第四部 Generalist in 古都編

Generalist大学教員.湘南、城東、マヒドン、出雲、Harvard、Michiganを経て現在古都で奮闘中

MCTMはじめました   MCTM Day 2

2015-10-02 16:31:14 | Mahidol University編

 

皆様こんにちわ。

臨床医にとって、より実学で実践的なコースであるMCTMに引き続き進学しております。

疾患に対する知識を幅広く知る事が目的であったDTMHと異なり試験はあまりありません。

その代わりに、通常現地の医師が働きながら2年をかけて修了するコースを、我々インターナショナル生は半年間でぎゅうぎゅうに詰め込んで行うという密度の濃い内容です。

初日は、オリエンテーションがあるのですが、今年はテロの影響?もあってか今年度の我々以外に進学者がいないようで、いつもと変わらないメンバーで授業が始まりました。(Mahidol DTMHの卒業生は5年以内であれば、MCTMに試験無しで進学できるルールがあります)

二日間で受けた授業の内容を今後の為に記しておきます。

1)ケースカンファ:10日間の熱源不明のSpike feverが来院。熱帯病を精査したが陰性⇛感染性心内膜炎(逆に我々にコモンすぎて、Modified Dukes Criteriaなどの話をしておりました)

2)小児マラリア身体所見:ビデオを用いて、多様な症状や所見を学びました。

アーテスネートは日本に無く、重症マラリアの治療法の差に注意です。

3)病棟回診:アルコール依存の患者、発熱、肝肥大(脾腫なし)が昨日来院。今後どのようにアプローチするか?

4)CRF(Case record file)の作成の仕方、ミスデーターのなくし方、予防方法、Excel裏技講座。

 

などなどといったものでした。

ただものすごく変わった事もあります。DTMH生は食堂のある建物の3階のやや古い講義室で授業をうけるのですが、MCTM生は病院の最上階17Fの全面ガラス張りの部屋で授業をうけるようになります。丁度、医学生が綺麗な病院のポリクリにきた感じで雰囲気が一転しました。

ともあれ、仲の非常によかった飲み友達の殆どが卒業していなくなり、今はハウスメイトのドイツ人(ハンパないイケメン!本人の許可を得て皆様におすそ分けします。)と2人で下ネタでバカを言い合いリラックスするか、自分のリサーチの事に時間を費やすかと時間の使い方が大きくかわりました。

何より、やらなければならないRejectされたケースレポートやリサーチの手直しや、かきかけの雑誌や書籍の仕事など滞っているものも、同時に遅い進行速度ながら各個撃破していかねばなりません。DTMHの半年間は結果的に満足でしたが、まだまだ自分が求める自分自身のレベルに達しない為にMCTMにてそのギャップを埋めるべく、後半年を投入して自分との闘い繰り広げて帰国する予定です(6割の確率で3月31日に帰れるかどうか・・)。

ということで、新しい生活がはじまりました。2日過ぎた経過では、タフでストレスフルですが、自分がしたかった勉強はやはりこちらなのだなぁと既に確信しております。


 


DTMH 修了式

2015-09-30 20:04:09 | Mahidol University編

DTMH修了式

4月1日に緊張の連続(当初は友達できるかレベルで不安でしたから)で始まったDTMHコースがついに先日9月25日をもって修了しました。
人間が持つ適応力は恐ろしく、言語や文化や宗教を超えて一緒に学んだ同期の医師達はかけがえの無い大切な仲間となりました。

何より大事な勉強に関しては、4月にアドバイスしてくれた羽田野先生の言葉が非常に威力を発揮しました。
「単なるテストの為では無く自分の将来にとって何が大切かを大事にしながら勉強すると良い」と頂いた最初の言葉のおかげで、億劫だったテストやら何やら不安な気が晴れました。

この半年は平均月1.8回は帰国して、日本国内での仕事と自分の臨床力を落とさない為の修行と生活費の捻出をするという事と並行しながらという少々Painfulな日々でしたが、それ以上に自分の根幹を鍛える良い経験になったと思います。当初心配であった学業は、結果的には遥かに自分が予想した以上の実りと成績で卒業できました。

