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Blog of 俺 by 俺 for 俺

自分の自分による自分のためのブログ。
だったけど、もはや自分の備忘録としての映画やドラマの感想しかないです。

画は綺麗だが話はわかりづらい『鵞鳥湖の夜』

2020年10月03日 23時28分27秒 | 映画


【基本情報】
 原題:南方車站的聚会
 英題:The Wild Goose Lake
製作年:2019年
製作国:中国・フランス合作
 配給:ブロードメディア・スタジオ

【個人的順位】
鑑賞した2020年日本公開映画ランキング:127/142
 ストーリー:★★★☆☆
キャラクター:★★★☆☆
    映像:★★★☆☆
    音楽:★★★☆☆

【あらすじ】
2012年、中国南部。
刑務所を出て古巣のバイク窃盗団に戻った男チョウ(フー・ゴー)は、
対立組織の争いに巻き込まれ、誤って警察官を射殺してしまう。

全国に指名手配された彼は、自身にかけられた
報奨金30万元を妻子に残そうとするが手立てがない。
そんな彼の前に、見知らぬ女アイアイ(グイ・ルンメイ)が
妻の代理としてやって来る。

鵞鳥湖の水辺で娼婦として生きる彼女と行動を共にするチョウだったが、
警察や報奨金強奪を狙う窃盗団に追われ、徐々に追い詰められていく。

【感想】
いまいちわかりづらい映画。。。(笑)
もっとギャング同士がドンパチする派手な映画かと思いきや、
どちらかと言えばチョウの逃走劇。

特にわかりづらかったのが時系列と人物関係。

時系列に関して言えば、最初は回想で進むのに、
途中から通常の現在の時間軸に戻るので、
今がいつなのか判断できなかった。

人物関係については、アイアイが唐突すぎて謎。
もともとチョウと何の関係もない娼婦なのに、
なぜ彼女が選ばれたのか。
しかも、陽気というわけでも陰気というわけでもなく、
ただ無表情なのでキャラクターもつかめず。。。

チョウの妻もチョウに会いに行けない事情があるにせよ、
もっと旦那に対して感じていることを吐露して欲しかった。
あまりにもコメントがなさすぎて妻ということを忘れるほど。

その妻の弟も気づいたらドンパチしてて、
経緯がよくわからないまま。

画的にはダークな光景の中に光るネオンなど、
かっこいいシーンはあるのだけど、
ストーリー的にはパッとしなかったな。。。

映画『鵞鳥湖の夜』公式サイト

9月25日(金)新宿武蔵野館、ヒューマントラストシネマ有楽町&渋谷ほかにて公開。「薄氷の殺人」のディアオ・イーナン監督最新作、革新的ノワール...

映画『鵞鳥湖の夜』公式サイト

 

マウンティングクソ野郎な方たちにぜひ観てもらいたい『ムヒカ 世界でいちばん貧しい大統領から日本人へ』

2020年10月03日 22時41分52秒 | 映画


【基本情報】
製作年:2020年
製作国:日本
 配給:KADOKAWA

【個人的順位】
鑑賞した2020年日本公開映画ランキング:10/141
 ストーリー:★★★★★
キャラクター:★★★★★★★★★★
    映像:★★★☆☆
    音楽:★★★☆☆

【あらすじ】
2012年、ブラジルのリオデジャネイロで開かれた国連会議にて、
現代の消費社会を痛烈に批判し、
人類にとっての幸せとは何かを問うたウルグアイ大統領のホセ・ムヒカ。

その感動的なスピーチが瞬く間に世界中で話題になったことで、
監督の田部井一真は当時ディレクターを務めていた
テレビ番組で彼を取り上げることになる。

ウルグアイへ渡った監督は、
そこで一度も日本に訪れたことのないムヒカが、
日本の歴史や文化にとても詳しく、
尊敬していることに驚かされる。

その後も監督は何度もウルグアイへと渡り、
大統領退任後のムヒカへの取材を重ねる。

ムヒカの言葉に心を動かされた監督は
多くの日本人にムヒカの言葉を聞いてほしいと願うようになる。

そして、絵本の出版社の協力を得て、彼の来日が実現する。

【感想】
海外のドキュメンタリーと思いきや、
日本のドキュメンタリー映画なんだよね。
ムヒカ氏は質素な生活をしていると聞いてはいたけど、
本当に質素だった。
日本の田舎みたいなところで、
トラクターに乗って畑を耕したり、
チェーンソーで木を切ったり、
もはや農家のおじさん。
そんなムヒカ氏の言葉は力強く、そして説得力があった。

なぜか。
それは、彼の生い立ちやこれまでの経験を踏まえると、
実際に経験したことから生まれた言葉だと考えられるからだ。

ムヒカ氏が生まれ育った土地には、
当時日本の移民もおり、
若い頃からムヒカ氏は日本人と交流があったのだ。
「なぜ日本についてそんなに詳しいのか」という問いに、
「本で読んだから」と答えるムヒカ氏だが、
おそらく実体験として日本人を身近に感じていたことも
影響しているだろう。

