Blog of 俺 by 俺 for 俺

自分の自分による自分のためのブログ。
だったけど、もはや自分の備忘録としての映画やドラマの感想しかないです。

LGBTの青年の苦悩を描いた『サタデーナイト・チャーチ -夢を歌う場所-』

2019年03月02日 19時33分20秒 | 映画


2019年公開映画35本中24位。
(この時点で2015年年間映画鑑賞本数タイ)

LGBTの黒人青年が、
父親の死をきっかけに自らの性別(ジェンダー)について
悩み、考え、前を向いて歩こうとする話。

学校ではいじめられ、家族にも理解されず、行き場のない状態だったけど、
同じトランスジェンダーの人たちと出会うことで、
自分の居場所を見つけられたのはよかったな、と。

ミュージカルではあったけど、
だからと言ってディズニーや『マンマ・ミーア!』とはまったく違う。
踊りはほぼなく、「それセリフでいいのでは?」というのが歌になってるだけなので、
ミュージカル映画は好きだけど、これはそこまでハマらなかったなあ。

ひとつわからないのが仲間との出会いで、
特に自己紹介もないまま話が進んでいったけど、
これはお互いにトランスジェンダーだと言うことが
言わなくてもわかるのだろうかという疑問。

『ムーンライト』や『キャロル』がそうだったけど、
この手の映画は自分の理解の範疇を超えてしまっているので、
事象としてはわかっても、本当の意味での理解や共感はできずに、
いつもモヤモヤして終わる(笑)

魅力的なおっさん2人のロードムービー『グリーンブック』

2019年03月02日 18時51分42秒 | 映画


2019年公開映画34本中7位。

これすっごくいい映画だった!!
さすが第91回アカデミー賞作品賞受賞作品。

黒人差別が色濃くある時代において、
アメリカのディープサウスをツアーでまわる黒人ピアニストのシャーリー(マハーシャラ・アリ)が、
ナイトクラブで用心棒をしていたトニー(ヴィゴ・モーテンセン)を
運転手に雇って各地をまわるロードムービー。

普段、上流階級を相手に演奏をしているシャーリーと、
ハッタリと腕っ節でトラブルを解決しているトニーは、
性格が両極端で、いっしょに旅するうちに友情が芽生えていくというのは、
王道ではあるものの、やっぱり見る人に受け入れられやすい構図だと思う。

特に、最初にトニー自身も黒人に抵抗がある描写をきちんと入れた後に、
その黒人に雇われるという流れがあったから、
「これ絶対気乗りしないだろ」っていうのが明確だし、
そこからスタートしたのは、ラストに向けてのいいアンチテーゼだと思う。

感動ストーリーっていう感じではなかったけど、
笑えるシーンもけっこうあって、個人的にはとても楽しめた。

シャーリーは、北部でツアーをすればまわりから手厚く迎えられ、
3倍の報酬が得られるにも関わらず、
あえて辛い道を選ぶことで「大切なのは勇気である」
という姿勢を貫く強さがあるものの、
当時の時代背景からすると、虐げられる立場の黒人なのに、
いい生活をしていて他の黒人に溶け込めず、かといって白人にもなれないので、
自分が何者なのかわからない自己喪失に陥る苦悩を抱えている
という葛藤があるのがすごく魅力だった。

トニーは、難しいことは考えずにとりあえずやってみる系のタイプだから、
とにかく行動が早くて頼もしいところがある中で、
「寂しいときは自分から先手を打たないと」
という本質をサラッという言える優しさもあるところがいいなと思った。

また実話をベースにしているというのもいいよね。
この2人は2013年に数ヶ月の差でこの世を去っているらしい。

日本で生まれ育つと、人種差別を実感することはまずないから、
きっとこの作品に対する想いは本国の人とはだいぶ違うだろう。
現に、白人が黒人を差別から救うという構図を批判している人もいるとか。
でも、総じていい映画だったよ。

しかし、予告で見たとき、
「この怖い顔のおじさん誰?」って思って、
ヴィゴ・モーテンセンだと気づかなかったよね(笑)
高校生の頃、『ロード・オブ・ザ・リング』のアラゴルン、
メッチャ好きだったのに。
ちょっと、ジョニー・デップに似ている気もするけど。

マハーシャラ・アリは、
ついこの前『アリータ:バトル・エンジェル』にも出てたし、
来週も『スパイダーマン・スパイダーバース』に出るから、
最近引っ張りだこだね。