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自分の自分による自分のためのブログ。
だったけど、もはや自分の備忘録としての映画やドラマの感想しかないです。

オリジナル版に忠実な上に、ダンスシーンが超絶パワーアップしていて大興奮だった『ウエスト・サイド・ストーリー』

2022年02月11日 22時49分02秒 | 映画
 

【個人的な評価】
2022年日本公開映画で面白かった順位:2/26
   ストーリー:★★★★★
  キャラクター:★★★★★
      映像:★★★★★★★★★★
      音楽:★★★★★★★★★★
映画館で観るべき:★★★★★★★★★★

【ジャンル】
ミュージカル
ラブストーリー

【原作・過去作、元になった出来事】
・ミュージカル
 『ウエスト・サイド物語』(1957)

・映画
 『ウエスト・サイド物語』(1961)

【あらすじ】
夢や成功を求め、
多くの移民たちが暮らすニューヨークのウエスト・サイド。
だが、貧困や差別に不満を募らせた若者たちは、
同胞の仲間と結束し、
各チームの対立は激化していった。

ある日、プエルトリコ系移民で構成された
“シャークス”のリーダーを兄に持つマリア(レイチェル・ゼグラー)は、
対立するヨーロッパ系移民
“ジェッツ”の元リーダーのトニー(アンセル・エルゴート)と出会い、
一瞬で惹かれ合う。

この禁断の愛が、
多くの人々の運命を変えていくことも知らずに…。

【感想】
ミュージカル映画の金字塔!
60年の時を経て、再びスクリーンで!!
元の作品が好きなので、だいぶ色眼鏡ついちゃうけど(笑)

◆オリジナル版に忠実+αのストーリーに大満足

ミュージカル版の初演は1957年。
その後、1961年に映画化されている本作。
今回は、スティーヴン・スピルバーグの手によって、
60年ぶりにリメイクされた。

一応、僕は事前にオリジナル版で復習はしたものの、
その必要がないぐらい、
オリジナル版に忠実なストーリー構成。
長らく観ていなかった人でも、
徐々に記憶を蘇らせることができると思う。

とはいえ、もちろん変更・追加となったシーンもある。
歌とダンスが披露されるタイミングや場所が変わっていたり、
トニーとマリアのエピソードが追加されていたり、
新たな歌もあったりと、
とても楽しめる内容だった。

そのおかげで、
全体的にキャラクターが深掘りされるだけでなく、
彼らの置かれた環境が
オリジナル版よりもわかりやすくなっていたので、
個人的にはかなり好印象!

例えば、オリジナル版は
冒頭でマンハッタンの都市部の空撮映像が流れるのね。
でも、本編の舞台はスラム街っぽいところばかり映され、
スタジオのセット内での撮影も多かったから、
イマイチ舞台設定や時代背景がわかりづらい部分があった。

一方、リメイク版は市街地内でのロケも多い分、
自然な街並みをたくさん観れたので、
彼らの生きる時代の空気感というのをより強く感じることができた。

◆圧巻のダンスシーンに興奮しっぱなし!

今回のリメイク版で一番の見どころは
何と言ってもダンス!!
いやもうね、
本当にすごくてヤバくて熱くて。・゜・(ノД`)・゜・。(語彙力w)。
もちろん、オリジナル版のダンスも素晴らしかったんだけど、
今回のダンスはレベルが違いすぎる!!

全体的に動きがメチャクチャ速い上に、
アクロバティックかってぐらいの派手さがあって!!
それでいて、オリジナル版以上にみんな動きが揃ってるのよ!!
この群舞が最高にかっこよくて!!
特に、ダンスバトルのシーンと
『アメリカ』のシーンが最高だった!!
『アメリカ』なんて、
みんなで街に繰り出してド派手に踊り狂ってて。
しかも、衣装の華やかさとすごくマッチしてるんだよ。
プエルトリコ系の衣装って、
オリジナル版では紫が強くてやや暗い印象だったけど、
今回は黄色やオレンジなど明るい色を基調としてたから、
ものすごく晴れやかだった。

◆ファンならうれしいリタ・モレノの存在

オリジナル版でアニータを演じたリタ・モレノ。
すでに90歳だけど、
今回はヴァレンティナという、
オリジナル版でドクにあたる役で出演している。
アニータは終盤で、
ジェッツのメンバーに襲われるシーンがあるんだけど、
それを止めるのがヴァレンティナ。
リタ・モレノからしたら、
60年前に自分がやった役を助けるってんだから、
なんだか感慨深く感じるよ。

ちなみに、オリジナル版のメインキャストは、
マリア役を演じたナタリー・ウッド以外はまだご存命なので、
どうせならみんな出て欲しかったなあ
(ナタリー・ウッドは1981年に43歳の若さで謎の死を遂げているとか)。

◆そんなわけで

とにかく歌とダンスがものすごくよかったので、
配信なんか待たずに映画館で観て欲しい。
映画館で観るべき映画!