彼は1000年以上続く日本の文化に敬意を表しながらも、
それが失われつつあることを嘆いているようだった。
文化やテクノロジーの発展を称賛しつつ、
アメリカに追いつけ追い越せの精神を持ったあたりから、
日本人の魂は失われてしまったと。
もちろん、すべての日本人がそうではない。
だから、彼は、日本には"いろんな日本人がいる"と表現していた。

また、人間は発展するために生きているのではなく、
幸せになるために生きているのだと主張している。
それは、彼が若い頃に反政府活動に参加し、
12年間も投獄生活を送ったことと無関係ではないはず。

そこから政治家になり、大統領にまで上りつめるのだから、
その行動力と信念の強さは凄まじいものがある。

彼は言う。
貧しさとはモノを持っていないことではなく、
どんなにモノを手に入れても満足しない心だと。
ムヒカ氏も若い頃は富を平等にすれば
人は幸せになると信じて反政府活動を行っていたが、
結局は考え方を変えない限りは意味がないと知る。

仲間を作り、家族を持ち、モノが少なくてもそれに満足でき、
大切な人たちと同じ時間を過ごすことこそがで幸せなのではないかと投げかける。

決してひとりで歩むのではなく、誰かといっしょにいることを前提として、
動物のように"ただ生きる"のではなく、
"人生に意味を盛り込んで生きる"ことを勧めていた。

ただ、彼は他の幸せの在り方を否定はしていない。
何に幸せを感じるかは人それぞれ
という柔軟さも持ち合わせているからこそ好感が持てる。

他国の文化に敬意を表し、他者を否定することなく、
長期的に見て人としてあるべき姿を静かに優しく、
それでいて力強く語るムヒカ氏の言葉は刺さる。

そういえば、ムヒカ氏は
「人生で一番大切なことは成功することではなく、歩むことだ」
と説いていたけど、
昨日の『フェアウェル』でナイナイが言っていたことと似ている。

つまり、結果より過程が大事だというのは、ほぼ共通の認識なんだろう。
とはいえ、結果が出なければ評価されないのが現実。
人は常にこの矛盾と向き合って生きていくんだろうなあ。

映画『ムヒカ 世界でいちばん貧しい大統領から日本人へ』公式サイト

10月2日(金)シネスイッチ銀座ほか全国順次公開!|ムヒカ大統領が日本にやってきた!彼が私たちに伝えたかった、その思いとは?

映画『ムヒカ 世界でいちばん貧しい大統領から日本人へ』公式サイト

 

創業者の人柄と手腕に惹かれる『メイキング・オブ・モータウン』

2020年10月03日 13時02分56秒 | 映画


『メイキング・オブ・モータウン』

【基本情報】
 原題:Hitsville: The Making of Motown
製作年:2019年
製作国:アメリカ・イギリス合作
 配給:ショウゲート

【個人的順位】
鑑賞した2020年日本公開映画ランキング:10/140
 ストーリー:★★★★★
キャラクター:★★★★★
    映像:★★★☆☆
    音楽:★★★★☆

【あらすじ】
ビートルズやローリング・ストーンズが憧れ、
日本を含む世界の音楽に影響を与え続けているモータウン。

創設者はベリー・ゴーディ・Jr.。
1959年、家族から借りた800ドルを資金にタムラ・レーベルをスタートさせ、
モータウンの歴史は幕を開けた。

その黄金期を彩ったのは、
スティーヴィー・ワンダーやジャクソン5などのスターたち。

本作は、映画ビジネスに参入すべくLAに本社を移すまでの歴史や
名曲誕生秘話を追っていくドキュメンタリー。

【感想】
これは面白い。
音楽(特に洋楽)やエンタメ系の仕事をしている人、
組織づくりをしている人なんかは興味深く観れる映画だろう。

僕が聴く音楽は90年代J-POPばかりで、
モータウンが大ヒットを連発していた頃の曲なんてほとんど知らない。
劇中56曲の音楽があったけど、知っていたのは2曲のみ。

だから、僕は音楽云々というより、
ヒットを連発していた背景には何があったのかを知りたくて観た。

複数要素はあるものの、やっぱり創業者のベリーの存在が一番大きい。
世の中、才能あるアーティストはたくさんいるけれど、
彼ほどのリーダーはいないとスモーキー・ロビンソンに言わしめるほど。

ベリー一族は曽祖父のときから起業家精神を叩き込まれていたせいか、
本人は幼い頃から"目端が利く"と自覚していたそう。

彼はモータウンを創業した後、かつて自動車工場で働いた経験を元に
「生産ライン」というものを策定。

つまり、アーティストの発掘・契約からレコード発売に至るまで、
ただの部品だった機械が徐々に自動車に変わっていくように、
ひとりの人間をアーティストとして作り上げる仕組みを作り上げた。

できたばかりのモータウンはアメリカのミシガン州デトロイトにある一軒家を拠点としており、
そこには実に多くの才能あふれる若者が出入りしていたよう。
まさに、日本でいう"トキワ荘"みたいな感じ。

