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自分の自分による自分のためのブログ。
だったけど、もはや自分の備忘録としての映画やドラマの感想しかないです。

性別を超越したラブストーリー『窮鼠はチーズの夢を見る』

2020年09月17日 00時15分55秒 | 映画


【基本情報】
製作年:2020年
製作国:日本
 配給:ファントム・フィルム

【個人的順位】
鑑賞した2020年日本公開映画ランキング:77/124
 ストーリー:★★★☆☆
キャラクター:★★★★☆
    映像:★★★☆☆
    音楽:★★★☆☆

【あらすじ】
結婚し、仕事も順調に進んでいた大伴恭一(大倉忠義)。
しかし、彼は妻の依頼で興信所から浮気調査をされていた。
その担当が大学時代の後輩である今ヶ瀬渉(成田凌)。

7年ぶりに再会するも、調査結果を誤魔化す代わりに2人の関係が始まっていく。
最初は戸惑う恭一だったが、今ヶ瀬のまっすぐな想いに徐々に心が開き始める。

しかし、突然恭一の元恋人である夏生(さとうほなみ)が現れたことでその関係性に変化が生じる。

【感想】
これ男が観てどうなんだろうなーって思ってたんだけど、意外といけた。

まあ、絵面的としてはね、恋愛対象が女性の僕からしたら、
男同士でチュッパチュパしてるのに萌えることはないんだけど、
そうは言ってもこの映画、けっこう性別を超越してたんだよ。

成田凌の醸し出す女性感が秀逸で、
あれが男同士の絡みを絶妙に男女の絡みっぽく見せるから、
いわゆるゲイっていう雰囲気がなかったんだよ。

だから、普通に男女の物語のようにも感じられるし、
むしろ性別とかはもはや意味を成さず、
ただ愛と恋がそこにあるっていう印象さえ受ける。

その女性っぽさは絡みのシーンだけでなく、
彼の言動にもよく表れていて、
相手を好きすぎるがゆえに自壊してしまうところは切なかった。

自分から好きになったのに、
自分の思った通りにならなくて嫌になってしまうっていう。
これ、『愛していると言ってくれ』の常盤貴子も同じだったなって思ったけど。

大倉忠義は、女は食うのに男からは食われる立場で、
最初は嫌がっていたのにだんだん身も心も許してきちゃうってのが
漫画みたいな展開だったわ(笑)

いやでも、この映画、よくよく考えると彼のモテ伝説みたいなところはあって。
程度の差こそあれ、2時間という尺の中で5人と何かしらあるからね。
2時間って5人って。
イケメンだといけちゃうんだって。
ネイティブリア充かって。

まあ、そんなことはさておき、
この映画の見どころとしてはやっぱり濡れ場の体当たり演技かな。
女性で、特に2人のファンからしたらやっぱり萌えポイントなのだろうか。
ローション使って云々っていうのがリアルで、
松坂桃李の『娼年』を彷彿とさせる激しさ。
ジャニーズがあそこまで体当たりするっていうのがびっくりだった。

もしこれが、いわゆる短髪でヒゲのゴリマッチョだと、
けっこう観客を選ぶ形になりそうなんだけど、
今作は2人とも細身で綺麗な顔してるから、
かなり和らいだかと(笑)

ただ、恋愛映画として観たらアリだとは思うものの、
正直、同じ男からしたら、
男同士ってところの受け入れ難さみたいなのは拭えなかったかなあ。

男女でかなり見方は変わりそう。

映画『窮鼠はチーズの夢を見る』公式サイト

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まさかのお金との付き合い方を提示してくれる『おカネの切れ目が恋のはじまり』:第1話

2020年09月16日 10時29分06秒 | ドラマ
これは面白い!
現代人はみんな観た方がいい!

極貧しく正しく生きる九鬼玲子(松岡茉優)と
親が金持ちなのをいいことに尋常じゃない浪費癖の
猿渡慶太(三浦春馬)によるマネードラマ。

昨今、老後に2000万必要だとか、若年層の貧困が増えているだとか、
お金にまつわるいろんな記事を目にするけど、
まさにそのお金にまつわる話を面白おかしく描きながらも、
きちんと向き合っていくことを提示しているのが興味深い。

2人が務めるのはおもちゃメーカー。
出張で776万円も使った慶太は経理部への異動を命じられ、
そこで玲子からいろいろ指南を受けるのだけど、
玲子の細かく正しいお金の管理の仕方に感銘を受ける反面、
慶太のノリでバーンと使っちゃうところに耳が痛くなるっていう、
いろんな人に共感されやすい部分がある。

大して計算もできない慶太が、第1話のラストで、
玲子からもらったおこづかい帳に、
かけそば180円を記入するところなんか、
早速成長の兆しが見られて、今後の展開が楽しみになってくる。

さらに、このドラマの期待すべきところはもうひとつあって。
それは、清く正しいお金の使い方をしていると思われた玲子なんだけど、
実は彼女には貢ぎ癖があって、、、というオチまでついてるときた!