英語で話す事が何より苦手な自分に取って、リーダーとしてスピーチする事がやたらと多いプレジデントとしての役職は自分の一番弱い所と強い所を醸しだすのに最適な経験となりました。当然ながら、自分の有利な環境でいたら自分はここまで苦労しなかっただろうし、逆を言えば成長できなかっただろうし、色んな意味で支えてくださった先生方、同期の医師達、家族、全ての人に感謝の気持で一杯です。

打ち上げで同期の連中は皆が口を揃えて感想を述べていました。「楽では無いけど一番人生で充実していた」と・・・。
これも、やっぱり一生会えないかもしれない同期の医師達が集まり、合宿の様にワイワイと学ぶといったMahidolマジックの技なのかもしれませんね。

私は、日本で断らない救急系病院で4連続当直の3連続日勤(つまりぶっ通し)をやり終えた所で、現在羽田のロビーで物思いにふけっております。明朝12時間後に始まるMCTMコースの初日の授業に参加する為に今からバンコクへ帰ります。飛行機にのって、バンコクに着いたその瞬間から、このブログのタイトルと内用はMCTMのものへ変更される予定です。とりあえず、折り返し地点を通過し、明日から自分とのさらなる闘いへ移行します。引き続き、来年以降にこられる方々に有意な情報を掲載したいと思います。


あっ、いい忘れました。マヒドンに来られるかたは、必ず自国の民族衣装を持ってくるようにしたほうが良いです。日本人では暑いのでやはり、浴衣でしょうか。


臨床統計学の授業について DTMH Day 170

2015-09-26 10:10:19 | Mahidol University編

昨日、修了式がありました。
順番は逆になってしまいますが、これは今後の日本人参加者にとって絶対に有用な情報となるために貯めておいたものを記載しておこうと思っています。

意外と楽しい、統計学。
私は英語の授業についていけるかしらと心配だったのですが、羽田野先生が事前に日本語で読破しておくべき本などを教えて頂きましたので、思った以上に問題になりませんでした。というよりも、日本語の漢字中心の統計学用語に比べればよっぽど分かりやすいのではないだろうかと...今になってはそう感じます。日本に帰ったら、今から日本語の教科書を読んで勉強せねばなりません。

MCTMコースに進むかたは、もしくは臨床研究を少しでも勉強したいと考慮しているかたは迷わず、Elective courseのBisotatisticsとClical researchを選択すべきです。ASEAN諸国の医師と違って、これらこそ数的思考能力に長けた日本人の強みであると思います。また日本で私が修士課程に属して居た時よりも非常に実学にもとづいており、間違いなく自分の骨と肉になり、即戦力になります(日本のなぁなぁな大学院教育とははっきりいって異なります)。

END Noteと統計ソフトのSPSSを大学の版権で無料でインストールしてもらって、またOpen Epiや、Epi info, PS等のソフトを紹介し使い方を指導されて、さらにそれらを使って0から実習的な授業があるなんて非常に恵まれていると思います。最終的には問題なくそれらのソフトを使いこなせるようになっているかと思います。 何事も基本が大事です。


さて、つい最近ハマっている食べ物屋がセブン-イレブンの目の前にあります。
タイ料理のパクチーが苦手な自分にとって、ピリ辛チキンカツパスタ的な食べ物に心癒されております。


Mahidol 大学 臨床熱帯医学短期研修講座を開催します!

2015-09-22 21:13:04 | Mahidol University編
皆様こんにちわ。

何故にこんなにも更新が滞っているかというと、多分以前超急性期病院で働いていた時よりも時間に追われています。
(MCTM以外にも日本の仕事を山程滞らせている為に、いと情けなし)
Time managementとの闘いです。

さて今週末、DTMHは卒業式を迎えます。
そんな中、なんとMahidolの指導医達により特別に日本からの医療従事者を対象に短期研修を開く事が決定しました。

詳細なフライヤーを参考にしてください。
マヒドンの主、もりひろ先生が構想5年を費やしたという研修会が無事に成功するまで、全てを負けずに頑張ります。


申し込みはホームページから可能です。
http://cicmt.com/






最後の回診と症例カンファ DTMH Day 158

2015-09-04 16:26:26 | Mahidol University編
DMTH最後の病棟回診とケースディスカッションでした。

30代男性:1年前からの全身性の一部痂皮化した皮疹、数ヶ月前から微熱が間欠的に出現。一ヶ月前から全身の関節痛が出現。Vital は特に問題無く、身体所見では、肝臓脾臓を触知、右鼠径部に軽度のリンパ節腫脹と軽度の圧痛を認める程度。Terry's nailあり。Peripheral signは無し。
Labでは汎血球減少を認める➠診断は内蔵リーシュマニア症でした。





