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自分の自分による自分のためのブログ。
だったけど、もはや自分の備忘録としての映画やドラマの感想しかないです。

モヤモヤしながら心のままに突っ走っちゃう予測不能なラブコメ『愛なのに』

2022年02月26日 23時48分47秒 | 映画

【個人的な評価】
2022年日本公開映画で面白かった順位:12/33
   ストーリー:★★★★☆
  キャラクター:★★★★☆
      映像:★★★☆☆
      音楽:★★★☆☆
映画館で観るべき:★★★☆☆

【ジャンル】
ラブストーリー

【原作・過去作、元になった出来事】
なし

【あらすじ】
古本屋の店主・多田(瀬戸康史)は、
昔のバイト仲間、
一花(さとうほなみ)のことが忘れられない。
その古本屋には、
女子高生・岬(河合優実)が通い、
多田に一途に求婚してくる。

一方、亮介(中島歩)と婚約中の一花。
結婚式の準備に追われる彼女は、
亮介とウェディングプランナーの美樹(向里祐香)が
男女の関係になっていることを知らずにいて…。

【感想】
まず、この映画はある企画から生まれた。
それは、城定秀夫監督と今泉力哉監督による
コラボレーション企画「L/R15」。
両者が脚本を提供し、
R15+指定のラブストーリーとなる劇場映画を監督し合うというもの。
本作は「L/R」のうちのLと位置づけられている。

この映画は、男女の関係性について
何かが解決したり完結したりする話じゃないと思うんだよね。
出てくる登場人物の関わり合いについて、
「わかるぅ」と思ったり「わっかんねぇな」と思ったり、
あーだこーだ語り合う余白のある内容な気がしてる。

◆身近で起こる男女のもつれ合いに興味津々

あまりにも近いところでいろいろ起こりすぎて、
かつてのトレンディドラマを思い出しちゃうのが
この映画の特徴かな。
古本屋の店主である多田に求婚しまくる女子高生・岬。
交際をすっ飛ばして求婚ってところがぶっ飛んでるけど。

でも、多田はかつて好きだった一花のことを引きずっていて、
岬の気持ちに応えられず。
そもそも、15個も歳が離れているし。
正常な大人なら一歩立ち止まるのが普通かと。
とはいえ、完全に突き放さないところに、
彼の優しさと同時に、
若干の下心もあるんじゃないかって気もする(笑)

多田が想いを残す一花は、
亮介との結婚を控えているけど、
彼の浮気をきっかけにまさかすぎる行動へ。
しかも、亮介の浮気相手である美樹が、
2人の式を取り持つウェディングプランナーっていうね。
美樹はどんな気持ちで、
普段2人の式の相談に乗っているんだろうか。
すべてをビジネスライクに捉えていそうなので、
ある意味一番信頼できるとも言えるけど(笑)
こうやって、普通ならモラルとしてありえない状況が
平然と行われている様は、
それだけで魅力的な物語になっているなと感じた。

◆肉体的充足と精神的充足のせめぎ合い

一花は亮介の浮気を知って、
「自分も同じことをする」と宣言。
その相手に選んだのが、多田。
これまで、多田のエピソードと一花のエピソードは
並行して進んでいたのだけど、
ここでクロスするんだよ。
まあ、当てつけセックスをしてやろうってことなんだけど、
多田からしたら複雑な気持ちだよね。
そりゃ男として、
かつて想いを寄せていた女性と寝られるんなら、
それはそれでうれしい気持ちもありつつ、
後腐れないどうでもいい相手として選ばれたっていうことは、
彼女が自分のことを大して重要視してなかったということ。
これは悲しいよ。
自分の存在を全否定された気持ちになるじゃんか。

ただ、この出来事がきっかけで、
ものすごい変化が起こってしまうのが面白い。
多田と一花だけでなく、
岬との向き合い方も変わる。
肉体的な結びつきと、
精神的な結びつき、
両方について考えさせられる。
ここはぜひ劇場で確かめて欲しいところ。

個人的には、
結局一番おいしいのは多田じゃんって思うんだけどね。
身も心もおいしくいただきやがって!って(笑)

◆そんなわけで

真面目で大人なラブストーリーを主軸に、
ちょいちょいクスッと笑える要素を含んだ本作。
男女で感想も異なりそうだし、
誰の視点で捉えるかによっても正義が変わりそう。
タイトル通り、
「愛とは何なのか」
ってことを考えるきっかけになるかも。
とりあえず、"身体的コミュニケーション"のうまさは、
人生を変えうるってことだけはわかった(笑)