本当に面白くなりそうなドラマなんだけど、
未だに信じられないよ、三浦春馬が亡くなったことが。
あんなにいい演技しているのに、
もうこの世にはいないってことが本当に信じられない。

TBSテレビ「火曜ドラマ『おカネの切れ目が恋のはじまり』」

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TBSテレビ

 

ハードボイルドな世界観に兄妹愛の哀愁が染みた『竜の道 二つの顔の復讐者』

2020年09月15日 23時58分03秒 | ドラマ
最終回メッチャよかった。。。

霧島源平(遠藤憲一)に対する
矢端竜一(玉木宏)と矢端竜二(高橋一生)の
23年越しの復讐劇だけど、
ラストが総力戦すぎて面白かったわ。

表の世界を竜二が、裏の世界を竜一が渡り歩き、
スマートな方法で地道に相手を追い詰めていくから、
正直、途中刺激が少ないかなーなんて思ってたんだけど、
終盤の畳みかけは興奮した。

で、最終回で一番泣けたのはあそこだよね。
竜一が妹の吉江美佐(松本穂香)のほっぺをぷにーってつねるところ。

竜一は顔を変えて正体をずっと隠してたんだけど、
そのほっぺをつねるのって、昔まだ兄妹3人で仲良く暮らしてたときに、
竜一が美佐にやってたやつでさ、
口では言わないけど正体明かしてるようなもんなんだよね。

そこがもう「お兄ちゃーん!」って感じで涙出てきた。。。

でも、今回このドラマで印象深かった人って、
悪役がハマりすぎてた遠藤憲一もそうなんだけど、
やっぱり一番はその娘を演じた松本まりかでしょ。

あんなタカビーで性格悪くて心が冷たくて、
この人本当に『FF10』でリュックやった人か?!って(笑)

あのキャラクターが一番コミカルというか、振り切っててよかったなー。
やっぱり怪演キャラは1ドラマに1人は欲しい。

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フジテレビ

 

新たな青春の形だった『親バカ青春白書』

2020年09月14日 14時30分35秒 | ドラマ
あー、これマジ毎週笑ってたなー。
ここ最近で一番笑ったドラマだった。
『半沢直樹』に次いで好き。

娘がかわいすぎるがゆえにお父さんも娘と同じ大学に入学しちゃう
っていう設定も秀逸ながら、相変わらずの福田節で笑わせてくれるwww
あの絶妙な間の取り方とかコミカルな言動とかいちいちおかしかったwww

中でもムロツヨシ演じる小比賀太郎(ガタロー)は
娘のデートにもくっついてくる始末で、
キュートながらも「マジで邪魔www」と何度思ったことか!

でも、ただ娘想いの父親ってだけじゃないのが彼のいいところ。
亡くなった妻を愛し続ける一途で誠実なところもあるし、
根来恭介(戸塚純貴)が一発屋のYouTuberとしてバカにされたときは
「一発も当ててないやつが一発屋をバカにすんじゃねえ!」と怒り、
衛藤美咲(小野花梨)が元カレに付き纏われていたときは必死でかばうなど、
すごく仲間想いの熱い人なんだよ。・゜・(ノД`)・゜・。

このドラマはどのキャラも濃かったけど、
やっぱりガタローが一番好きだったなー。

一度は通り過ぎた青春を、二度と戻らないはずの青春を、
再びおじさんに味わわせてくれるのが心地よかった。

あと、永野芽郁が『鬼滅の刃』の竈門禰󠄀豆子のコスプレしてたのは似合ってたし、
『今日から俺は!!劇場版』から様々なキャラがゲスト出演してたのもツボ(笑)

親バカ青春白書

「娘が大好きすぎて、娘と同じ大学の同級生になっちゃいました!!」福田雄一が手掛ける日本一バカで可愛い父娘の青春ホームコメディ!父役をムロツヨ...

日本テレビ

 

設定はすごくいいのにいろいろB級ホラー感漂っている『妖怪人間ベラ』

2020年09月13日 22時23分37秒 | 映画


【基本情報】
製作年:2020年
製作国:日本
 配給:DLE

【個人的順位】
鑑賞した2020年日本公開映画ランキング:81/123
 ストーリー:★★★☆☆
キャラクター:★★★★☆
    映像:★★☆☆☆
    音楽:★★☆☆☆

【あらすじ】
広告代理店に勤める新田康介(森崎ウィン)は
『妖怪人間ベム』のDVD-BOXの仕事の関係で、
偶然にも幻の最終回を目にしてしまう。
その衝撃の結末に狂いそうになる新田だが、
同時にベラに異様な興味を示す。

ちょうどその頃、とある女子高に百合ヶ崎ベラ(emma)が転校してくる。
彼女の独特な美貌に興味を抱いた同級生たちの精神は
得体のしれない狂気に蝕まれていく。

執拗にベラを追う新田も徐々に狂気的な行動が目立つようになっていき、
家族との間にも不穏な空気が流れるように。
そしていつしか"強さ"を求めるようになっていく。

やがて訪れる新田とベラとの出会い。
2人の運命はどうなっていくのか。

【感想】
1968年に放送された伝説的アニメ『妖怪人間ベム』シリーズの最新作。
2011年に亀梨和也主演でドラマ化・映画化されていたけど、
アニメ共々観てないんだよね。
でも大丈夫。
これは完全に新作で特に話がつながっているわけではないから。

しかし、なんか惜しい。。。
惜しい映画だった。。。

かつて生物兵器の実験場から逃げ出したベラが、
女子高生として生活しているっていう現代的な設定は面白いし、
ベラを演じたemmaのいい意味で常人離れした顔立ちもベラにマッチしてた。

ベム・ベラ・ベロに起こった過去も悲しみが深くて、
いい人間ドラマになりそうな感じだった。

ただ、気になる点が多くてね。。。

まず、もともとの世界観に腹落ちできず(笑)
『妖怪人間ベム』のアニメは存在していて、
それでいて妖怪人間たちも実在しているっていう。
例えば、妖怪人間が都市伝説としてあって、
それを元にアニメを制作したとかっていう繋がりがあるならだましも、
特にそういうのがないから、
虚構と現実のバランスが何かしっくりこなかった。