40代男性:数影ヶ月前からのSpike fereverと四肢の関節痛、1周間前から頸部などの軽度のリンパ節腫脹のみ。熱帯病を考慮して転院。マラリア・ブルセラ・結核・チフス・含めた通常の検査は陰性。腹部に帯状疱疹様の皮疹ができた。➠診断はなんと成人スティル病との事でした。

総合内科医としては、Intravascular lymphomaやその他の血液疾患や、IgG4関連疾患などあぁだこうだ意見を述べましたが、臨床熱帯学の先生方にはあまり精通されていないと思いましたのでやめておきました。

フェリチン異常高値の鑑別を教えた所、他の国では全く言われていないらしく皆の食いつき方が半端無かったです。
Adult onset Still病の診断はGeneralistとしての診断力の見せ所でしょうか。直ぐに飛びつかず慎重に詰将棋を行うという意味で。
(Rheumatol Int. 2012 Apr;32(4):1091-4. doi: 10.1007/s00296-011-1834-x. Epub 2011 Feb 26.)






そもそも日本だけ?で行われている様な診療の型が如何に多いか。

世界中の医師と話していると驚く事も多々あります。これがまた本当にClinical questionに成るために非常に楽しいです。
私は超急性病院の叩き上げの代表みたいな人間で、大学で診るようなゼブラ疾患が弱いと感じた為にこちらに渡って来たのですが、半年経過した今、強くなったかと言うと。。。

残念ながら指導医の先生方とは研修医と10年目位のレベルの差が依然としてあります。







とは言え、これは私のバイアスですが、最近の卒後臨床教育のおかげかPhysical力だけは他の国よりも鍛えられきているのではないか?
と思います(全く根拠の無いバイアスですが。。私の周囲だけ?)。

つかの間の休息 DTMH day 155

2015-09-02 14:00:50 | Mahidol University編
皆様 こんにちわ

日本での怒涛の9連続勤務、レクチャー、講演、4飲み会が終了し、”メタボまっしぐら”で帰ってきました。
何故だか、バンコクにつくとホッとする自分がいて不思議です。


そう言えば、爆弾テロの犯人がつかまり、真相が明かされてきているようです。
なんと優秀なタイの警察。平和な街が一時恐怖に沈んでいましたが、今は何も無かったかのように人々の暮らしは続いています。

さて、MCTHに進まれる先生方はちょっとした覚悟が必要です。
9月に入るとDTMHで終了組は気楽にASEAN諸国の旅行をしたり、早々と帰国してしまったりとその生活格差がハンパないです。友達が楽しんでいるのをよそにMCTM組はResearch proposalの為の論文の徹底的な読み込みと、そこからCinical questionを自分で設定して、自分でMethodを考慮し、最終的に大学に研究計画書として数十ページの内容を短期間で作成します。

そんな中、ASEAN DAYという各国の大使をお呼びしInternational nightというPartyをMahidolで行う事になっており、その為の出し物として居残り組全員で練習です・・

最近は子供の幼稚園(色々と調べた結果、Mahidol FTMの子息はココがBestでしょう)の見送りを徒歩で汗だくになりながらやっております(いかにも毎日やっているような書き方だが、妻が頑張っているのはココだけの話)。我が長男も幼児版DTMHような他国籍な環境で苦労しながら頑張っている姿に自分と重ねあわせて涙がでそうです。



国際空港検疫実習: Quarantine(北海道にて記載) DTMH Day142

2015-08-22 02:25:10 | Mahidol University編
皆様こんばんわ。

実は只今、日本最北端にちかい漁師町の病院で1人当直医を行っております。
普段、激しい当直しかしない自分には、この平和な夜に若干戸惑いを感じながら、美味しい空気に感謝しております。



人生における進路を考えながら、道は一つでなく、自分の目指すべきIdealをどのように実現させて努力していくか。
そんな事を、時間が有る時に時々確認していく作業が私にはいつも必要で、この外気温19℃の過ごしやすい夜は物思いにふけるのには丁度良い静かな空気です。

