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自分の自分による自分のためのブログ。
だったけど、もはや自分の備忘録としての映画やドラマの感想しかないです。

型のないイップ・マンだった『追龍 』

2020年08月27日 23時58分14秒 | 映画


【基本情報】
 原題:追龍
 英題:Chasing the Dragon
製作年:2017年
製作国:中国・香港合作
 配給:インターフィルム

【個人的順位】
鑑賞した2020年日本公開映画ランキング:72/113
 ストーリー:★★★☆☆
キャラクター:★★★★☆
    映像:★★★★☆
    音楽:★★★☆☆

【あらすじ】
1960年代、香港はイギリスの統治下に置かれ、
警察と黒社会が結託し、汚職がはびこっていた。

ン・セイホウ(ドニー・イェン)は仲間と共に、
中国本土・潮州から不法移民として香港に渡って来た。

変わらず貧困に苦しむセイホウたちは、
高額な報酬が得られると聞いてマフィア同士の暴動に加わることに。

しかし、暴動の鎮圧に来た警官に追いつめられたセイホウは、
現場の指揮官である英国人警司ヘンダー(ブライアン・アーキン)に
暴行を加え拘束されてしまう。

警察署に連行後、怒りのおさまらないヘンダーは
署内でセイホウに酷い暴行を加えていた。
セイホウの身に危険を感じた香港警察の
リー・ロック(アンディ・ラウ)はセイホウを保釈。
その後、仲間のカジノでの不正行為の落とし前として
黒社会に身をおくことになったセイホウ。

数年後、ずっと対立していた警察幹部のトン・ガン(ケント・トン)と
マフィアの陰謀により追いつめられたロックは、
かつての恩もあってセイホウに助けられた。
ロックを救う際にセイホウは足を砕かれてしまったが、
ここで2人の間には友情と信頼が生まれた。

当時の時代では警察と黒社会が手を組むことはめずらしくなかったため、
2人は手を組み、セイホウは麻薬王として、ロックは警察上層部へ出世し、
互いに更なる権力を手に闇の階段を駆け上がって行く。

【感想】
本作は実話ベースの映画のようで、ン・セイホウも実在の人物らしい。

で、警察はいるけど、黒社会と結託しているから、まるっとみんな悪だよね。
正義と悪の対立ではなく、まさに悪を貫く男たちの話。
だから、基本暗いし男臭い。
日本だとヤクザ映画に近いかなー。

でも、シリアスかと思いきや、
前半はジャッキー・チェンの映画に近い雰囲気もあって
ちょっと笑えるところもある(笑)
それが、後半にかけてどんどんシリアスに向かっていくから、
その変化は印象的だった。

ひとりは麻薬王に、ひとりは警察上層部にどんどん出世していく、
欲望と自己顕示欲の強いギラギラした男たちの物語は、
僕はその生き方にあんまり共感はできないものの、
"男"よりも"漢"っていう雰囲気が好きな人はハマるかも。

終盤のバトルシーンの派手さはさすが中国と香港の合作映画だなって思うし、
任務の途中で命を落としていく仲間たちに対する
悲しさと悔しさに震えるドニー・イェンの演技もよかったし、
個人的にはアリだなと思う映画だった。

ただ、登場人物が多い上に、その思惑が交錯しまくるから、
「あれ、あの人なんだっけ?」っていう状態になっちゃうのはある(笑)

また、当時の香港の社会情勢がうかがえるのも勉強になるね。
正義のない無法地帯の中で、香港人たちのイギリス人に対する遠慮と、
イギリス人の香港人に対する差別的態度を見ると、
当時の香港には絶対行きたくないなって思う。

でね、僕は『イップ・マン』を観てからドニー・イェンがすごく好きになって、
完全にジャケ買いの勢いでこの映画を観たのだけど、
本作も2割ぐらいイップ・マンだった(笑)

だって、セイホウ強いんだもん。
詠春拳こそ使わないものの、殴る、蹴るの暴力が強すぎ。
まさに「型を使わないイップ・マン」。
しかも、『イップ・マン』シリーズで刑事役だったケント・チェンも出てるし。

もちろん、役どころは180度違う。
麻薬王だし。
殺し方がえげつないよ。。。
しかもずっと短い髪に慣れてたから、
前髪があるドニー・イェンに違和感ありまくり(笑)

