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自分の自分による自分のためのブログ。
だったけど、もはや自分の備忘録としての映画やドラマの感想しかないです。

本にはそれを書いた人の熱量がいつまで残るんだと思った『パブリック 図書館の奇跡』

2020年08月10日 23時52分00秒 | 映画


【基本情報】
 原題:The Public
製作年:2018年
製作国:アメリカ
⠀ 配給:ロングライド

【個人的順位】
鑑賞した2020年日本公開映画ランキング:62/102
⠀ ストーリー:★★★★☆
キャラクター:★★★☆☆
⠀ ⠀ ⠀ ⠀ 映像:★★★☆☆
⠀ ⠀ ⠀ ⠀ 音楽:★★★☆☆

【あらすじ】
アメリカのオハイオ州シンシナティの
公共図書館で働くスチュアート(エミリオ・エステベス)。
真面目に働いていた彼は、ある日、
常連の利用者であるホームレスから思わぬ提案を受ける。

「今夜、ここを占拠したい」。

しかし、それは決して悪いことをするためではなかった。
記録的な大寒波によって路上で凍死者が続出しているにも関わらず、
市の緊急シェルターがいっぱいで行き場がないからだ。

約70人のホームレスの苦境を察したスチュアートは、
図書館の入り口を閉鎖し、立てこもった彼らと行動を共にする。

それは避難場所を求める平和的なデモだったが、
政治的なイメージアップをもくろむ検察官やメディアの偏った報道よって、
スチュアート自身が人質をとった容疑者に仕立てられてしまう。

やがて警察の機動隊が突入することに決まり、
追いつめられたスチュアートとホームレスたちは驚愕の行動に出る。

【感想】
設定が面白かった。
寒さをしのぐためにホームレスたちが図書館を占拠し、
彼らと行動を共にした図書館員が偏った報道によって
容疑者に仕立て上げられてしまうという、
一瞬コメディっぽい感じもするんだけど、
映画を観ていくと、これはホームレスたちが
自らの存在を訴えるための戦いなんだということがわかる。

日々、寒さによってホームレスが亡くなるケースが増えているものの、
結局多くの人にとってはすぐに忘れ去られてしまう。
だからこそ、このデモを通じて自分たちの存在を世間に知ってもらおうと。
そのホームレスたちの純粋な想いがちょっと感動的なんだよね。

しかも、彼らの中には退役軍人もいて、散々国や国民のためにがんばってきたのに、
今はホームレスとして生活せざるを得ないという状況も、
アメリカ社会の現実を突きつけているような気がした。

また、スチュアートの過去や本によって救われたエピソードも、
彼が図書館で働く動機づけとしてすごくよかったし、
彼がジョン・スタインベックの『怒りの葡萄』の一説を引用した主張はかっこよかった。

活字が苦手で普段本をまったく読まない僕だけど、
文字や文章によって記録された過去の人たちの主義や主張、想いというのは、
後世になってもその熱量を損なわないんだなということを感じたよ。

ただ、立てこもった後は面白いのだけど、
それまでの話がやや冗長だったので、
もっと立てこもるまでを早めてもよかったのかな?って思ったり。

しかし、図書館とか中学生のとき以来訪れていないけど、
ホームレスの人も入るってのはアメリカならでは?
彼らは開館前から入口で並んでいて、
開館したらトイレで歯磨きや髭剃りとかしてるから、
日本じゃこれは無理だよなって思った(笑)

映画『パブリック 図書館の奇跡』公式サイト

第43回トロント国際映画祭出品。名優エミリオ・エステベス監督作。大寒波の夜、行き場を失くしたホームレスが立てこもり!?図書館員の勇気があなた...

