【基本情報】
製作年:2020年
製作国:日本
⠀ 配給:吉本興業
【個人的順位】
鑑賞した2020年日本公開映画ランキング:54/100
⠀ ストーリー:★★★★☆
キャラクター:★★★★☆
⠀ ⠀ ⠀ ⠀ 映像:★★★☆☆
⠀ ⠀ ⠀ ⠀ 音楽:★★★☆☆
【あらすじ】
高校からの友人と立ち上げた
劇団「おろか」で脚本家兼演出家を担う永田(山﨑賢人)。
しかし、作品は上演ごとに酷評され、
客足も伸びず、劇団は解散状態に。
理想と現実の間で悩む永田は、
ある日自分と同じスニーカーを履いている
沙希(松岡茉優)を見かけて声をかける。
突然のことに沙希は戸惑うものの、
とりあえず一緒に喫茶店に入ることに。
女優になるために上京し、
服飾の学校に通っている沙希と永田の恋はこうして始まった。
【感想】
コロナの影響もあり、ようやく新作映画100本目。
昨年は6月末で100本いってたからかなりのペースダウン。
本作はアマプラでも配信されているけど、
ボランティアエキストラでちょっとだけ参加した身としては
やっぱり映画館で観たかったのよ。
近くでやっててよかった。
(ちなみに、松岡茉優が居酒屋で注文受けてるところで
「頭頂部だけ」5秒ほど映ってたw)
さて、本作は永田が劇作家として夢と現実の間でもがきながら、
愛する人との出会いから別れまでを描いたラブストーリー。
で、この永田がけっこうなダメ男で。
彼女の家に居候し、
光熱費だけ負担してと言われてものらりくらりとかわし、
知らない人とは口も聞かず、
些細なことで目くじらを立てるというめんどくさいタイプ。
とはいえ、ちょっとわかる気もするんだよね。
僕は表現者でも何でもないけれど、
自分と同い年の人が活躍していることへの嫉妬や
自分だけうまくいかない焦りは、
心に余裕をなくしてしまうから、
何気ないことが癇に障るのかもしれないなーって。
それでいて、永田は素直かつストイックな面もあるんじゃないかなと思っていて。
だって、自分が表現者であるという強い自負があるからこそ、
ディズニーランドやクリント・イーストウッドに本気で嫉妬するのではないかと。
一方、沙希はものすごくかわいい。
ルックスはもちろんのこと、いつもニコニコしていて、
普通の人とは違う感覚を持っていて、
そこから生まれる言動がいちいちキュート。
そんな彼女だから、普通とは違う永田に惹かれたんだろうなー。
波長が合ったというか。
ただ、その惹かれたところが
今度はだんだん彼女を蝕んでいくんだよ。
まあ、永田のどこにあるかわからない地雷に振り回されてたら
そりゃ嫌になるよなとは思うけど、
惹かれた部分が嫌な部分になってしまうのは辛いよな。
そんな彼女が、2人が別れるに至ったことに対して、
「永くんは変わってないんだから何も悪くない。
むしろ、勝手に歳を取って、ひとり焦って、
変わってしまったのは自分の方だから」と、
まるで自らに非があるかのように言うところは、
なんというか、「おい永田!」と思ってしまったよね。
それは、彼が夢を叶えるかどうかではなく、
もう少し彼女に優しくしていればっていう、
ただそれだけのことなんだけどw
でも、僕は変わることは悪いことではないし、
変わらないことも悪いことではないと思ってる。
とはいえ、どちらかが変わると、
同じ方向を向けなくなってしまうこともあるから、
悪いことをしているわけじゃないのに、
いっしょにいられなくなってしまう
切なさや悲しさみたいなのはあるよね。
本作でも、夢を叶えれば彼女を幸せにできると思っていた永田と、
ただそばにいて欲しかった沙希の方向がどんどんズレていったように見える。
最初はそれでもよかったけど、結局、
永田が本気で彼女を幸せにしたかったのかは
態度ではほとんどわからなかったし、
沙希はまわりの同級生がみんな結婚していることもあって、
未来のことも見据えて現実的な考えになっていったから、
そこが一番大きな違いかなと思ってるけど。
他にも印象的な場面として、
チャリで2人乗りしているシーンや、
2人の過ぎ去った日々を演劇として上演しているシーンなんかは
かなりグッとくるのだけど、
字数もないから続きは劇場かアマプラで観てください(笑)
何かと辛いことの方が多いラブストーリーだったけど、
演劇に関わってる人やモノ作りしてる人なんかは
永田に共感しやすいと思うので、より楽しめるんじゃないかな。