次に、新田の行動。
彼は幻の最終回を観たことでベラに興味を示し、
彼女を追っていく過程で精神に異常をきたすのだけど、
その理由がいまいちわからない。
「強くなりたかった」って言ってるけど、
そうなる背景も語られていないから、
唐突感しかなくて共感できず。
せめて、家族が暴漢に襲われて
それを守り切れなかったことを悔やんでいる
みたいな設定がひとつでもあれば違ったかも。

そして、B級ホラー並みの演出。
「どう考えてもそうはならないだろw」
っていうレベルでの殺傷・殺人行為がわざとらしすぎて笑ってしまう(笑)
無理矢理スプラッター感を入れ込んだ印象しかない。

あと、プレステ2のゲーム並みのCGクオリティがね。。。(笑)
妖怪化したキャラクターのCGが
実写と組み合わせるにはかなりクオリティが低くて、
これもちょっと笑っちゃった(笑)
ここは変にCGにするのではなく、
かつてのドラマ版みたいに
着ぐるみにした方がまだよかったんじゃないかな。。。

でも、精神が崩壊した森崎ウィンの演技は圧巻だったし、
それ以上に桜田ひよりのイカれた役が衝撃的なのがよかった。

彼女はこれまでのドラマや映画を観る限りは、
ごくごく普通のかわいい女子学生の役が多かったんだけど、
今回は同級生に歪んだ愛情を持つ役で、
猟奇的な殺人シーンをはじめとした数々の問題行動は見ものだった。
ただ、彼女の行く末が宙ぶらりんのまま終わってしまったのは残念。

総合すると、設定自体はよかったしキャストの演技も素晴らしかったけど、
話のつながりや演出で気になるところが多すぎたのがもったいなかったなーって。

シンプルにベラが学校のトラブルに対峙していくような話の方が
面白そうだなって思ったんだけど、
まさにそんな感じのドラマがこの映画の前日譚を描いた
『妖怪人間ベラ~Episode0(ゼロ)~』として配信されていて!

映画観た後にこのドラマの存在を知って今観てるんだけど、
女子高生の闇全開でみんなイっちゃっててすんごく面白いわ
(かなりグロいけどw)。

これはドラマと映画をセットで観た方がいいね。

映画『妖怪人間ベラ』公式サイト 2020年9月11日(金)池袋HUMAXシネマズ、渋谷HUMAXシネマほか 全国順次ロードショー

映画『妖怪人間ベラ』公式サイト 2020年9月11日(金)池袋HUMAXシネマズ、渋谷HUMAXシネマほか 全国順次ロードショー

映画『妖怪人間ベラ』公式サイト

 

新しい凸凹コンビに期待な『キワドい2人-K2- 池袋署刑事課神崎・黒木』:第1話

2020年09月12日 12時32分58秒 | ドラマ


『MIU404』の後もまた刑事モノだしタイトル長いし、、、
って思ったんだけど、まさかのド人情モノ(笑)

凸凹コンビって構図は変わらないのだけど、
神崎隆一(山田涼介)がとにかく人の話を聞き、
優しくアドバイスするという教師やカウンセラーみたいな役まわりなのが特徴。
人の話聞いて本人よりも泣いちゃうほど涙もろいのがウケるw

逆に黒木賢司(田中圭)は適当でガサツ。
いやもう田中圭とか『アンサング・シンデレラ』の
瀬野さんと180度違うキャラじゃないかって思うけど、
ちょっと『刑事ゆがみ』のときの浅野忠信に近しいものを感じるw

で、その2人が異母兄弟って設定だけど、これがどう活きてくるかなー。
父親役の椎名桔平がやらかしてくれそうなのが楽しみ(笑)

タイトルに「池袋」ってあるように、
第1話は池袋まわりのシーンが多かったけど、
今後もそうなのかなw

金曜ドラマ『キワドい2人-K2- 池袋署刑事課神崎・黒木』|TBSテレビ

TBS「金曜ドラマ『キワドい2人-K2- 池袋署刑事課神崎・黒木』」の番組情報ページです。

TBSテレビ

 

日本の運命を変えた『ミッドウェイ』

2020年09月11日 21時56分49秒 | 映画


【基本情報】
 原題:Midway
製作年:2019年
製作国:アメリカ
 配給:キノフィルムズ

【個人的順位】
鑑賞した2020年日本公開映画ランキング:17/122
 ストーリー:★★★★☆
キャラクター:★★★☆☆
    映像:★★★★★★★★★★
    音楽:★★★☆☆

【あらすじ】
1941年12月7日、日本軍は山本五十六(豊川悦司)の命により、
ハワイの真珠湾に攻撃を仕掛ける。

大打撃を受けたアメリカ側は、その反省から日本軍の情報収集に注力し、
次なる目的地をハワイ諸島北西のミッドウェイ島と分析し、
全戦力を集中した逆襲に勝負をかける。

そしてついに、空中・海上・海中のすべてが戦場となる
3日間の壮絶な戦いが幕を開ける。

【感想】
これは日本人として絶対に観ておいた方がいい映画だと思う。
第二次世界大戦における日米の激しい攻防の中、
それまで優勢だった日本軍が一気に形勢逆転された運命の戦い。

