違える覚悟でGo Go!!するので、指導医3人が次第に熱を持ってきていて、助教授達が全員残って平日は毎日夜23時ころまで一緒にやってくれています。つまり、皆が本気です。Publishできるものをちゃんと目標として持って望めているのは、棚からボタ餅的な結果を狙うよりも健全な学びのスタイルかと私は思っています。
さてMCTMコースの質問にあった自体の全貌はまだ見ていないのでコメントはできませんが、これまでに終了したコース内容から、質問にあった統計授業は理論を学ぶよりも「実践でなれさせて覚えさせる」という内容であると認識して頂ければと思います。普通の臨床疫学・医学統計の講義は間違いなく網羅してます(ついていけるかどうかは自分たち次第ですが・・)。
半分は講義で、半分はPCを用いて実習です。ソフトは9割SPSSを用います(時々STATA)。勿論、大学の版権のものを無料でインストールしくれます。END NOTEの使い方の授業も2コマ程度あり、これも無料でインストールしてくれますし、その料金を考えると「Mahidol、ごめんね、ありがとう」です。
よって、公衆衛生大学院的な統計理論は学びませんが、臨床家としてデーターを集めて、解析して有意差や各種グラフをソフトで作成し、発表するという流れに慣れて独り立ちさせる為のトレーニングであると思いました。(一年上のH先輩も言ってましたので、やはりそうなのだと思います)。
欠点は、間違いなく期間が非常に短い事。
タイのレジデントが勤務しながら2年かけて卒業することを考えて、フルタイムとは言え5ヶ月に凝集されているので中々の噛みごたえのあるカリキュラムです。勿論、臨床から離れることは無く、週3回は今これをしながら午前のコマでベッドサイドティーチングがあります。例年、筆記試験、OSCE、顕微鏡的スポット試験なども、日本人医師には相当のストレスフルらしく、英語力があっても大変だとの事です(私はまだ知りません)
という感じで、あとはPCに打ち込む作業を450例やれば、苦行の生活からは開放されるかと思っています。
この32日間の疲弊していく様子。
100症例目
200症例目
300症例目
400症例目
500症例目
600症例目
冒頭の写真が700−800症例、NSステーションにて美人のNsにとってもらう。
そして、先ほどの1000症例目到達・・・。
今日は、久々に自宅でビールを飲めました。ゆっくり寝ます。