映画『パブリック 図書館の奇跡』公式サイト

 

邦画にしては珍しいタイプだけど、洋画のそれと比べると物足りなかった『いけいけ!バカオンナ~我が道を行け~』

2020年08月10日 00時24分34秒 | 映画


『いけいけ!バカオンナ〜我が道を行け〜』

【基本情報】
製作年:2020年
製作国:日本
⠀ 配給:アークエンタテインメント

【個人的順位】
鑑賞した2020年日本公開映画ランキング:81/101
⠀ ストーリー:★★★☆☆
キャラクター:★★☆☆☆
⠀ ⠀ ⠀ ⠀ 映像:★★★☆☆
⠀ ⠀ ⠀ ⠀ 音楽:★★★☆☆

【あらすじ】
アラサー女子の杉山結子(文音)は、
外ではイケイケ女を気取っているものの、
私生活では超絶地味な見栄っ張り。

ある日、美人でハーフの澤野セツコ(石田ニコル)と出会い、
お互いの存在に火花を散らすが、
セツコもまた私生活は地味な見栄っ張りで、
お互いにシンパシーを感じる。

いまだにロストヴァージンを迎えていない結子は、
彼氏獲得に励む日々を送っているが、
そんな矢先、セツコから結婚相手を紹介される。

現実を受け入れられない結子は
セツコの結婚にダメ出しをして2人の仲は険悪ムードに。

果たして「女の友情」は儚いものなのだろうか。

【感想】
タイトルの昭和感に惹かれて観たけど、
なんかものすごーく惜しいなと感じた映画だった。

これ、原作漫画は読んでいないけれど、
昔、榎本加奈子が出てた『可愛いだけじゃダメかしら?』
としてドラマ化してるみたいなんだよね。
そのドラマは毎週観てて、
あの榎本加奈子の振り切ったキャラが
けっこう好きだったけど(なお、原作と内容は大きく違うらしい)。

今回の映画は、長らく男子がやってたバカでアホで体張るってのを女性がやるんだよ。
友情と恋愛に揉まれながら。
そこが新鮮で。

こういう女子がハジけるのって洋画ではよく見かけるよね。
ジャンルは違うけど『テルマ&ルイーズ』は
女性2人の逃避行がぶっ飛んでたし、
8月21日に公開予定の『ブックスマート』なんかは
まさに若気の至りを極めたような話。

でも、邦画ではあんまりそういうのないから、けっこう珍しいなと思った。
女性が普段見せるかわいさや綺麗さだけではない、
家ではすっぴんジャージでカップラーメンすするとか、
散々ビビってたのに酔った勢いであっさりロストヴァージンしちゃうとか、
そういう人間らしい部分をあけっぴろげに見せていたのは笑える。

が!

足りない。。。全然足りない。。。
洋画のようにもっと振り切った内容を期待しちゃってたから、
やや冗長な作りとイマイチはっちゃけきれていないテンションに
正直物足りなさを感じてしまった。。。

飲むならもっと豪快に飲んで吐いて欲しかったし、
下世話な話や下ネタもどんどん挟んで欲しかった。

そもそもそういうのは目指してないって話かもしれないけど、
個人的には洋画のノリにしようとして
行き着けなかった印象が拭えなかったな。

洋画だったら男を見定めるシーンで絶対チンコの話出してくるから。
「彼はサイズ的にアレかもね」みたいに。
で、その日のうちにベッドインからの、
翌日女性同士で会ってサイズの話で盛り上がるって展開が目に見える。
(そして、ホットドッグを頬張るというベタな演出w)

一応、女の友情を描いてはいるみたいだけど、
結子とセツコが仲良くなるポイントがわかりづらくて、
あとは基本的に結子の恋バナがメインに進んで行くから、
タイトルほどのインパクトはなかったかなあという所感。

「女性の幸せとは」みたいなメッセージ性もあったとは思うんだけど、
映画の終わり方からして、結局、幸せの形は人それぞれだし、
誰かから愛されることがよいみたいな雰囲気になっているのが
一般論すぎるというか、ちょっと一昔前みたいな気はした。

あと、結子がセツコの結婚相手をディスるシーンがあるんだけど、
「おまえ何様だよ」としか思わなかったし、
これ観客の共感得られるのかな。。。
まあ、あくまでも男目線だけど。
女性の感想聞いてみたいわ。

すごく面白くなりそうな題材だっただけに惜しいなー。

映画『いけいけ!バカオンナ』2020年7月31日(金)TOHOシネマズ 日比谷他、全国公開

映画『いけいけ!バカオンナ』 2020年7月31日(金)TOHOシネマズ 日比谷他、全国公開 出演:文音、石田ニコル、真魚 他

映画『いけいけ!バカオンナ』 2020年7月31日(金)TOHOシネマズ 日比谷他、全国公開