誰から指示されることでもなく、すべて自給自足で自由にのびのびと好きなようにできたのが、
(ヒットを出せる)魔法が生まれる理由だったとか。

僕が一番驚いたのが、マナー講師にアーティストの養成を行わせていたこと。
それは、フォークやナイフの使い方ではなく、
自尊心を高めて堂々とした人間でいられるようにするため。
アーティストの中には貧困層出身の人も少なくないので、
セレブとコミュニケーションが取れるようにまでするところの徹底ぶりに脱帽。

もちろん、すべてが順風満帆というわけではなく、
ツアー時の激しい黒人差別もあったし、
人は自動車ではないから意見の食い違いでモータウンを去る人もいた。

でも、それらを乗り越えられたのは、
やはりベリーの人柄や手腕ではないだろうか。

彼は黒人だろうが白人だろうが音楽には関係ないと常に言っていた。
だから、黒人・白人問わず雇用していたし、
能力さえあれば女性でもどんどん幹部になれたそう。
それを当時から行っていたのはかなり革新的なのでは。

また、彼はいつだって「次の段階」を考えていた。
現状に甘んじることなく、革新がなければ停滞と同じだと捉えていたようで、
その結果、映画にも積極的に関わっていった。

ベリーのように音楽(事業)を愛し、人を愛する人の元には、
たくさんの才能が集まるんだね。
こういう人の下で働けるとは幸せなことだと思う。

ちなみに、いろんなアーティストが出てくる中で、
幼き日のスティーヴィー・ワンダーとマイケル・ジャクソンは
格が違うなと素人ながらもわかる。

「メイキング・オブ・モータウン」公式サイト

「メイキング・オブ・モータウン」公式サイト

 

涙だけじゃない。笑いとリアルな家族像も垣間見える『フェアウェル』

2020年10月03日 00時17分03秒 | 映画


【基本情報】
 原題:别告诉她
 英題:The Farewell
製作年:2019年
製作国:アメリカ
 配給:ショウゲート

【個人的順位】
鑑賞した2020年日本公開映画ランキング:44/139
 ストーリー:★★★★☆
キャラクター:★★★★☆
    映像:★★★☆☆
    音楽:★★★☆☆

【あらすじ】
ニューヨークに暮らすビリー(オークワフィナ)と家族は、
ガンで余命3ヶ月と宣告された祖母ナイナイ(チャオ・シュウチェン)
に会うために中国へ帰郷する。

家族は病のことを本人に隠すことに決め、
みんなで集まる口実として、いとこの結婚式をでっちあげる。

ちゃんと真実を伝えるべきだと訴えるビリーと、
祖母を悲しませたくないと反対する家族。
意見の対立は平行線のまま、とうとう結婚式の日を迎える。

一家がついた嘘の行方は。
そして、衝撃の事実が発覚する。

【感想】
コロナの影響で公開が遅れたけれど、
半年前からずっと観たいと思っていた映画。
監督のルル・ワンの実体験を元にした心温まる家族の物語で、
さすがA24の配給作品だなと。

大好きな祖母に真実を伝えるべきか、
それとも本人を悲しませないために隠し通すか。
そのどちらも当事者を想っての行動になるけれど、
別に中国に限った話ではなく、どの国でも意見は割れそう。
ゆえに、国境や文化を超えて共感できる内容だと思う。

しかも、この映画、ただのお涙頂戴の感動映画ってだけじゃないんだよ。
クスッと笑えるシーンをちょいちょい入れ込んでくるところが
バランスいいなーって思う。

また、家族間でずっと抱えていたわだかまりみたいなのも露呈されるから、
長い間いっしょにいてもわからないことってあるよなっていう
家族のリアルさも伝わってくる。

そんな中で、ナイナイがビリーに対して、
「人生で一番大切なことは何か」って伝えるシーンは、
どんな本や偉い人の言葉よりも心に響いた。

僕もばーちゃんが好きだったから、今作のビリーにはものすごい共感できたよ。
今でもばーちゃんが亡くなったことを思い出すと悲しみに暮れてしまうからな。。。

ただ、ちょっと地味でインパクトに欠ける部分はあるから、
人によってはそれが退屈に感じてしまうかもしれないけど、
涙と笑いに包まれたファミリー映画としていい作品だったと思う。

衝撃のラストはぜひその目で確かめて欲しい。

これ、アメリカ映画なんだけど、出ている人全員アジア人なんだよね。
まあ、みんな英語がネイティブレベルだけどw
日本人を洋画で見ないのは、やはり英語力なのか。。。

ちなみに、今作にはひとりだけ日本人が出てて。
中国を拠点に活躍している水原碧衣という方なのだけど、
京大卒業後、早稲田法科大学院休学中に中国最高学府である
北京電影学院の演技科に1年間留学し、
首席で卒業というびっくり経歴。

劇中でも、たまに他のキャラクターが
彼女にカタコトの日本語で話しかけてるから
「何でだろうなー」って思ってたら、
本当に日本人だったんだっていう(笑)

映画「フェアウェル」公式サイト

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