Blog of 俺 by 俺 for 俺

自分の自分による自分のためのブログ。
だったけど、もはや自分の備忘録としての映画やドラマの感想しかないです。

ラスト1分にならないと何もわからず、わかった頃にはお話が終わってるという手遅れ感ある『雨とあなたの物語』

2021年12月27日 23時36分24秒 | 映画

【個人的な評価】
2021年日本公開映画で面白かった順位:244/274
   ストーリー:★★☆☆☆
  キャラクター:★★★☆☆
      映像:★★★☆☆
      音楽:★★★☆☆
映画館で観るべき:★☆☆☆☆

【要素】
ラブストーリー
文通

【元になった出来事や原作・過去作など】
なし

【あらすじ】
まだスマートフォンもSNSもなかった2003年の韓国。
夢も目標もなく、
ソウルの予備校に通う浪人生ヨンホ(カン・ハヌル)は、
長い間大切にしてきた記憶の中の友人を思い出し、
あてもなく手紙を出す。

一方、釜山では、
自分の夢を見つけられないまま、
母親と一緒に古書店を営むソヒ(チョン・ウヒ)が、
ヨンホから姉のソヨンに届いた手紙を受け取る。
ソヒは病気の姉に代わってある“約束”を条件に、
手紙を交わしていく。

「いくつかルールを守ってほしい。
 “質問しない”、
 “会いたいと言わない”、
 そして“会いに来ない”。」

偶然始まった手紙のやり取りが、
モノクロだった2人の日常を鮮やかに彩り始め、
やがてヨンホは「もしも12月31日に雨が降ったら会おう」
と提案をするが…。

【感想】
韓国映画のラブストーリーってことで、
激しい人間ドラマや全俺が泣く感動作を期待したけど、、、
一体これはどうしたもんだろうか。

◆文通は素敵だけど、終始「?」な設定

シチュエーションは『ラストレター』(2020)に似てる。
主人公とヒロインの文通。
でも、ヒロイン側は別の人が書いてたっていう。
それ自体は素敵。

でも、そもそもなんでヨンホは、
クラスも違う小学校時代の同級生のことを急に思い出したのか。
卒業してから一度も会っていないのに。
当時、運動会のかけっこですっ転んだ彼に、
ハンカチを渡したことが、
そんなに尾を引く、、、?
そういう動機に対する納得のいかなさがハンパない(笑)

◆成立しているかも怪しい三角関係

ヨンホに恋をするスジン(カン・ソラ)。
予備校で2浪同士ってことで仲良くなるものの、
終始スジンからの強引すぎる押しのみ。
まったく噛み合ってないところが、
逆に笑える気もするけど(笑)

しかも、スジンからしたら、
ヨンホの文通相手って恋のライバルに当たることになるんだよね。
なんだけど、スジンとスヒに接点はない。
ゆえに、もはや三角関係と呼べるのかすらも怪しい。
もはやスジンは、
亡霊か何かと戦っているようにしか見えなかった。

◆ひどいオチ(笑)

オチこそがこの映画の一番のウリなんだろう。
でもね、、、遅いよ。。。
ラスト1分にならないとマジで話がわからないから。。。
それまでずーっと、
「この人たち何でこんなに感動ストーリーぶってるんだろう」
って疑問しかなかった。
いろいろ予想はするものの、
ことごとく外れ。
むしろ、あんなの誰も気づかないだろ。

オチを知ると、
ちょっとほろりとはするけど、
それまでに溜まった疑問や気持ち悪さは拭いきれず、
『FF』で戦闘不能になった後にポーションを使われる
というような手遅れ感が(笑)

◆そんなわけで

オチがわかってる(予想できてる)人じゃないと、
意味プーな映画でした。


テフロンによる健康被害で、現代に至るまで20年以上も巨大企業と戦う1人の弁護士を描いた『ダーク・ウォーターズ 巨大企業が恐れた男』

2021年12月27日 22時22分18秒 | 映画

【個人的な評価】
2021年日本公開映画で面白かった順位:55/273
   ストーリー:★★★★★
  キャラクター:★★★★★
      映像:★★★☆☆
      音楽:★★★☆☆
映画館で観るべき:★★★★☆