さて、DTMHの選択実習の続きを記録しておきます。

Advanced Travel Medicine 2の実習では、非常に面白い内容が盛りだくさんで、普段経験できないような国際空港の検疫所に侵入して議論したり、航空会社の非常設備について学んだりします。







空港で職員通路から皆で侵入し、発熱患者のスクリーニング方法や、実際の検疫官の仕事。
また、テロや急病、エボラ出血熱などを想定した飛行機の着陸後の対応についてシュミュレーションがあり非常に面白かったです。





この実習を境に、DTMHの授業を終了して帰国したりバカンスにでる同期がチラホラ出てきました。

MCTMに進学して日夜(本当に日夜研鑽の日々)論文の読み込みと、Study protocolの立案などなど、やることが多いMCTM組との雰囲気の差が如実すぎて笑えます。

ともあれ、やるべき事を当たり前に各個撃破していく。
今はそれだけです。

バンコクでの無差別爆弾テロについて

2015-08-21 08:55:11 | Mahidol University編
皆様こんにちわ。

此方、バンコクでは8月18日にあった一連の爆弾テロ事件の為に厳戒体制がしかれております。
平和な国際観光都市として発展しているバンコクでのこの事件は、経済に多大なる影響を与える事が予想されます。優しく笑顔を絶やさない国民性をもつこの国で、誰が何の為にこのような酷いことをしたのか誰にも予想がつかず色々な憶測が飛び交っておりました。

事件後に警察から発表では、次の標的として想定される地域として、我々のキャンパスが生活拠点であるVictory monument(交通の要所)やSiam(商業の中心)等が含まれ、何をするにも家族含めて万が一の事を考えてしまうストレスフルな数日でした。

ただ外国人の死亡原因は圧倒的に交通事故が多く、確率論からいってバイクタクシーやTukuTukuに乗っている方がおそらく危険性が高いとは思います。頭では、不安や恐怖は自らの脳内で創りだされた幻にすぎないとは分かっていたつもりです。

しかし、 無差別テロというのがこれほどにまで我々に恐怖を与えるものかという事が、肌身を持ってわかりました。暴力により、負のイメージを植え付ける事に関しては犯人たちは成功したのかもしれません。

世界で安全な国とも言われる日本でTVの映像から飛び込んでくる世界とは別に、いつの間にか巻き込まれている自分が居て、不安や恐怖というものはまるで毛穴から染み込んでくるような空気の様な感覚です。

DTMHの同期にはMSF(国境無き医師団の事です)出身の医師が数人いるのですが、紛争地域で医療活動を行う方々の強い使命感と正義感というものがどれだけ凄いものであったのかを初めて知りました。

8月21日一時帰国し、9日間で関東と北海道を二往復してフィールドワークの続き(非常勤医師としての勤務の事です)をしながら間の日に旭川医科大学で検査が満足にできない環境で如何にPhysical とVitalから絞って行くかという事を講演した後にバンコクに帰ります。

MCTMの研究テーマに関しても、統計家と血液内科指導医と腎臓内科指導医と4人で話し合いを行い決めました。
やはり、とことんVitalにこだわって見たいと思います。

私の生やした根は総合内科医ですから。


夏休みパタヤビーチに行ってきました。

2015-08-10 20:53:50 | Mahidol University編
夏休みが明けました。
さて、MCTMコースで医療統計の講義を受けていた私をよそに、世界へ散らばっていた仲間が続々とバンコクに帰ってきました。
まるで、小学校の夏休み明けのような何となく憂鬱な気怠さ・・、日焼けの自慢、各国の経験を積んだ医師達とは言え殆ど大学生と変わらず和気あいあいとしております。

たまには、観光的なことも書いてみたいと思います。
私は 少しでも空き時間があれば日本に帰って断らない救急当直を行いながら自己研鑽と武者修行(これ大事です、感覚が鈍るのを防ぐ事ができます)、
並びに学費を稼ぐ為に日本へ帰りますので、この週末のわずか2日間が本当の意味での半年間の「夏休み」でした。

家族サービスの為にPattayaという有名なビーチに出かけてきました。
一見、高級ホテルが乱立するこのビーチからはハワイや、グアムを想起させ、全く遜色劣らないのですが、なんとバンコクから高速バス片道120THB(400円位)で来れます。