そして、アンディ・ラウのかっこよさは、
同じ男でもスクリーン越しに見とれるレベル。
あの渋さはアジア人俳優の中でもそうそういないんじゃないか。
さすが、"四大天王"に君臨するだけのことはあるなあ。

https://www.tsuiryu.com/

負け犬だからって人生終わりじゃない『きっと、またあえる』

2020年08月27日 00時34分26秒 | 映画


【基本情報】
 原題:Chhichhore
製作年:2019年
製作国:インド
 配給:ファインフィルムズ

【個人的順位】
鑑賞した2020年日本公開映画ランキング:9/112
 ストーリー:★★★★★
キャラクター:★★★★★
    映像:★★★★★
    音楽:★★★★★

【あらすじ】
息子が受験に失敗し、「負け犬の烙印を押された」とマンションから飛び降りた。

病院に駆けつけた父親のアニ(スシャント・シン・ラージプート)は
息子にプレッシャーをかけたことを悔やみ、
そして自身も学生時代は負け犬だったことを息子に語り始める。

そこに、息子を励まそうと集まってくるかつての悪友たち。
インドでもトップクラスのボンベイ工科大学時代の仲間だが、
彼らが寝泊まりしていた学生寮はボロボロの4号棟。
気のいいやつらは多いものの、寮対抗の競技大会では万年ビリで、
まわりからは"負け犬"とバカにされ続けてきた。

アニたちは汚名返上しようと一致団結し、
実力で勝てないところはあらゆる手段を講じて勝ちをモノにしていくが、
対戦相手も黙ってはいない。

果たしてアニたちは汚名を晴らすことができるのか。
そして、その先で彼らが見たものとは。

【感想】
タイトルがほぼ同じだけど、『きっと、うまくいく』とは何の関係もない(笑)
監督は『ダンガル きっと、つよくなる』と同じニテーシュ・ティワーリー監督で、
彼の実体験も織り交ぜた話となっているとか。
「きっと、〇〇」ってすればいいと思っているのではなかろうか、邦題の担当者は(笑)

さて、この映画、とにかくボリウッドの青春映画らしく、笑いと涙にあふれている。
『ブックスマート』もそうだけど、ハリウッドにしろボリウッドにしろ
何であんなに学生生活がカオスなんだろうか(笑)
あのハチャメチャっぷりは邦画の青春映画ではまず見ない。
男子寮で全員パンツ一丁で水かけ合戦やるとか、すんごく楽しそうだったよ(笑)
その学生時代の青春感は『きっと、うまくいく』と似た雰囲気があったね。

本作の特徴的なところは流れが2つあること。
ひとつはアニの学生時代の面白おかしいエピソード。
もうひとつは、こっちがメインなんだけど、彼の息子を励ますこと。

この映画はメッセージがシンプルで、負け犬であることを悔やんで死のうとした息子に対して、
負け犬だった自分たちがあきらめなかったこと、結果はどうであれ努力したという事実が大事であること、
その結果大切な仲間ができて幸せに暮らせること、
それを伝えることで息子の人生がまだ終わったわけではないことを知ってもらうとしてるんだ。

『きっと、うまくいく』でも描写があったけど、インドの受験戦争って相当に過酷らしいね。
成績を悲観して自殺する若者もけっこういるのだとか。
まあ、僕も一浪して第一志望落ちたときは相当に荒れたし、
人生終わったって思ったから気持ちはわかる。
そんなときに、おっさんたちがわんさか集まって昔話したところで、
生きる希望が湧くかつったら正直疑問だけど(笑)

とまあ、暗い話は置いといて。
とにかく、アニの学生時代のエピソードは滑稽にも程があるwww
実力で勝てない分、悪知恵を働かせて、相手を陥れる作戦は卑怯なんだけど笑えるwww
NBAでフリースローするときに観客が妨害するっていうまさにあんな感じwww

終盤の『スラムダンク』感はかなりハラハラするから心臓に悪いけど、
終わり方もよかったなー。

インド映画なので尺は長いけど、笑って泣けるいい映画だった。

映画『きっと、またあえる』公式サイ

映画『きっと、またあえる』公式サイトです。8/21[金]シネマート新宿ほか公開

映画『きっと、またあえる』公式サイト