ストーリー云々よりは、歴史的事実としての意義や
戦闘シーンの臨場感の方が目立つけど、
だからこそ映画館で観るに適した作品だ。

過去にミッドウェイ海戦を扱った映画は実はけっこうあって、
あの三船敏郎が出演しているものもあるけれど、
残念ながら僕はどれも観ておらず。
なので比較はできないけれど、本作はそのミッドウェイ海戦を
日米両国の視点から描いた作品となっている。

日米両国の視点とはあるものの、
個人的にはアメリカ寄りだなとは感じた(笑)
使われているシーンの多さもそうだし、日本人の登場人物は淡々と描かれているし、
何よりもアメリカが勝ってるからね、、、
彼らの美談のように見えてしまう部分はある。

本作では真珠湾攻撃から始まり、
ドーリットル空襲(アメリカによる初の空襲で東京大空襲とは別)、
そしてミッドウェイ海戦の3つの出来事が描かれているのだけど、
とにかく映像がすごい。

昨年、『アルキメデスの大戦』を観たとき、
あまりにも迫力ある映像に「ついに邦画もここまで来たか!」と唸ったものだけれど、
本作は優にそれを超えていて、レベチってこういうことかと思った。

一番すごかったのは、
巨大な空母やおびただしい数の戦闘機による総力戦が行われる中、
飛び交う弾の数のとんでもなさだよ。
シューティングゲームである"弾幕"、まさにあのまんまで、
一発でも当たったら致命的な弾が雨のように降り注ぐ中、
よくパイロットたちは突っ込んでいけるなと。。。

僕は序盤の真珠湾攻撃が特に印象的だと感じたんだけど、
これ普通に民家から見える距離に停泊していた戦艦が悉く破壊されていくんだよね。
それを見たときのアメリカの民間人ってどんな気持ちだったんだろうって。
みんなの期待が集まる米軍の戦艦が目の前で潰されるって、
精神的ダメージ大きいんじゃないかな。。。

また、アメリカ軍が日本軍にメッチャビビってる描写にも驚いた。
今だとね、エンタメにしろビジネスにしろ
アメリカの方が進んでいるイメージが強いじゃない。
さらに、ハリウッドの軍事モノの映画を観ると、
屈強な男たちが眩しいぐらいの自信で「俺らが最強だ!」
なんて言ってるのをよく目にするから、
そんな先進的かつ強いアメリカ人たちが
「日本軍は無敵だ」「日本軍に勝てるのか」って言ってて、
こんな小さな島国が大国をここまでビビらせるなんて、
そんなに強かったんだっていう意外さがあった。

僕がこの映画を観て一番強く思ったのは、
本当に日本とアメリカって命の取り合いをしていたんだ
っていう信じられなさと悲しさかな。
何をいまさらって感じだけど、
これまで戦争映画を観ても他人事だと思ってた
(日本が関わっていないものだと余計に)。

でも、これは自分たちの国が当事者であるっていうのと、
戦争世代があと10~20年したらみんないなくなってしまうって考えたら、
急に当時の人たちに想いを馳せるようになって。

以前、父方のひいじーちゃんが書いた日記を見つけて、
「一郎(じーちゃん)が戦地へ行ってしまい会えなくて妻と共に泣いた」
って書いてあるのを読んだってのも大きいかなー。
なんかこういう映画を観て、
昔とは違う感じ方をするようになった気がするよ。

映画『ミッドウェイ』公式サイト|9.11(金)全国公開

映画『ミッドウェイ』勝者も、敗者も、海に全てを捧げた。全米興行収入初登場No.1!『インデペンデンス・デイ』ローランド・エメリッヒ監督が、2...

映画『ミッドウェイ』公式サイト|9.11(金)全国公開

 

今年一番のバッドエンド『赤い闇 スターリンの冷たい大地で』

2020年09月10日 23時49分53秒 | 映画


【基本情報】
 原題:Mr.Jones
製作年:2019年
製作国:ポーランド・イギリス・ウクライナ合作
 配給:ハピネット

【個人的順位】
鑑賞した2020年日本公開映画ランキング:76/121
 ストーリー:★★★★☆
キャラクター:★★★☆☆
    映像:★★★☆☆
    音楽:★★★☆☆

【あらすじ】
ヒトラーに取材した経験を持つ英国人記者
ガレス・ジョーンズ(ジェームズ・ノートン)は
ある大きな疑問を持っていた。
世界恐慌の真っ只中なのに、
なぜスターリンが統治するソビエト連邦だけが繁栄しているのか。

その謎を解くために単身モスクワを訪れたジョーンズは、
外国人記者を監視する当局の目をかいくぐり、
答えが隠されているというウクライナへと向かう。

寒さに覆われたウクライナでジョーンズが目の当たりにしたのは、
想像を絶する悪夢のような光景だった。

【感想】
これは、、、映画そのものの面白さよりも、
歴史的事実として目を向けるべき内容だと思った。。。
国家の闇であり、今年観た映画の中で一番のバッドエンド。
歴史的な映画に興味がある人は観てみるとよいかも。

恥ずかしながら、僕はこの史実を知らなかったのだけれど、
"ホロドモール"と呼ばれるウクライナ人が住む地域で起きた人工的な大飢饉は、
「アルメニア人虐殺、ホロコースト、ポル・ポト派による虐殺、
 ルワンダ虐殺等と並んで20世紀の最大の悲劇の一つ」(ウィキより)
と言われている。