 

簡単に済むはずだった誘拐事件が多くの命が失われる惨劇となった『ファーゴ』

2022年02月11日 14時58分04秒 | 映画

【個人的な評価】
「午前十時の映画祭11」で面白かった順位:19/24
   ストーリー:★★★★☆
  キャラクター:★★★★☆
      映像:★★★☆☆
      音楽:★★★★☆
映画館で観るべき:★★★★☆

【ジャンル】
サスペンス
犯罪映画

【元になった出来事や原作・過去作など】
実際に起こった3つの殺人事件をミックス

【あらすじ】
事業の資金不足に悩む
自動車ディーラーのジェリー(ウィリアム・H・メイシー)は、
自分の妻を偽装誘拐させ、
義父から身代金を引き出そうと考えた。
ジェリーに依頼されたカール(スティーヴ・ブシェミ)と
ゲア(ピーター・ストーメア)は、
妻の誘拐に成功したものの、
逃走中、職務質問をかけてきたパトロール警官を射殺し、
その目撃者までも殺害。

翌朝、女性警察署長マージ(フランシス・マクドーマンド)が
現場検証に訪れるが―。

【感想】
「午前十時の映画祭11」にて。
1996年のアメリカ映画。
町山智浩さんの解説付き。

◆小さな計画がとんでもない事態へと発展していくサスペンス

最初は些細な話だった。
まあ、些細といっても誘拐事件だから、
正しい表現ではないけれど。
お金が必要だったジェリーは、
雇った男たちに妻を誘拐させて、
義父から身代金をもらおうっていう話。
人の命がなくなることなんてないはずだったのに。

誘拐途中に、
車体ナンバーを付け忘れていたことで
警察に呼び止められ、
彼を射殺。
そこをたまたま車で通りかかった
2人の目撃者も射殺。
その後も、
邪魔をする人はどんどん殺されていって。
本当に、
なんでこんなことになってしまったのかわからないぐらい、
人がバンバン死んでいく怖さ。
間違っても、
"ヤバいやつら"とは関わらない方がいい
という教訓になるぐらいだった。

◆フランシス・マクドーマンドの細かな演技に注目

町山さんの解説がなかったら、
そこまで深く考えなそうなところまで知れたのが、
今回の企画上映のよかったところ。

この映画、
主演はフランシス・マクドーマンドで、
彼女が初めてアカデミー主演女優賞を受賞した作品。
とはいえ、彼女が出てくるのは
上映してから30分を過ぎてからで、
ジェリーを演じたウィリアム・H・メイシーの方が
出演時間は長いんだけど(笑)

彼女が演じたマージは、
地元の警察官。
普段、殺人事件なんて起きなそうな
閑静な場所で起きた悲劇。
殺害された死体を見て、
普通なら取り乱しそうなところを、
彼女は淡々とした様子。
吐きそうになったかと思えば、
ただのつわりだったり。
さらに、現場に残された足跡から、
犯人像まで特定。
妊娠中にも関わらず、
冷静に捜査にあたる姿は、
なかなか肝の据わった人物であることが伺える。

そんな彼女の細かい表情が、
この映画の最も重要なシーンを担っていたというから驚き。
彼女は、同級生であった
マイク・ヤナギタという日系人と再会する。
そこで、彼は奥さんと別れたことや、
マージのことが好きだったことを告白するんだけど、
後日、別の友人との電話で、
それがウソだったことが発覚。
本編と何の関係もないし、
なんでこんなシーンを挟んだのか、
僕自身わからなかった。

ここからは町山さんの受け売りになっちゃうんだけど。
ヤナギタの言葉がウソだったと知ってから、
マージは車を運転しながらボーっとした表情をしていて、
突然何かに気づいた顔に変わるのよ。
一瞬のことだし、
小さな変化だから、
よく観てないと気づかないんだけど。

そして、ここが一番の肝。
彼女は運転しながらずっと考えていたんだよ。
こんな普通の人でもウソをつくのかって。
そこでハッとする。
普通の人でもウソをつくなら、
散々話を聞いていたジェリーもウソをついているのではないかと。
そこから一気に話が進んでいく。

今のドラマや映画だと、
刑事や探偵がこれまで得た情報を整理しているシーンって、
特別な演出があるじゃない。
例えば、『99.9 -刑事専門弁護士-』だと、
まつじゅんが耳をふさいでいるとか。
当時はそういう演出がないから、
マージのボーっとした表情が、
何かを考えているんだっていうのも、
ちゃんと観てないとわからない。
むしろ、この演出をした監督がすごいと思うんだけど。

あと、出てくる人はみんなミネソタ訛りらしいんだけど、
英語が聞き取れない自分には、
そんな違いはわからなかった。
なので、東北弁でしゃべってるって思うといいらしい(笑)

◆そんなわけで

今から25年以上前の映画だけど、
だんだんと大ごとになっていくストーリー展開は面白いし、
フランシス・マクドーマンドの演技もすごくよかったのでオススメ。