【要素】
サスペンス
弁護士
集団訴訟
法廷

【元になった出来事や原作・過去作など】
・記事(ニューヨーク・タイムズ紙)
 “The Lawyer Who Became DuPont’s Worst Nightmare”

【あらすじ】
1998年、オハイオ州の名門法律事務所で働く
企業弁護士ロブ・ビロット(マーク・ラファロ)が、
見知らぬ中年男から思いがけない調査依頼を受ける。

ウェストバージニア州パーカーズバーグで農場を営むその男、
ウィルバー・テナント(ビル・キャンプ)は、
大手化学メーカー、
デュポン社の工場からの廃棄物によって土地を汚され、
190頭もの牛を病死させられたというのだ。

さしたる確信もなく、
廃棄物に関する資料開示を裁判所に求めたロブは、
“PFOA”という謎めいたワードを調べたことをきっかけに、
事態の深刻さに気づき始める。
デュポンは発ガン性のある有害物質の危険性を40年間も隠蔽し、
その物質を大気中や土壌に垂れ流してきたのだ。

やがてロブは、
7万人の住民を原告団とする一大集団訴訟に踏みきる。
しかし、強大な権力と資金力を誇る巨大企業との法廷闘争は、
真実を追い求めるロブを窮地に陥れていくのだった……。

【感想】
これは濃厚!
これは面白い!
巨大企業 vs 1人の弁護士という対立構造。
しかも、実話ベースかつ現在も続いている話なので、
とてもリアリティがある法廷映画だった。

◆身近なテフロンによる環境汚染

キッチン器具に使われていることで有名なテフロン加工。
フライパンが焦げつかないアレです。
それを開発したデュポン社は、
規模は世界第4位・アメリカで第2位という
超巨大な化学メーカー(2017年時点)。

そのテフロンの製造過程で使用する
ペルフルオロオクタン酸による健康被害が今回の争点。
様々な癌や大腸炎など、
6種類の病気との相関性が認められているけど、
大気や地下水にも垂れ流され、
被害の影響は計り知れない。

◆敵対するクソみたいな巨大企業

こういう映画だと、
とにかく巨大企業の悪さが目立つけれど、
今回もクソっぷりがすごい。
従業員の健康を害し、
生まれてくる子供も奇形児。
そういった被害があることを認識しつつも、
利益のために製造はやめず。

原告側の言い分が認められ、
第三者による新たな科学調査を行い、
デュポンの垂れ流した化学物質と病気の相関関係が認められれば、
医療保証することにも同意したものの、
7万人近い血液サンプルの調査には実に7年の時間も要した。
その間に亡くなってしまう人ももちろんいる。

その結果、
調査完了時点で3535人が
すでに何かしらの病気にかかっていることが判明するんだけど、
その後にとるデュポン社の対応がマジクソ!
どこまでいっても、
原告や被害者たちの心を折ろうとする
卑劣なやり口に苛立ちしか感じなかった。

◆地道に戦う弁護士を演じるマーク・ラファロの役どころはまさにヒーロー

マーク・ラファロといえば、
マーベルのハルク役で有名だけど、
実際の彼は環境活動家としての顔も持っているそう。

そんな彼が演じた弁護士は、
ロバート・ビロットという実在する人物。
資料開示請求を出せば、
100箱以上はあるんじゃないかというダンボールの山が届く中、
1人で黙々と証拠集めに奔走する。

仕事に没頭しすぎるあまり、
妻からは愛想を尽かされてはいるものの、
その気になれば何でも潰せる巨大企業に、
自らのキャリアを顧みずに真っ向から勝負を挑む姿は
まさにヒーローそのもの。

デュポン社とは徹底抗戦することを決め、
最初の訴訟から20年以上経つ今も戦い続けているらしい。

◆そんなわけで

水俣病を扱った『MINAMATA-ミナマタ-』(2020)に似た状況の内容で、
シリアスかつダークな雰囲気だけど、
強い信念を持って、
巨大企業に挑む1人の弁護士の姿は
胸を打つものがあるのでオススメ。

 