作中ではこの飢饉自体についてはそこまで詳細には語られていない。
なので、ざっとまとめると以下のような出来事だ。

ソ連にとってウクライナから収穫される小麦は貴重な財源であり、
とにかくたくさん作らせた。
ウクライナって肥沃な土地らしいんだけど、
それでも達成が困難なほどのノルマを課せられ、
それは凶作により生産量が減少しても変わらなかったそう。

だから、ウクライナに住む人々にとっては
自分たちが食べるものもなくなり、
木の皮や人間の死体まで口にする始末。
通りには死体が転がり、所々山積みにされ、死臭も漂っていたようだ。

こんな状況にも関わらず、
ソ連は一向に飢饉の事実を認めようとしない。
五カ年計画を遂行していく中でそんなことが明るみになったら
国家としての面目を保てなくなるから。

ウクライナに潜り込んだジョーンズは散々な目に遭うけれど、
最終的にはこの事実を世間に公表。
ただ、ソ連がそれをを認めたのは
1980年代になってからのことだったのだ。。。

そして、ジョーンズ自身は別の取材で
満州を訪れた際に悲劇に見舞われることになる。
正義が悉く握りつぶされ、
悪が勝つとはこういうことを言うのだろう。
悲しくなったよ。。。

誰かの平和は誰かの犠牲の上に成り立っているんだと、
この映画を観て強く思う。
しかし、人あっての国家なのに、
外交的な面目を保つために多くの人の命を奪ったこの大飢饉、
主導したスターリンの罪は大きい。
学説によって違いがありすぎるけど、
犠牲者の数は250万~1450万人とか。

そんなことをしてしまうスターリンって
どんな人物なのかっても気になる。
ウィキペディアしか見てないけど、
貧困層の出身で低身長や幼い頃の病気や
ケガによる見た目へのコンプレックスなど、
とにかく劣等感が強かったそうで、
それゆえに権力欲、顕示欲が凄まじかったらしい。

さらに、人間不信で残忍な性格というまさに悪の帝王感あるけれど、
外部からの訪問者に対しては謙虚で他人を持ち上げるなど
好感を持たれることもあったそう。
ますます、掴めない人物だ。。。(笑)

なお、今生きている彼の孫娘が
まさかのクリス・エヴァンスという名前
(マーベルのあの人じゃないよw)。

映画『赤い闇 スターリンの冷たい大地で』公式サイト

933年大戦間期、若き英国人記者が目撃したソビエト連邦の“偽りの繁栄”名もなき者が命を懸けて暴きたかった、戦慄の実話! 世界恐慌の嵐が吹き荒...

映画『赤い闇 スターリンの冷たい大地で』公式サイト

 

誰もが"あの頃"を思い出す『mid90s ミッドナインティーズ』

2020年09月07日 23時19分01秒 | 映画


【基本情報】
 原題:Mid90s
製作年:2018年
製作国:アメリカ
 配給:トランスフォーマー

【個人的順位】
鑑賞した2020年日本公開映画ランキング:30/120
 ストーリー:★★★☆☆
キャラクター:★★★★☆
    映像:★★★★☆
    音楽:★★★★☆

【あらすじ】
1990年代半ばのロサンゼルス。
13歳のスティーヴィー(サニー・スリッチ)は
兄のイアン(ルーカス・ヘッジズ)、
母のダブニー(キャサリン・ウォーターストン)と暮らしている。

小柄なスティーヴィーは力の強い兄にいじめられても全く歯が立たず、
いつかは見返してやりたいと願っていた。

そんなある日、スティーヴィーは街のスケートボード・ショップに
出入りする少年たちに興味を持つ。
彼らは驚くほど自由でかっこよく、
憧れのような気持ちでそのグループに近づく。

次第に彼らとも打ち解けるようになり、
これまで体験したことのなかった世界へ足を踏み入れるスティーヴィー。
彼の大人への階段を上る日々が始まる。

【感想】
俳優のジョナ・ヒルが初監督・脚本を手掛けた映画。
彼が少年時代を過ごした1990年代半ばのロサンゼルスが舞台になっていて、
彼の半自伝的な要素も入っている。

1990年代半ばで13歳という時点で、
この主人公の少年は僕とほぼ同じ年だということがわかる。
(現に監督は1983年生まれと1歳違いだ)

僕と年齢が近い人や90年代にノスタルジーを感じる人なら楽しめるかもしれない。
なぜなら、僕とは生まれた国も違うし育っている環境も全然違うのに、
とてつもなく懐かしい気持ちにさせてくれるからだ。

90年代という時代がそう思わせるのか、
それとも13歳という多感な年齢がそう思わせるのかはわからない。
しかし、男なら共感できるポイントは大いにある。

小・中学生の頃って、ちょっと年上のお兄さんお姉さんに
憧れたり構って欲しいときがあるんだよね。
僕は第一子かつ長男だったので家庭ではそれはかなわなかったし、
学校が遠かったので地元にそういう人もいなかった。

でも、学校の上級生だったり、教育実習生だったり、親戚のお兄さんだったり、
親ほど歳が離れていない年上の人といっしょに遊びたい欲があったのは覚えている。

作中のスティーヴィーは、地元のちょっとヤンチャなスケボーグループに入るんだけど、
そこで大人の階段を上り始める。
初めてのお酒、初めてのタバコ、初めてのクスリ、初めての女性。
まだあどけなさの残るスティーヴィーが少しずつ大人の味を占めていく過程は、
褒められたものではないにせよ微笑ましく感じる。