勿論、経験的にハワイ、サイパン、グアム、シンガポールのビーチとあまり変わらず楽しむ事ができ、水質を求めるならばラン島という海水浴目的で世界中から人が集まる島にわずか船30分(30THB=110円程度)で行く事も可能なんです。



写真は、島のビーチでしたが、これはもう私が島で医師を経験させてもらった与論島のビーチとそっくりで非常にリラックスできました。

ビーチは島の中に全部で7つ程あるのですが、交通手段が無いために観光客は概ね125Cのバイクを200THBで1日借りて走り回るというショッキングですが、非常にコストに優しく楽しい移動手段でした。
私は若かりし頃、自動二輪に好んで乗っていたので運転は問題なかったのですが、受付で免許証を預けてから一台に子供2人と妻を乗せてと・・・、ほぼヤンキー状態です。

Pattayaの高速バスのりばからMochitないしEkkamaiの高速バスセンターまでは片道2時間で、一日中バスが出ていますから、もし月曜の午前中に授業が無かったら向こうを朝10時のバスに乗れば午後の授業に間に合います。
例えば金曜の午後授業が終わってから直ぐに行けば3泊もゆっくりできるなぁと思いました。コレは本当にお勧めの妙案です。言語の問題、ストレスフルな学生生活で煮詰まった時にはビーチで格安リゾート兼勉強生活なんていかがでしょうか?

そんなこんなで、私は気づくのが遅すぎましたが、来年以降の日本から来られた先生に、日帰りでも良いのでリゾートビーチでたまにはゆったりとすごされることをお勧めします。
また、この街の夜は別の顔を持っており世界有数の歓楽街です。
危険なお姉さん、お兄さん、もしくはその中間がいるために要注意です。

Elective course(統計授業) が始まりました。DTMH Day 126

2015-08-06 21:44:21 | Mahidol University編
皆様お久しぶりです。
日本に帰り、ひたすら断らずに救急車を受けている間に、疲労の為かすっかり勉強の内容が抜けてしまっている自分です。
Bangkokに戻り気づいた事・・
間違いなく、日本の8月に較べて過ごしやすい。特に朝晩はエアコンが要りませんから。

さて授業は選択期間にはいりました。
どちらかというと自分はこちらをメインに入学しましたので、ここからが実は正念場です。

私が選択した講義は
503 Introduction to clinical research 1単位
510 Statistics for clinical research 3単位
509 Medical problems in the Tropics 2単位
502 Biostatistics  1単位
532 Travel Medicine Ⅱ        2単位

です。
MCTMに進む医師は全て統計的勉強は必修です。
将来的に全世界の疾患を想定するトラベルメディシンでも働いてみたいなと思うようになりましたので、ICTMの受験を考慮してアドバンスドコースも受けておきます。

早速始まった502のBiostatisticsですが、非常に実学です。
普通、数式や概念や考え方を学ぶ内容が日本では多いかと思いますが、これはお勧めです。


自分のノートパソコンにSPSSのソフトを大學の版権で無料でインストロールしていただき(凄い!)、それに仮想データをいれたものを受業で1つずつ解析したり、Tableを作る練習をしたりとまさに願ったりかなったりの痒いところに手が届くレクチャーです。試験はありません。が、テーマが小児期のマラリア感染と数学・国語の点数の低下の関連性についてで、毎日課題がドバッと出ます。そうこうしてSPSSのソフトに慣れて使える様になるように仕組まれています。こりゃまた、実学の実学で非常に習うより慣れろ的な非常に良いチャンスだと思いました。

受講者はたったの4人です。バングラディッシュ、カンボジア、日本人医師です。



数式を全く使わないで教えるこの先生に惚れました。なんでそんなに教え方がうまいのか聞いてみました。下記勝手に意訳
「だってさぁ~、自分が臨床やってたころも、全然わかんなかったじゃん。だからわけわかってない人にいかに嫌われずに分かるように教えるかが統計は大事なのよ。」ですと。
こんなにもいい教育者だなぁと思う人は何処にでもいるもんではないと思います。このような先生に会えただけで、この講義を受けてよかったなぁと。

まぁそんな感じで熱帯臨床医学とは少しおもむきことなる新しい生活が始まりました。