親の存在意義について考えさせられる笑いと涙のファミリー映画『ボス・ベイビー ファミリー・ミッション』

2021年12月27日 00時16分03秒 | 映画

【個人的な評価】
2021年日本公開映画で面白かった順位:72/272
   ストーリー:★★★★☆
  キャラクター:★★★★☆
      映像:★★★★☆
      音楽:★★★★☆
映画館で観るべき:★★★★☆

【要素】
フルCGアニメーション
ファミリー
赤ちゃん
子育て

【元になった出来事や原作・過去作など】
・絵本
 マーラ・フレイジー『あかちゃん社長がやってきた』(2010)

・映画
 『ボス・ベイビー』(2017)

【あらすじ】
ボス・ベイビーが、兄ティムと共に繰り広げた
<赤ちゃんvs子犬>の死闘から25年―。
大人になったボス・ベイビーは、
世界中を飛び回るエリートビジネスマンとして大成功。
一方ティムは、
タビサとティナという娘を持つ幸せな専業主夫に。
成長した兄弟2人はすっかり疎遠になっていた。

そんなある日、
ベイビー社にある情報が入る。
長女タビサが通う学校の校長アームストロング博士が、
世界征服を企んでいるというのだ。
世界を救うためには〈ボス・ベイビー〉の協力が不可欠と、
彼らの元に〈ボス・レディ〉が派遣されるが、
なんとそれはティムの次女ティナだった!

ボス・ベイビーとティムはスーパーミルクで赤ちゃん返りし、
再びチームを組み、
学校への潜入捜査に向かう。
果たして2人は、
史上最大のミッションをクリアし、
世界と家族を救うことができるのか!?

【感想】
今回は家族愛というか、
"親"の存在がひとつのテーマになっていて、
子持ちの親御さんは観てもいいなあって思える内容だった。

◆焦点は兄弟よりも親子関係

前作は、突然家にやって来たボス・ベイビーと
ティムのすったもんだの話。
様々なトラブルに見舞われ、
時に対立しながらも、
最後はお互いに兄弟愛が芽生える感動作だった。

あれから25年。
ティムもボス・ベイビーもいい大人になり、
ティムに至っては2人の娘の父親になった。
年頃の長女タビサは、
昔のようにパパに甘えなくなり、
ティムはちょっぴり複雑な気持ち。
子供の成長は親としてうれしいだろうけど、
だんだんと自立していってしまうのは、
やはり寂しさも感じるんだろうなあ。
子供が子供でいる時間というのは思ったよりも短いようで、
その限られた時間の中でどう接していくのか、
いろいろ考える人も多そう。

そこで夢があるなあと思ったのが、
赤ちゃん返りという設定。
ティムはタビサと同じぐらいの年齢まで戻るんだけど、
潜入捜査のために、
タビサのクラスメイトを演じる。
そこで彼女の本心を知り、
サポートする展開というのは、
ファンタジーながらも
親と子のひとつの理想的な接し方だと思った。

◆両親不要論の是非

今回の敵、
アームストロング博士の目的は、
両親を失くすこと。
彼はあることがきっかけで、
あれこれ命令する親なんていらないという考えに至る。
これが、この映画のひとつのテーマで、
「親は必要なのかどうか」ってこと。
確かに優秀さでいったら親を超える子供なんて、
世の中にはたくさんいると思うんだよね。
結局、親が子供よりも勝っているのは、
多く歳を取っている分、
いろんな経験値があることぐらい。
だから、親という理由だけで、
すべてが正しいわけではない。

でも、親が親であるがゆえに提供できるものがひとつだけある。
それが"無償の愛"。
子供にとってそれは何よりも必要なものであり、
それを与えられる親は決していらない存在じゃないよねっていうのが、
この映画のメッセージなのかなあと。

◆過激さは前作以上

内容としてはそういう心温まる感じではあるけれど、
アクションは前作以上のド派手さ。
むしろ、メチャクチャすぎてついていけないぐらいの
しっちゃかめっちゃかだった(笑)
前半のカーアクション(?)や
忍者ベイビーたちによるキュートながらも致死率抜群の攻撃は
なかなかに興奮できるところ。

◆そんなわけで

ハートフルな内容に加えて、
過激なアクションや笑えるギャグもあり、
さらに前作を観ていると涙したりもするので、
家族そろって楽しめる映画だと思いました。
ちなみに、僕は前作の方がスッキリしてて好きです(笑)