僕のまわりにはそういうグループに該当するものはなかったし、
悪そうなヤツらも大体友達にはなれなかったので、
日本に同様の環境があるかはわからないけど、
多分当時だと渋谷とか池袋にたむろしていた人たちが近しい存在なんじゃないかなー。

そして、この映画は設定が90年代半ばということもあって、
当時の雰囲気と感覚を再現するため
全編16mmフィルムで撮影されたというこだわりも見どころだ。
映像のアスペクト比や色調などもレトロに仕上がっているのが
さらに懐かしさを後押ししてくれる。

また、この映画では使用されている音楽もいい。
ニルヴァーナ、ピクシーズ、モリッシーなど当時のヒット曲が目白押しだ。
僕は洋楽を聴かないので、正直どれも聴いたことがなかったのだけれど、
そんな僕でも映画の世界観とマッチしているというのは感覚でわかった。

今回、主人公のスティーヴィーを演じたサニー・スリッチは
15歳にしてプロのスケートボーダーかつ俳優。
彼の整いすぎた顔立ちとピーター・オトゥールを思わせる目の青さは
まさに美少年と呼ぶにふさわしいビジュアルだった。

そして、兄役を演じたルーカス・ヘッジズ。
彼もこういう青春系の映画ではよく見かけるけど、
毎回いい演技を見せてくれる。

大きな目的とかドラマチックな展開とか、
そういうのがあるわけではないけれど、
90年代半ばを生きた多感な年頃の少年の青春物語は妙に心地よい。

Mid90s - Official Site - 9.4 Roadshow

映画『mid90s ミッドナインティーズ』オフィシャルサイト|9月4日(金)公開 『ミッドサマー』『レディ・バード』のA24が贈る90年代へ...

 

ゆるさの中にシリアスさも混じっていた『未満警察 ミッドナイトランナー』

2020年09月06日 22時00分59秒 | ドラマ
ラストがまさかあんな感じで終わるとは。。。

ジャニーズの人気グループの2人が揃って出演しているから、
若者キャイキャイ物語かと思いきや、
意外にもハードボイルドな展開で、
最終回なんかは心苦しさを残す終わり方だったから、
けっこう印象に残るドラマだったなー。

基本的には1話〜2話でひとつのエピソードが終わる形だけど、
最終回に至るエピソードに関しては第6話からはじまっていたから、
かなり早い段階から伏線張ってたなと思った。

しかも、真犯人のヒントが第1話の女の子から得られるという、
全話観ている身からしたら、だいぶ遡ったなって感じw

その第1話は、北九州監禁殺人事件をモチーフにしたんじゃないか
ってぐらい似通った話だったので、
けっこう暗く重い雰囲気を想定してたけど、
全体的には日テレ土曜22時枠っぽい柔らかさがあって、
もし今小学生だったらもっとハマっていたかもしれない。

そう、かつての『銀狼怪奇ファイル』とか『透明人間』のようにw

警察学校の生徒ってこともあって、基本は若さあふれる空気はあるんだけど、
いくら主人公とはいえ、中島健人と平野紫耀だけが異様にフォーカスされてて、
他の警察学校の生徒があんまり目立ってなかったのはちょっと残念かな。

葉山奨之とか他のドラマではもっと存在感出てるのに、
今回はあんまり出番がなかったような。

大幡しえりも好きな女優さんだけど、設定こそ重要だったものの、
人物自体はあまり深掘りされていなかったから物足りなさはある。

彼女自身のエピソードがもっと多ければ、最終回は泣いていただろうなー。

未満警察 ミッドナイトランナー|日本テレビ

日本テレビ土曜ドラマ「未満警察 ミッドナイトランナー」公式サイト。中島健人と平野紫耀がW主演!!警察未満の二人が難事件に挑む!予測不能なフル...

日本テレビ

 

人物の深掘りが秀逸だった『MIU404』

2020年09月06日 21時57分10秒 | ドラマ
これもいいドラマだったね。

猪突猛進な伊吹葵(綾野剛)と志摩一未(星野源)がバディの刑事モノだったけど、
野木亜紀子脚本というだけあって、どのエピソードも面白かった。
(ちなみに2人共1984年生まれという設定なので、僕と同い年w)

このドラマは第4機捜のメンバーも個性的でよかったんだけど、
犯人役の人たちの背景が特にリアルで。

1話のあおり運転
2話のパワハラ問題
3話のいたずら通報
4話の風俗落ちした女性の闇
5話の外国人留学生
7話のコンテナ生活者
8話のひき逃げ
6話は志摩の過去、9話〜11話はラスボス討伐に向けての話なのでちょっと違うけど、
身近にありそうなことが題材になっているのがある意味怖い。

中でも第4話の美村里江がつぶやいた
「現金もらった政治家も賄賂もらった役人も起訴されないんだって。
 金持ちの世界、どうなってんの。私なんて手取り14万円で働いているのに。草。」
ってのは心に残るし、第8話で元刑事だった小日向文世が、
妻を殺された復讐に犯人を殺してしまうエピソードなんかは涙モノ。

人物描写がうまくて、キャラクターがすごく活きているから、
物語が終わった後もみんなどこかにいそうな感じなのがこのドラマの魅力。

あと、刑事にしてはめずらしい伊吹と志摩のファッションがかっこよかったのと、
『アンナチュラル』とコラボレーションしてるのも個人的には好きだった。

でも、一番驚いたのは第1話で認知症のおばあちゃんを演じたのが平野文だったこと。
まさかラムちゃんが、、、(笑)

金曜ドラマ『MIU404』

TBSテレビ:金曜ドラマ『MIU404』の公式サイトです。

TBSテレビ

 

ディズニー映画よりも中国映画だった『ムーラン』

2020年09月04日 23時19分41秒 | 映画


【基本情報】
 原題:Mulan
製作年:2020年
製作国:アメリカ
 配給:ウォルト・ディズニー・スタジオ・モーション・ピクチャーズ

【個人的順位】
鑑賞した2020年日本公開映画ランキング:17/119
 ストーリー:★★★★☆
キャラクター:★★★☆☆
    映像:★★★★★
    音楽:★★★☆☆

【あらすじ】
国家の命運をかけた戦いを前に、
すべての家族から男性を一人、
兵士として差し出す命令が下る。

ファ家には息子がおらず、男性は体調の悪い父親のみ。
娘のムーランは父親を守るため、男性と偽って戦地へ赴く。

ファ家の守り神である"不死鳥"に見守られながら、
やがてムーランは戦士としての才能を開花させていくも、
嘘をついている罪悪感が日に日に大きくなっていく。

上官や仲間たちとの絆や、敵軍に仕える美しき魔女との宿命の出会いを経て、
「本当の自分」と「偽りの自分」の間で葛藤する彼女が最後に下す決断とは。

【感想】
全世界待望の実写版『ムーラン』、本日から配信開始。
予告の時点でメッチャ楽しみで、
ディズニーならやってくれるだろうと、
これは今年公開の映画で1位の面白さだろうと、
首をなが~~~くして待っていたわけ。

でも、実際に観てみたら、、、
あれ、、、これは、、、ちょっと、、、という(笑)
オリジナル版は絵が好きじゃなくてずっとスルーしてて、
本日未明に予習を兼ねて初めて観たんだけど、
僕はオリジナル版の方が断然好きだったなー。

なんというか、実写版はディズニー映画じゃなくて
普通の中国映画って感じだった。
ミュージカル要素やコミカルな部分はなくなって、
割と真面目なアクション映画になっちゃってて。

もちろんストーリー自体はオリジナル版と大差ないけれど、
出てくるキャラクターはけっこう変わってて、
これまで実写化された『シンデレラ』、『美女と野獣』、
『アラジン』なんかと比べると、かなりアレンジが入ってる。

それをよしとするかなしとするかは好みに寄るところが大きいけど、
ディズニー映画ってテンポのよさと話のわかりやすさを前提として、
コミカルなキャラクターに圧倒的な映像美によるミュージカル要素がウリだと思うんだけど、
今回それらがなくなっていたんだよね。
これをどう受け入れろと(笑)

村の小娘(といってもこの女優さん身長170cmあるから小娘感もないんだけどw)
の奮闘記としてもオリジナル版より勢いがない感じがした。
ムーランが嘘をついていることに対する罪悪感がよりフィーチャーされていたけど、
現代の感覚からするとあんまりしっくりこなかったしなー。

あと、敵役の魅力も少ないかな。。。
あの魔女何だったんだっていう謎しか残らなかったし。。。

だから、人によってはもっと低い評価をする人もいるかもなー。
僕は戦闘シーンが好きだったから、そこまで低くないけど。

ムーランだけ異様に戦闘力が高くて、
突出した身体能力から繰り出される技の数々は圧巻だった。
シュバババッって感じが「これぞ中国映画!」って思ったけど、
これディズニー映画だったね(笑)

でも、そんなムーランを凌駕する人物がひとりだけいて。
それが、タン司令官を演じた我らがドニー・イェン。
もうね、ここだけイップ・マンなのよwww
彼の剣さばきは劇中トップクラスで、目にも止まらぬ速さwww
彼の存在が、この映画における僕の評価を押し上げていると言っても過言ではないwww

やっぱりこの規模の作品なら映画館で観たかったなー。
映画館で観てたら、もう少し面白く感じたかもしれない。
まあ、配信の方が時間を選ばないし、
気になるところは巻き戻して観れるから、
デメリットばかりでもないけど。

でも、この作品だけで2,980円。
月額770円を除いてね。
半永久的に視聴可能とはいえ、やっぱり割高感はあるな。
(1回しか観ない可能性もあるわけだし)

ムーラン|実写映画|Disney+ (ディズニープラス) 公式

実写『ムーラン』公式サイト。9月4日ディズニープラス配信決定!『ムーラン』の、感動のドラマとスペクタクルな戦闘シーンを、空前のスケールで実写...

Disney+公式

 

マラソンを観ているようだった『狂武蔵』

2020年09月02日 23時40分07秒 | 映画


【基本情報】
製作年:2020年
製作国:日本
 配給:アルバトロス・フィルム

【個人的順位】
鑑賞した2020年日本公開映画ランキング:116/117
 ストーリー:★☆☆☆☆
キャラクター:★☆☆☆☆
    映像:★★★☆☆
    音楽:★☆☆☆☆

【あらすじ】
舞台は慶長9年の江戸時代。
親友の吉岡清十郎が宮本武蔵(坂口拓)に討たれた報復に、
忠助(山崎賢人)が立ち上がる。

宮本武蔵 vs 吉岡一門および他流の武士たち計400人の戦い。

【感想】
坂口拓と山崎賢人という『キングダム』の2人と、
77分ワンカットという『1917』ばりの長さ。

この映画、実は9年間眠り続けていた未完の作品で、
クラウドファンディングにより追加撮影を終え、
ようやく公開の運びとなった模様。

77分ワンカットの殺陣はね、、、すごいよ。。。
これ、リハなしで即本番だったそうで。。。
映画としてよりも、77分間ずっと動き続ける体力がすごいと思った。
それは、主人公を演じた坂口拓もそうだし、
それにずっとくっついてたカメラマンさんもそうだし。

いつ終わるかわからないマラソンをずっとやっているかのようで、
観ているこっちが息切れしそうだった。。。
これは坂口拓あっての映画だね。

でも、評価が低いのには理由がある(笑)
それは、ストーリーもキャラクターもほぼないに等しいから。

一応、忠助が宮本武蔵への復讐に燃えるっていう設定はあるけど、
忠助の出番は最初と最後だけで、映画全体の8割以上を占める
ワンカットのチャンバラシーンは宮本武蔵によるもの。

そこがね、セリフもなく、
ただひらすら斬って斬って斬って斬って斬って斬って斬って斬って斬りまくるのみ。
しかも、長時間のアクションに備えてなるべく体力を温存できるようにするためか、
派手な動きは抑えつつ、いくつかのパターンを繰り返し使っているだけなんだよね。

また、400人も役者がいないから、
斬られた人がまた別のシーンで復活して襲ってくるっていうことで、
同じ構図がずっと続くから正直変化に乏しい。
血も使えないからCGになってて、返り血もほとんどない。
あと、ちょうどいいところに給水ポイントと替えの刀が置かれていて、
もはや映画というよりチャンバラマラソンって感じだった(笑)

77分ワンカットのチャンバラってのはものすごいチャレンジングなことで圧倒されるけど、
映画として面白いかというとそれはまったく別の話。
見た目的には、このワンカットのところよりも、
ラスト5分で行われた河原での戦いの方がもっとずっとかっこいいなって思った。

基本的にどの映画でも戦いのシーンは好きだけど、
鑑賞するという前提に立つならば、
ただ長ければいいってもんでもないってのを痛感したなー。

なお、タイトルの読み方は「きょうむさし」ではなく「くるいむさし」です。

坂口拓主演・山﨑賢人出演映画『狂武蔵』公式WEBサイト 株式会社WiiBER(ウィーバー)

坂口拓主演映画、7年前の未完成作品『狂武蔵』を、クラウドファンディングに支援により復活!追撮も終え、劇場公開を目指す!アクションバラエティチ...

坂口拓主演・山﨑賢人出演映画『狂武蔵』公式WEBサイト 株式会社WiiBER(ウィーバー)

 

現実を踏まえつつ最高のハッピーエンドで締めくくった『私の家政夫ナギサさん』

2020年09月02日 00時09分48秒 | ドラマ
まさかすぎたこのドラマ。

家政夫のおじさんから始まって、
ラストは「結婚とは」という投げかけからの
トレンディドラマばりのハッピーエンド。
最終回メッチャよかった。。。

最初は大森南朋演じるナギサさんの家政夫姿が衝撃的でイロモノ感強かったけど、
すぐに「ナギサさんに来て欲しい」ってなるぐらいには
彼の大らかさと家事遂行能力の掛け合わせに心奪われた。
特にメシ食いたい(笑)

しかもこのドラマ、恋愛とそれ以外のバランスがよかったんだよね。
基本は相原メイ(多部未華子)が仕事に邁進していて、
恋愛についての描写ってそこまで多くなくて。

半分過ぎたあたりから、ちょいちょい恋愛事情が入ってきて、
ナギサさんと田所優太(瀬戸康史)のどちらになるか?!
って感じだった。

でも、昔のトレンディドラマみたいに付き合ってイェーイ!って印象は全然なくて、
むしろその先をどうするかっていう意味合いが最初から強かった気がする。

だから、見た目やスペックだけなら田所さんって感じはしなくもないけど、
このドラマ観てたら、もうナギサさん一択って感じだったよ、僕は。

だって、あれだけ生活を共にして、お互いの人となりを知ってたら、
ナギサさんの方がいっしょにいたくなるよね?w

まあ、自分が歳取ったからそう感じるのかもしれないけど、
メイにとっては今ある生活を変えたくなかったってのもあるし、
彼女が無理しがちな性格でバリバリ働くタイプだから、
優しく大らかでサポートタイプのナギサさんとの方が
絶対相性いいだろってみんな思ったはずw

RPGのパーティーだって全員アタッカーにはしないしねw
ヒーラーは絶対必要。

そう考えると、田所さんってもはやライバルにすらなってなかった気も、、、?

てか、彼が終盤でナギサさんに
「相原さんはあなたじゃなきゃダメなんです」
みたいなことを言ってたとき、
『ひとつ屋根の下』で福山雅治が
「あんちゅあん、オレは小雪が好きだぁ。
でも小雪はあんちゅあんじゃなきゃダメなんだぁ」
って言ってたのを彷彿とさせて、ちょっと笑っちゃったwww

あと、結婚したらしたで、
メイはそれまで何の遠慮もなく
ずっとナギサさんに家事を頼んでいたのに、
いきなり「自分だけ何もしていない」ことが罪悪感に変わるってのは、
行為は同じなのに二人の関係性が変化したことで
受け取り方が変わってしまうという絶妙な描き方だなと思った。

来週スペシャルあるらしいけど、
このハッピーエンドのまま終わって欲しかった気持ちはある(笑)

火曜ドラマ『私の家政夫ナギサさん』|TBSテレビ

TBS 火曜ドラマ『私の家政夫ナギサさん』公式サイトです。2020年7月スタート。毎週火曜よる10時〜放送。

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